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「ここにくると、なんか、やりたいことが増るんだよね」っていう場所を目指して〜Easy going vol.3 に向けて

30歳以下の若い料理人に向けて、何かできることはないかと、僕と料理人のKojiさんとで始めた料理勉強会の「Easy going vol.03」を10月20日(日)18時~に開催します!

日時/10月20日(日) 18時〜19時30分ころまで 参加費/3000円(料理2品試食あり) 場所/中目黒 ビストロニョニャ 定員/6名 ※イベント終了後、ワインを飲みながら語り合う懇親会あり(キャッシュオン制)

TwitterやFacebookでもシェアしますので、ご参加希望の方は、それら経由でご連絡ください!また、2回めの様子と、Easy goingに関する過去noteを貼っておきます。

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編集者としては暗黒時代だった20代

僕は、25歳で編集の仕事を始めました。

編集を始めてわずか半年で「君は編集者に向いてないから、会社を辞めることを考えた方がいいよ」っていわれたことに始まり、その後も同期がどんどん担当企画をもって、巻末にクレジットされるなか、僕はずっと、アシスタントで、名前すら載らない。誰からも必要とされない、会社からも社会から無視されているような気持ちになっていました。

そんな日々のなかで、会社に出入している30歳以上年上の女性編集者だけは、「昨日も帰ってないの?」「一生懸命やってくれてありがとう」など、声をかけてもらっていたのが、すごくうれしかったのを覚えています。

編集者ですらない、虫けらのような僕でも見てくれている人がいるんだ。

よく飲みにも連れていってもらったなぁ。「あなたのそういうところ好きよ」って、いわれて何度救われたことか。その人がいなければ、もっとひどい20代を過ごしていたかもしれない。

20代の頃って、仕事の価値感は、たいていの場合、会社が作った価値観しかないんじゃないかと思います。でも僕の場合のように、たった1人でも、会社と違う価値観の人がいるだけで(ただの「ありがとう」の一言であっても)、技術や知識を積まなければいけない大事な時期を乗り越えられたのかなと思っています。

Easy goingは、僕もその役をしたいな、という想いから、実は始めたものでもあります。

同じ職業でも違う生き方をしている

2回目のEasy goingには、4人の20代の料理人が集まってくれました。

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日本料理の厨房に入るため、今はサービスで修業をしているヨシキくん(@1010Mcz)。

ホテルレストランのキッチンで働きながら後輩の指導まで任されるようになったサイトウくん(@yuusukegt)。

一つ星フレンチレストランで働きながら夢は世界中を旅することというコウジくん

板前の仕事をドロップアウトして、料理人が料理し続ける未来のためにフードロスに取り組むみっきーくん(@1ove_f00d)

料理を作るのが好きで、料理を食べてもらいたくて、それを仕事にしている4人。歳も2、3歳しか離れていない。それなのに、誰一人同じ生き方をしていなくて、みんなそれぞれ違った夢をもち、悩み、人生を歩んでいます。

これって、すごく当たり前のことなんですが、同じ目的のために集まっている仕事場にいると、意外と気づきづらくなってしまうんですよね。

みんなが同じ目的でいると、みんなが同じ価値観の人間であるように思えてしまう。だから、たとえば誰かが辞めるとき「やめられたら困る」「あいつは裏切った」「抜けられていいな」みたいになる。もともと違う道を歩いているのにね。

とくに、レストランのような上下関係がはっきりした職場での個別最適化は、下の人たちが意見を言いずらい雰囲気があるので、これは20代では成長の妨げになることもある。だって、そのお店では採用されないアイディアでも、別の場所では超前衛ってなることもある。

もちろん、自分で働く店を決めているわけだから、そこで学べばいいんだけど、人生では大局だけを見続けていくのは難しくて、やっぱり身の回りの不満は、心に負担をかけてします。

だから、所属するコミュニティをいくつも持つことは大事だと思っています。あるコミュニティでは快適だけど、べつのコミュニティでは不便になっちゃうよね。みたいなことに気づけると、かなり人生が楽になる。

こっちではだめだったけど、別のところで意見を聞いてみよう。とかできるようになると、精神も安定していくはずだ。

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自分の決断を増やしていく

そういった多様性に気づいていけるようになると、もう一ついいことがあります。それは、「自分の人生は、自分自身の決断によって決められているんだ」ということを知れることです。

今回も、4人の料理人が別々の道を歩いてきたなかでEasy goingで出会った。この場に行こうと思ったのは、本人の決断であって、決して誰かに行けといわれたからじゃない。

4人が別々の場所で、おぎゃあと生まれて、それぞれの家庭の環境の違いはあれ、そのなかで、決断を繰り返してこの日出会った。

いまの環境が合わないと思っている人もいたかもしれない。反対に、とても充実して生き生きしている人もいるだろう。それを、同じ料理人なのにこの差はなんなんだろうと嘆くこともできる。

けれどそれは、自分の決断の結果。決して、その道しかなかったわけではない。現に、同じ料理人を目指した同年代ですら、まったく違う人生を送っているのだから。

どんなときも決断を繰り返して今がいると思うと、決断に大小なんてないと思うようになる。ひとつの生き方、目的が決まっていれば、決断の選択項目は違っても、選ぶ基準は明確だ。

そうすると、なんだか決断を悩んでいることがばからしく感じないか? いまやるのか、やらないのか、その決断をどんどん速くしていく。それが人生で大切なんじゃないかなと思います。

Easy going という場所づくり

だから、Easy goingでは、「こんなこと考えてる」って言われたら、「いいじゃん」「おもしろいね」「やりなよ」としかいわない。どんなアイディアでもだ。そのかわり、「それをするためには、これと、これが必要だよね」「そのアイディアの見せ場は、別の場所の方が面白いよ」と、考えうる限りのことを伝えています。

僕は料理ができないので、そこはKojiさんに任せて、参加してくれた人にとって、本来の自分が表現できるような場づくりだったり、イベント後の繋がりを通じて、選択肢を増やすことができれば(年長者の役目は、若い人の選択肢をいかに増やしてあげられるか、だと僕は思っています)。

そして、20代の料理人のみなさんに、「いつも見てるよ」と言ってあげられるようになりたい。僕がしてもらったように。

そして同世代の料理人と情報交換することで、その人の決断を讃えて、応援してあげて欲しい。

Easy goingに来ると、なんかやりたいことが増えるんだよね

そんな会になればいいな、と思っています。

料理人付き編集者の活動などにご賛同いただけたら、サポートいただけるとうれしいです!