見出し画像

《美しいブルー》ほか

作家や作品の背景をすっかり忘れて見たのでその状態での感想を。えもいわれぬ不安感を生む絵画群。ほとんどが具象で多くの画面に人の形が描かれているが、描かれたというより現れたという感じ。あるいは消えゆく寸前の姿か。
(10/3 なお)

きのこ雲にも似たモチーフが印象に残った。
(9/28 真黒野差実(まぐろのさしみ))


展示としても絵画作品としても完成度が高く引きこまれる。まず絵として美しい。幻想的な色合いとストローク、輪郭の溶けたモチーフたち。そしてタイトルとのチューニングが絶妙。私的なようでいて世界の深刻な問題と繋がっている。美と醜、痛みと癒し、相反する要素が拮抗する世界
(9/25 ふう)


瞼を閉じた時に映る残像のよう。
陰鬱な印象は出自のユダヤ人にまつわるテーマを持つからなのかも。

けれどそれらを忘れてただ美しい色の重なり深みに捕らわれる。
魅力的な作品でした。
(8/20 夜宮)


あいトリ芸文会場 ミリアム・カーンをぐるりと見渡して、杉戸洋と加藤泉が混ざったような……と言ったら、そういうこと言っちゃダメと息子に叱られたなり。
(8/12 かしゅらって)

画像2

©mayu.h

画像1

ミリアム・カーン
1949年バーゼル(スイス)生まれ
ブレガリア(スイス)拠点

幼少期にビキニ環礁における原爆実験の映像を見た世代で、自らと同じユダヤ系の科学者が原爆開発と投下反対の両方の立場にいた歴史的背景から、原爆をめぐる「美」と「倫理」の葛藤を主題にした水彩シリーズを繰り返し描いていた。一方、油彩作品は、人物、動植物、建物などいくつかに枝分かれした主題を含み、各主題がそれぞれ探求されているが、とりわけ人物を主題とする画面のなかでは時折、薄暗いトーンの背景に鮮やかな色彩で描かれた人々がたたずむ。個の存在を浮かび上がらせるための明確な輪郭線を持たないカーンの絵画は、境界よりも融合を示唆するように見える一方、見るものに救いのない冷徹な世界の現実を突きつけるようでもあり、この時代の不確かさとともに、苦難な状況下での人間のあり方を問いかける。
(あいちトリエンナーレ2019公式サイトより抜粋)

▼ほかのレビューを見る▼
アーティスト名別レビュー一覧

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?