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A33:キャンディス・ブレイツ

《Love Story》

難民の女性が半生を語るとき、例えば話し始める時に吸う息の震えが彼女の受けた暴力の過酷さを伝えるが、ハリウッド女優による再現からは抜け落ちる。他者の物語を表現することの残酷さと、それでもなお確実に心動かされることの間で引き裂かれるような作品だった。
(10/18 なお)


俳優の話りの後に難民自身が話す映像。TV的に「成立させる」ことが与える影響について考えた。
(9/28 真黒野差実(まぐろのさしみ))


自分は今日マチ子のマンガ(もしくはマームとジプシーの舞台)「COCOON」を想起していた。沖縄の戦争体験者の体験談を聞くよりも、聞き手の心に響く描き方を模索した作品だった。
(9/22 ハラックマ(原田教授))

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©mayu.h

A33キャンディス_Hisao Takeuchi ATN0810-62

©竹内久生


キャンディス・ブレイツ
1972年ヨハネスブルグ(南アフリカ)生まれ
ベルリン(ドイツ)拠点

2007年からブラウンシュヴァイク美術大学の終身教授も務める。近年は、メディアが世界的に飽和した文化状況のなかで「共感が生み出される条件」に焦点を当て作品を展開。人々がセレブや架空の登場人物たちに強い共感を覚えるのと同時に、実世界で逆境に直面する人々に無関心である状況を、徹底して批評的に探求する映像三部作を制作してきた。《Love Story》(2016)、《TLDR》(2017)に続き現在取り組んでいる第三章となる作品でも、「アテンション・エコノミー」----情報過多の時代において人々の興味関心を惹くための技術・技巧が、情報の内容より重視されること----をテーマとしている。
(あいちトリエンナーレ2019公式サイトより抜粋)

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