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『縛られたプロメテウス』

見知らぬ男の問わず語りで内面世界に誘われ、VRにより彼の見ている景色が現前する。この状態を私はよく知っていると思った。能だわ。この作品も夢幻能のように複式なのだが、ヒリつくような現を突きつけられるのは後場だった。
(10/15 なお)

小泉明郎
1976年群馬県生まれ
神奈川県拠点
国家・共同体と個人の関係、人間の身体と感情の関係について、現実と虚構を織り交ぜた実験的映像やパフォーマンスで探求している。人は、国家や守るべきもののために命を投げ出すことができるのか/他者を殺すことが赦されるのか。歴史や日常の裂け目から立ち現れる究極的な問いをめぐって、かつての特攻兵や加害軍人、イラク戦争従軍兵などへの聞き取りを通じて、暴力や自己犠牲の感情が生まれるメカニズムを考察。当事者たちの感情を追体験させる演劇的な映像は、観客を現実と夢、過去と未来、絶望と救済、憎悪と愛情、加害者と被害者の両極に引き裂き、誰もが傍観者たり得ない社会を批評的に映し出す。(あいちトリエンナーレ2019公式サイトより抜粋)

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