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A06:ウーゴ・ロンディノーネ

《孤独のボキャブラリー》(《Vocabulary of Solitude》)


これの手前の展示のノリノリに踊るラテン人→60分動けないリーマンとの対比が鮮やか。人に自分を侮らせることができる存在(道化)の強さ。解説で西洋美術におけるピエロについて参照されてましたが、ブランクーシや愛知県美が持っているメダルド・ロッソの頭部も想起しました。
(1/11 なお)


笑いの消えたピエロが、虚ろな表情で考え込む。人の輪に入りたい、SNSに浸りたい。現代人は、孤立を恐れる「繋がりたい症候群」で、更に惨めな気持ちに陥る。喧噪を離れよう。孤独-深いひとりの時間-を受入れ、内面の充実を図れば、大きな自由と解放感が得られる。
(9/26 ゆでたまご)


服もカラフルでポーズも様々な45体のピエローー道化師たち。彼らは一様に目を閉じ、何かを伝えることを拒んでいるようにも見える。しかしよく見るとそれは全て仮面で、中の表情は窺い知れない。その内側で躍動する心を思わずにはいられなかった。
(9/15 ふう)


鑑賞者が隣で同じポーズをとっては続々とSNSにアップされる映える写真。本来は人を楽しませ、時にはその人の孤独を忘れさせ笑顔にするような振る舞いをする道化の孤独に、鑑賞者は知らず知らず寄り添っているのないか、と。無表情な道化が何を思っているのか。想いを馳せてみたりする。
(9/15 そらそこ とおい)

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ウーゴ・ロンディノーネ
1964年ブルンネン(スイス)生まれ
ニューヨーク(米国)拠点

雲、虹、山などの、ロマンティックかつ自然そのものでもあるイメージを日常に投影し、現代生活の両義的な性質を明らかにする。《孤独のボキャブラリー》では、サイケデリックな衣装をまとったピエロたちが、夢を見る/おならをする/お願いする/嘘をつくなどの、一人の人間が24時間のうちに行う45のふるまいを示している。うつろな表情で深く考え込むようなポーズは、いわゆるピエロらしさとは異なる。彼によれば、「時間の感覚を超えていること、過去と記憶が断片的に潜在意識の中で繋がっていること、そして環境のあれこれとの曖昧な関係が私の作品を形作っている。歪められた現実ではなく、作品は現実を越えようとしているのだ」という。
(あいちトリエンナーレ2019公式サイトより抜粋)

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