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『Grand Bouquet』

「女は女に生まれるのではない、女になるのだ」とボーヴォワールは言ったが、その過程には暴力の反復がつき纏う。観た後で悔し涙が出た。作品は性と生の身体の外のサイクルを暗示もする。私の世界観と共鳴し、吉開監督と歩みを共にしているようで嬉しくもあった。
(12/15 長山智香子)


黒い存在と対峙し、立ち向かっては花を吐き出す主人公の姿は怖くも勇敢だった。#metoo に重なるという友人の感想に確かにそうかもと思いつつ、陳腐な感想かもしれないが僕も主人公の様に何度倒されようと花を出し続ける存在でありたいと思った。
(9/28 真黒野差実(まぐろのさしみ))


巨大な黒い塊と向い合うひとりの女性。黒塊の圧倒的な力に立ち向うも繰返し弾き飛ばされる。口からは言葉の代わりに、花を吐き出す。遂に女性は潰されるが、残った花が成長し広がっていく。黒塊は世間・社会。Metoo!勇気あるひとりの発言が、多数を動かす。
(9/22 ゆでたまご)


吉開菜央
1987年山口県生まれ
東京都拠点

映画作家、ダンサー、振付家として活動。日本女子体育大学舞踊学専攻卒業後、東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。生き物ならではの身体的な感覚や現象を素材に、「見て、聴く」ことに集中する時間を作り出す。映画『ほったまるびより』が第19回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門の新人賞を受賞するほか、ミュージックビデオの制作でも評価を受ける。米津玄師のミュージックビデオ『Lemon』では振付を担当し、自身が出演もしている。
(あいちトリエンナーレ2019公式サイトから抜粋)

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