見出し画像

小さな幸せを。 #3


2020年10月12日。
今日で母が入院してから1週間。ようやく7日間の薬(ビダーザ)の投与が終わる。この薬は副作用があるため、吐き気止めを飲んでから投与していたらしい。胃のむかつきはあるものの、ご飯は全部食べることができているそう。血液データはというと、輸血によって赤血球と血小板の数値をなんとか保っている状態だ。確実に母の身体の自由は少しずつ奪われていっている。血球減少が進んできたことで、お風呂を禁止されたらしい。
こんな御時世になってしまったから、満足に面会もできない。病室の中に入ることが許されているのは父親のみ。母に会いたいと何度思ったことか。免疫力がかなり低下してしまった今、母と直接会うなんてリスクが大きい。私と弟はリモートで母の様子を確認するしかできなかった。

母の温もりが恋しい。

そんな風に思ったのは何十年ぶりだろうか。何気ない日常を突然奪われ、ようやく『小さな幸せ』がこんなにも身近にあったことに気がついた。


しばらく1〜2週間は7日間投与した薬がどれだけの効果を発揮するのか評価していくらしい。少しの可能性を信じて、少しでも薬の効果が出てくれと願うばかりです。



おまけ。
母の献血している姿を見た弟。「今日はオレンジジュース(血小板)飲んで、明日はトマトジュース(赤血球)飲むらしいよ。」ジュースに例えるなんて可愛くて笑っちゃった。確かに言われてみれば色が似ているかもね(笑)。