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投資日記

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塩尻ムセンのはっとり代表が個人的に実施している投資について記録を残しています。
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#歴史

貨幣の変遷

経済を語るのに貨幣を外すわけにはいかないので、最初にざっと変遷をおさらいしときます。 ①貨幣の誕生 物々交換ではいつも欲しいものが欲しい量だけ交換できるとは限らないので、貝殻・石・骨・布・米・家畜・穀物等が物品貨幣として機能した時代があります。その後金属貨幣が登場しますが、腐らず加工が容易で規格化がしやすく比較的頑丈なので蓄積するのに向いているという特徴があり物品貨幣は廃れて行きます。 ②紙幣の誕生 物品貨幣に代わって金、銀、銅等の貴金属が貨幣として使われ始めますが、

経済史を備忘録として書き始める

予告通り、経済史について、自分の備忘録として書き始めることにします。歴史好きの方にすれば当たり前のことでも、歴史をきちんと勉強してこなかった理系技術者にとっては目から鱗なことだったりするので、同じような立場の方にとって役に立つのであれば公開する意味もあるのかなと。 まず経済史を勉強しようと思い立った背景、きっかけについて少々。 ①今仕事としてネット通販に取り組んでいるのですが、これが個人で割と簡単にできるようになったのはここ10年くらいのことです。その昔はネット環境が貧弱

歴史教育の問題点

地域や時代をあっちこっち飛び回っているうちに中高生の歴史教育の問題点を感じたのでここに書き留めておきます。 1. 勉強を始める前には興味津々だったのに。。。英語教育もそうですね。授業が始まる前には「これから外人みたいに英語喋れるようになるのか」ってワクワクしませんでしたか?でも大学まで出てても満足に喋れない人の方が多いですよね。 歴史もそう。四大文明やギリシャ・ローマをやっているうちにヘンテコな人名とか年代を覚えさせられて息切れしてやる気を失い、肝心かなめの近現代史の頃に

朝鮮半島・満洲史を追う(14)〜満洲事変(3)

間が空きました。読んでいる書籍が濃密で複雑で消化し切れないのです。 学術書のような書き方で、主観がほとんどなく事実が淡々と述べられています。丹念に読み込むのに適した書籍で、ざっと斜め読みできる代物ではありません。 ここでいろいろ考えましたね。複雑な事象を簡単に理解しようとするから著者の思想や思惑が入り込んでしまう。「戦闘が起こった」だけだとその背景がわからないので、1という背景があった、2もあった、3もあった、、、と並べて行くうちにどこがどう影響し合っているのかわけがわか

朝鮮半島・満洲史を追う(13)〜満洲事変(2)

思わぬアクセス数に気を良くしてしばらく続けることにしました。 === 高校の教科書には、日本が大陸進出の足掛かりとして自作自演の満洲事変を起こして日中戦争(支那事変)から太平洋戦争へのきっかけとなった、的なことしか書いてないが、これは印象操作の感じが強い気がします。もっと世界史の大きな流れで日中・日米戦争を捉えてみたい、と思う人は多いはず。 幕末・開国まで遡ると、当時はオスマン帝国、ペルシャ、ムガール帝国、清国、と陸の帝国ロシアの南下を海の王者イギリスが押さえ込もうと躍

朝鮮半島・満洲史を追う(12)〜満洲事変

ここではYouTubeの教材を貼っておきます。 筆者の力量不足で要約できません。あしからず。

朝鮮半島・満洲史を追う(10)〜歴史解釈の歪み

タイトルは最近痛感していることです。例を挙げると 朝鮮を脅して(砲艦外交)不平等条約を押し付けた前振りが抜けてます。まずは政権交代の挨拶に訪問した使節を無礼な態度で追い返したところから話を始めるべきではないでしょうか。 また、日朝間が不平等条約を結んだ(1876)のは、日清間が既に対等な条約(1871)を結んでおり、当時朝鮮は清国の属国だったからでしょう。 ペリーらが来航して鎖国を解き開国したそもそも鎖国したのはカトリックが植民地化への足掛かりになる虞があると、江戸幕府

朝鮮半島・満洲史を追う(9)〜大局観を養う

朝鮮半島の歴史を追っているだけでは事件が起きた背景が見えず物足りなさを感じ、清国・満洲史を追い始めて、更に当時の特に欧州の様子も把握しておきたくなりました。手っ取り早く掴むために適当な教材を紹介します。 日本史で近現代史を勉強しようとするとペリー来航から始まる教材がほとんどで、なんだかよその惑星から宇宙人が唐突にやってきたような印象を受けますが、この教材では日本人と西洋人との出会い、つまりポルトガル人が種子島にやってきたところから話を始めています。 大航海時代、ポルトガル

朝鮮半島・満洲史を追う(8)〜朝鮮半島と満洲の関係

亡父が日本統治下の朝鮮半島で生まれ、母が幼少の頃敗戦まで満洲に暮らしていたのが朝鮮半島と満洲の歴史学習を始めたきっかけと申しました。しかしこの地域には古代から密接な関係があるのです。下の動画をご覧ください。 朝鮮の統一王朝には 7−10世紀の新羅 10−14世紀の高麗 14−20世紀の李氏朝鮮 がありますが、それぞれの支配者の出自は 新羅=統一者:文武王は韓人(中国は唐時代)ですが、 高麗=建国者:王建は満洲人(中国は宋・元時代) 李氏朝鮮=建国者:李成桂は満洲人(中

朝鮮半島・満洲史を追う(7)〜ここまでの筆者の印象

歴史的事実と、著者・自分の推測や考えをできる限り分けたい、と思って学習を進めてきました。ところが事実だけを並べてみても大きな流れが見えてきません。そこには当時の国や人を動かしたであろう思惑や思想をある程度想定しないと理解が進まないと痛感しています。そこで今回は筆者の考え・印象・推測等を交えながら流れを書いてみることにします。 === アヘン戦争、明治維新後、第二次大戦終戦に至るまでの流れを整理しますと 東アジアで日本が真っ先に開国・近代化したが清朝・李朝の近代化が遅れた

朝鮮半島・満洲史を追う(5)

なかなか学習が進みませんが、今までの歴史学習の変遷を辿ると 1. 北朝鮮が政権交代して軍事挑発を始めた頃、世界がどうなって行くかに興味を引かれた→学生時代に興味が持てず不得意だった歴史を勉強しなおそうと一念発起する 2. 世界史、日本史の書籍を漁るが何か物足りなさを感じるのは何故なのかを色々考える→古代から近世は現代との繋がりが薄く、これは趣味や学者の世界だと痛感した→ビジネスマンたる自分が注力すべきなのは近現代史だと見定め、ここに絞ることにした 3. 近現代史とは言っ

朝鮮半島・満洲史を追う(4)

前回の続きになります。 === 朝鮮半島・満洲史を追っていると、今現在外国の、しかも過去の事象なので、事実だっかどうか疑わしいことも多々あり、また現在の政治的立場に影響されて主張する人々もいたり、なかなか真に迫るのが難しいジャンルだと感じています。 学習を始めて思ったのは、歴史認識にはレベルがあると言うこと。 1. 歴史的事実背景やきっかけなどは脇に置いて、ただ客観的に起きたことだけを追うレベルです。年号だけ覚えさせられた学生時代を思い出します。 2. 時代背景や人

朝鮮半島・満洲史を追う(3)

まだまだ勉強中なので講釈たれるような見識はないのですが、歴史の初学者向けに一言、忠告しておきたいことがあります。 現代社会の常識・通念を当てはめて過去を見たり善悪を判断していては本質が見えなくなる過去正義だったものが現代では否定されることは多々あります。例えば身分制度は社会を安定させるために必要だったからそうしていたわけで、その当時に合わせた秩序を模索した結果だったわけです。中華秩序、属国関係、傀儡政権、等々にも同じことが言えます。(台湾経営、日韓併合、満洲国、等々を念頭に

朝鮮半島・満洲史を追う(2)〜満洲史の概略(1)

朝鮮半島と満洲を一体として歴史を追いたいのですが、年表に両方の出来事を入れるとごちゃごちゃして流れが見えなくなるので、どう整理するのがベターなのか試行錯誤しているところです。 前回は朝鮮半島史を、明治政府が開国を迫ってから併合するまで、を時系列に記述しました。 今回は「満洲史の真実」宮脇淳子著 を参考にして満洲史を同じように書いてみることにします。 === まず書き初めは、満洲(当時の清国)が日本と関わって動き出すのは日清戦争が発端との前著の主張に従います。そこから満