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香研究会IRIの歩み【1】 2011年

2011年1月1日に発足した香研究会IRIの9年間の歩みを振りかえってみたいと思います。

東京大学先端科学技術研究センター所長 神崎亮平教授の多大なご協力のもとに、香研究会IRIは発足しました。

当初は NPO法人設立を考えていましたが、いろいろな方のお話を聴くうちに、日本で NPO法人を運営していくことの難しさを知り、任意団体として活動を開始したのでした。

発足の際には、日経BP社の西沢邦浩さん、東京薬科大学名誉教授 指田豊先生、筑波大学名誉教授 池田裕先生に、大変お世話になりまして、深く感謝しております。

香研究会IRIの目指している世界に、微力ながら、少しずつ近づきたいと、今でも願っております。

【Our Vision】                                                                                                          

日本の香道という枠を超えて、世界の香・香文化の歴史の調査研究、香木・天然香料の供給の実態調査、香の薬効を科学的に解明する活動を行う。香を通して、「人と人・古代と現代・東と西・アートとサイエンス・伝統と革新・天と地をつなぐ」というテーマで、自然の恵みへの感謝とともに、心身のウエルネスと地球環境への意識の向上を目指す。

【Our Mission】

西洋で生まれたアロマセラピーに関する研究はすすんでいる一方で、東洋の香に関する調査研究はあまり盛んではない。インセンスと呼ばれる香の文化は古代文明の時代から世界各地で存在していたが、現在はそのほとんどが忘れられつつある。科学的実証とともに、古代から継承されてきた香の良さを見直し、ストレス社会と言われる現代社会の要請に応じた香の活用を探求する。

初年度は、さまざまな方々にご講演をいただき、私自身も多くの学びがありました。

とくに、神崎教授のセミナー『嗅覚のしくみ』は非常に興味深く、今でも香スペシャリスト養成講座で引用させていただいております。

そして、西山 厚先生(当時:奈良国立博物館 学芸部長)のセミナー『光明皇后と正倉院の香薬』では、 ありがたいことに、東大先端研に新しく完成したばかりのENEOSホールを利用させていただき、百人程の人々にお集まりいただきました。西山先生の聴く人を惹きつける魅力的な語り口は、今も心に刻まれています。東大先端研のホームページに、その時の取材記事が、今でも掲載されております!


古田 亮先生(東京藝術大学 大学美術館 准教授)のセミナー『香りをみる!』は、東京藝術大学の美術館で開催された「香り かぐわしき名宝」展にまつわるお話が盛りだくさんで、美しい作品に彩られた展覧会の図録は、今でも私の宝物です。

2011年は東日本大震災があった年で、いろいろな苦労がありましたが、一流の先生方のあたたかいご厚意によって、充実したセミナーを開催できたことは、今から振り返ると、まるで奇跡的だったように感じます!


■2011年 2月25日(金)第1回セミナー

『解明されつつある香り成分の健康効果』  

不調によく効く香り、データを通してその可能性を探る

◎西沢邦浩(日経BP社 ライフスタイル局プロデューサー)

◎東京大学先端科学技術研究センター


■2011年 5月27日(金) 第2回セミナー

『アラブの香と文化』

アラブの代表的な香 乳香と沈香     

◎井上 瑞子(アラブ文化研究家)

◎東京大学先端科学技術研究センター 


■2011年 6月24日(金) 第3回セミナー

『嗅覚のしくみ』

匂いの世界                

◎神崎亮平(東京大学教授・先端科学技術研究センター所長)   

◎東京大学先端科学技術研究センター 


■2011年 9月16日(金)第4回セミナー

『光明皇后と正倉院の香薬』   

◎西山 厚(奈良国立博物館 学芸部長)

◎東京大学先端科学技術研究センター ENEOSホール


■2011年 10月28日(金)第5回セミナー

『香りをみる!』    

「香り かぐわしき名宝」展、企画から実現まで

◎古田 亮(東京藝術大学 大学美術館 准教授)

◎東京藝術大学 大学美術館  


■2011年 11月25日(金)第1回ワークショップ

『和の香り体験ワークショップ』 

ゆったりした深い呼吸で香を聞く   

◎渡辺 えり代(香研究会IRI代表)

◎国際文化会館 


上の写真は、西山厚先生のセミナーの後に、東大先端研のキャンパスにあるレストランで開催した懇親会の記念写真です。

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