動き過ぎは良くない関節アプローチ 逸話其の五 -肩関節の内部インピンジメントの正体-

肩関節マニアになってきましたか?
今日も肩に痛みがある選手が来ました。
投球動作中に肩関節の後部に痛みがあります。「しなり」を生む最大外旋時に痛みが生じるそうです。
そうです、典型的な内部インピンジメント症候群の症例です。

上腕骨前方グライド症候群が原因か

肩関節の内部インピンジメント症候群は、定義では上腕骨骨頭が前にシフトしているのが原因とされています。
それを確認するのがこのテストになります(英語版)。

肩関節の外旋時に痛みがあり、徒手で上腕骨骨頭を後方に移した状態をつくり肩関節の外旋時に痛みが生じなかったら、「上腕骨前方グライド症候群」と診断します。
でも、実はこの診断で治らなかった投手が何人もいるのです。悲しき過去の失敗例です。
あれ?診断確認テストで痛みの原因を特定したはずだったのでは?

やはり行き着く先は肩甲骨

実は上記のテストは、上腕骨の後方グライドと同時に、肩甲骨の後傾もしている可能性があります。
今回は、選手が座位の状態で徒手で肩甲骨を後傾させました。その状態で肩関節の最大外旋をしてもらいます。投球動作の「しなり」のようになります。
その時に痛みが無かったら、診断確認テストとして「肩甲骨前傾症候群」が考えられます。
動くべき関節は肩甲肋骨関節(肩甲骨そのもの)で、動き過ぎて良くない関節が肩関節なのです。
リハビリは肩甲骨の後傾を生み出すこと(あるいは取り戻すこと)です。
え?どうやって肩甲骨を後傾させるかって??以前書いたブログを参照あれ!

肩を大切に。

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