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ポーカー業界ウォッチ2022

お久しぶりです、えりぞうです。

ポーカー業界の2021年は以前から引き続き盛り上がった年になりましたね。
世界No1ポーカー系Youtuberのヨコサワさんとヒロキさんのお店『ROOTS』が開店、セガサミーのm HOLD'EMプロジェクトなど話題には事欠きませんでした。

この記事ではオンラインとアミューズメントカジノ店舗の2つのカテゴリに分けて、現況とこれからの見通しについて僕なりの考えを述べていこうと思います。
(日本国内が対象で、海外については対象外となります)

【オンライン】
・全体の情勢
ポーカー人口の増加や、巣ごもり需要によって2021年も大きく成長した年になりました。今年も少なくても春以降まではコロナの影響が続くものと思われ、この調子は継続するものと思われます。
但し、数年後の話となった時には『リアルタイムソルバー』といったオンラインポーカーのゲーム性を破壊する存在がどこまで浸食してくるかわからないので決して安泰という訳ではありません。業界の将来的には、そういったツールやAIによる不正行為との戦いになるものと思われます。

・GGPOKER
GGPOKERは2021年に日本人に向けた大々的なプロモーションを展開し、半年足らずで日本におけるナンバーワンシェアに躍り出る事に成功しました。
2020年頃にWSOP、APT、WPTなどのビッグブランドがコロナの影響でライブイベントの開催ができず、オンラインイベントの受け皿として台頭してきたのがGGPOKERでした。
UI(ユーザーインターフェース)については、カード絞り機能などPOKERSTARSと比較して若干冗長気味に捉えられていましたが、全体的な機能としてはPokercraftといった簡易分析ツールや簡易HUDが標準装備されていたりと概ねプレイヤー達に受け入れられていった感じはします。
2022年もこの勢いは止まらずに進む事は間違いないとは思いますが、現在日本人向けに行っている大規模プロモーションも永続的に続くものではないと思われますので、そうなって初めて地力が試されていくものと思われます。

・KKPOKER
KKPOKERは2020年の春頃から日本でのサービスが開始され、コミュニティ主導で大きくシェアを伸ばしました。
POKER系YoutuberやひゃっほうさんといったインフルエンサーからKKPOKERは広がっていき、それまでポーカーの存在を知らない層にリーチできたのは大きかったと思います。
僕はGGPOKERとKKPOKERの関係を、『中央集権』のGGPOKERと『コミュニティ主導』のKKPOKERという表現をする事があります。
GGPOKERについてはGGPOKER本体が各種プロモーションをするのに対して、KKPOKERはKKPOKER本体だけではなくクラブオーナー達がそれぞれ独自のサービスやプロモーションを行っているのが特徴的です。
そういう意味で、KKPOKERはGGPOKERと差別化ができておりその路線で行く限りは2022年も安泰であると思われます。
弱点は中央集権ではないので、権限がクラブオーナーと各コミュニティに分散されており、その結果どうしても治安が悪くなりがちな点が挙げられます。
トランスファー詐欺、クラブオーナーの約束反故などといったトラブルがGGPOKERに比べて多く、そこをどうやって解決していって安心なプラットホームをプレイヤーに提供していけるかが鍵になる気がします。

・POKERSTARS
細かい売上データを持っている訳ではないので推測になりますが、2022年1月の時点では恐らく先述の2サイトに抜かれてしまい業界3位に転落しています。
元々日本のみならず世界的にも1強だった時期は長く、2019年までは他の追随を許さないサイトでした。
しかしながらレーキバックの改悪、日本人向けのプロモーションの縮小、プレイヤーの平均レベルが高い、アプリのバージョンアップがほとんどされないなどといった事が重なって、日本人の興味は2020年から急速に失われていきました。
これには、POKERSTARSの親会社であるスターズグループ(旧アマヤ)が2020年5月にスポーツベットの会社に買収され、経営方針が変わってしまった事も影響しているのではないかと思っています。
スターズグループの後期時代から事業のメインストリームをポーカーからオンラインカジノやスポーツベット、ファンタジースポーツに移行しようとしている動きがあり、その流れが新しい親会社によって加速してしまったのかもしれません。

・m HOLD'EM、ポーカーチェイス
こちらの2サイトは非リアルマネーアプリの急先鋒として共に2021年にリリースされました。
共に豪華声優陣がCVを務めていたり、ガチャがあったり、アニメとのコラボレーションがあったりとソシャゲに近い作りになっているのが特徴的です。
ポーカー界隈において、ライト層の受け入れとして一役買っているだけではなく、知名度の向上やクリーンイメージを布教できている点も大きいと思っています。
弱点についてですが、現状では他のソシャゲと比較してガチャを回す必要性があまり感じられず、どのようにマネタイズしていくのが気になる所です。
現在ではゲーム間に広告が流れたりしたりして広義の意味ではプレイ時間とアプリの売上は比例しますが、いわゆるヘビーユーザーが何十万、何百万も使うような仕組みという訳ではないので課金モデルとしては懸念が残ります。

【アミューズメントカジノ店舗】
・全体の情勢
2021年はライブ店舗の出店が過去最高に増加した1年でした。これも2019年頃からヨコサワチャンネルがYoutubeでブレイクして世間に認知された事による功績が大きいと思っています。今年も引き続きこの流れで店舗が出店されていくものと思われますが、これからはFC化された店舗の割合が多くなるものと予想しています。

・既に供給過多?
先述の通り、2021年においては沢山のアミューズメントカジノの店舗が増えました。
僕が知り限りでは、現在の新宿の歌舞伎町付近には10店舗を超える店舗が存在し、ここは最激戦区となっています。
このように各都市圏には複数の店舗が軒を連ねる事になり、プレイヤーが増えるスピード以上に店舗の増えるスピードの方が速く、その結果集客割れを引き起こし始めているのではないかと危惧しています。
アミューズメントカジノ店舗は、家賃や人件費などの固定費が売上に占める割合が非常に大きく、プライズなどの広告費などを含めたその3項目だけで売上の80%以上を占める事はざらにあります。
固定費は売上によって左右しない(人件費はある程度変わりますが)ので、売上が凹むと当たり前ですが大打撃になります。
現段階では潰れた店舗はあまり聞かないのでまだまだいけると思う方もいらっしゃると思いますが、それは2021年にできたばかりの店舗が多くまだ赤字に耐える体力が残っているだけの可能性もあります。
僕の予想では2022年の後半あたりから淘汰が始まっていくのではないかと予想しています。

・FC化の懸念
先ほど2022年はFC店舗が増加していくと述べましたが、懸念もあります。
それはFCの大本である本店が成功していても、FCが成功するとは限らないからです。
FCの最大のメリットは、運営のノウハウや仕入れルートなど統一化されたマニュアルを使用できる点と、CMや屋号のブランド力による宣伝効果を享受できる点にあります。
牛丼チェーン店に例えるなら、運営のノウハウと機材・食材の仕入れルートを画一化できる事によって、味のばらつきがなく同じ牛丼を提供する事ができ、また本部が行っているテレビCMの効果の恩恵を受ける事ができるといった具合です。
しかしながらアミューズメントカジノ店においては、土地柄や競合店によって経営方針は大きく変化することになり、牛丼チェーン店における同じ味を提供するといった方法では通用しにくいと思っています。
・都市圏なのか、または地方なのか
・競合店が存在するのか、どのような競合店なのか
・駅近の高家賃か、郊外の安家賃か
・どのような土地柄なのか(会社員が多い、遊びに来る若者が多いなど)
になどによって普通の牛丼だけではなく、滅茶苦茶大盛りの牛丼があったり、うどんや日本酒も取り揃えていたり、和牛を使った高級牛丼をだしたりと色々と工夫をしないと戦っていけない業界であると僕は思っています。
FCによる出店を検討している事業者は、本部がどこまで戦略的な点において面倒見てくれるのかは注意深く観察していく必要があると考えています。

・今から出店するのはもう遅い?
既に都市圏には多くのアミューズメントカジノ店舗が存在しており、新規出店をする際には既存の競合店とお客様の取り合いになる事が想定されます。
普通に出店するだけなら当然既存店舗の方にアドバンテージがありますので苦戦が予想されます。
そこでこの記事の本筋からは離れますが、勝機を見出す為に必要な項目を以下に列記してみました。

・新規顧客を創造する独自のチャネルを持っている
オーナーがインフルエンサー
オーナーがインフルエンサーと繋がっている
オーナーが他業種のオーナーでそこからの流入が狙える
オーナーが大規模なコミュニティを持っていてそこからの流入が狙える
他業種とのコラボレーションなどが臨める
SEO対策やSNSマーケティングが優れている

・お店のコンセプトが明確化されている
お店のコンセプトが明確化されていて、それがSNSやHPからもわかる
SNS上においてコンセプトを伝える発信力がある
競合店との差別化が図られている
(内装、価格帯、プライズ、制服、イベントなど)

・お客様に満足してもらえるお店つくり
ディーラーやフロアのホスピタリティ
ディーラーのスキル
雰囲気(ラグジュアリー感、和気あいあい感、キャストと気軽に会話できるなど)
SNSでも店舗やキャストとコミュニケーションが取れる、など

ちなみに他店との差別化で『金額を安くする』というだけでは悪手と言えます。
イニシャルコストが滅茶苦茶安くできてスモールビジネスからスタートできたり、イノベーショナルな手法を採用して各種コストを安く抑える事ができたりといった事が可能な以外は辞めた方が得策かと思います。

もし2022年に出店したいと思っている事業者や個人オーナーの方がいたら上記の内容を意識して頂ければ多少なりともお役には立てるかなと思います。

【おわりに】
以上、少し本筋から離れましたが現状のポーカー業界について僕なりの見解を述べさせて頂きました。
こちらの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

長文失礼致しました。

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