アミューズメントカジノ運営マニュアル(SNSの基本編)
1 はじめに
みなさんこんにちは、えりぞうと申します。
最初に、こちらの記事をご覧頂きまして誠にありがとうございます。
タイトルにある運営マニュアルをなぜこのような形で公開しようと思ったのかの経緯について説明させて頂きます。
私は去年の6月までアキバギルドを代表とするアミューズメントカジノ最大手のハンターサイト株式会社に所属しており、沢山の知識や経験を学ばせて頂きました。
ただ、その際に体調を崩してしまい退職、その後現在に至ります。もうフルタイムでカジノ業界・ポーカー業界にコミットしていくつもりはなく、別の働き方を模索している最中なのですが、在職中に得た知識や経験がこのまま埋没していくのも忍びないと思い、少しでも業界が発展できるようなモノを残せたらと思い筆を執った次第です。
では、筆者の経歴について簡単に紹介します。
2013年~2018年までハンターサイト株式会社に所属。その間に担当した業務ですが、
・ジャパンオープンポーカーツアー(以下、JOPT)の放送ディレクター(最大視聴者数12万人)
・SPADIE POKER LEAGUEの立案・企画・立ち上げ・運営
・戦国ポーカーツアーの企画・立ち上げ・運営
・JOPTの2DAYイベントの提案(以降のP.P.C)
・池袋ギルドBrian Cupの提案・企画・立ち上げ
・東京dePOKER立ち上げ時の企画サポート
・東京dePOKERジクー店の立案・立ち上げ・マネージメント
・池袋ギルドの運営コンサルティング
・学生ポーカーリーグの企画・立案・立ち上げ
・経理業務全般
ざっと思いつく限りではこのような感じですが、まだこれで全体の7割ぐらいだと思います。
先述したイベントや店舗の『全て』が退職して1年以上経っても未だ現存している事は嬉しく思うと共に、現時点で運営に携わっているスタッフの方々に深く感謝する次第です。
2 ツイッターを使いこなせない店舗はいずれ衰退する
前置きが長くなりましたが、そろそろ本題に入ります。
今回は店舗運営におけるSNSの重要さと、その内容について触れていきます。こちらについては、既に多くの店舗が実施している内容でありますが、明文化する事によってマニュアル化し、当日キャストによるムラを軽減する目的があります。
あらかじめここで表明しておきますが、今回の記事は無料で公開しているので、業界関係者だけではなく一般プレイヤーも多く目にしている事かと思います。
しかしながら、中には一般プレイヤーには見てもらいたくない内容も含まれてきます。そういった記事には高めの有料記事とする事で本当に見たいと思っている業界関係者のみが閲覧できるような形を取っていきたいと思っておりますので何卒ご了承ください。
さてSNSですが、ここでは主にツイッター投稿の基本に重点を置いて説明していきます(応用編や、ツイッター以外のSNSの新しいアプローチ方法については有料記事にて寄稿する予定です)。
アミューズメントカジノにおける集客方法において、ツイッターは最も重要なファクターであり、軽視してはいけない存在である事はほとんどの方がご存知であるかと思います。
ここで、ツイッターは有効に活用する事が『アドバンテージ』になるのではなく、有効に活用できない事が『ハンディキャップ』になるとお考え下さい。
つまりはツイッターの運用はできて初めて土俵の上に立つ事ができ、できない店舗はそもそも他店舗に勝負できていないという事です。
繰り返します。ツイッターの投稿がきちんとできていない店舗は、他店舗と比べて競争力が劣り、いずれは潰れます。うちは常連割合が多いからいらないとか、LINEで個別営業しているからいらないとか関係ありません。
その場合はツイッターも併用すればいいだけの話なので、どの道軽視している時点で経営方針としては下策なのです。
3 これだけはやろう!5大営業ツイート
では、ツイッター上でどのような記事を投稿していけばいいのかを列記します。上にいく程、重要度や頻度は高いです。
1 当日トーナメント開始時の案内
2 後日開催するビッグイベントの案内
3 当日オープン時の案内
4 当日トーナメント優勝者表彰
5 お店の案内、コンセプトについて
その他、お店からの告知等
以上となります。
上記に挙げた内容は事務的に行う投稿内容としては最低限の内容となります。ルーチンワークとして、当日スタッフに遂行を徹底してください。
個人的に最もバランスの取れた投稿内容は池袋ギルドです。一度池袋ギルドのアカウントに飛んでTLを遡ってみてください。
では、それぞれの項目について深掘りしていきます。
3.1 当日トーナメント開始時の案内
このツイートの投稿時間については大きく分けて2つあり、1つはトーナメント開始時間、もう1つはトーナメント開始時間から1時間程度経過した後です。それぞれにメリットとデメリットがあるので記載します。
3.1.1 トーナメント開始時間にツイートした場合
メリット:トーナメント開始からツイートまでにタイムラグがないので、お客がすぐにトーナメント開催について知る事ができる。
デメリット:画像を張る時に、テーブルの様子を映した所で数人しかいない寂しい状態なので映す価値がない。
もしデメリットの部分を解消したければ、テーブルの様子は映さず、あらかじめディーラーの画、ディーラー集合写真、店の全景などアイテムをいくつか持っておいてローテーションで使った方がましかなと思います。
言い遅れましたが、店舗の営業ツイートにおいては謝罪文以外はほぼ全てに画像を添付してください。TLに流れた時に記憶に定着する確率が上がります。
3.1.2 トーナメント開始時間から1時間後程度経過した後にツイートした場合
メリット:画像を張る時にテーブルが満席になっていたり華やかな画を撮る事ができる。○○名参加中などと人数を言いやすい。
デメリット:トーナメント開始からタイムラグがあるので、お客がツイッターのTLを確認する頃にはレイトレジぎりぎりになる、もしくは最悪違う店に流れる可能性がある。
ここのデメリットの部分については解消のしようがないので、一見すると3.1.1のやり方が無難に見えますが、3.1.2はあくまでバリュエーションの1つとして認識しておいてください。
たまには満席の画をTLに流しておいて店舗がにぎやかな様子を見せる事も効果的なのです。3.1.2を流す時は事前に必ず3.1.1も行っておくというやり方でも構いません。
3.2 後日開催するビッグイベントの案内
プライズマッチに代表されるビッグイベントの告知です。これはスケジュール告知の中の1行とかではなく、そのビックイベントのみにフォーカスしたツイートをしてください。
ツイート中の文章及び画像(ポスター部分)で、イベント名、開催日時、バイイン、プライズ総額の4点は必ず記載するようにして下さい。
ブラインド間隔やストラクチャー等、外部リンクに飛ばしても構いませんが、お客にひと手間をかけさせている事は認識しておいてください。見ている側は面倒なのが嫌いなのでツイッターを見てる限りはツイッターで情報収集の全てを完結したいのです。
そして逆に情報を詰め込みすぎるのもNGです。ごちゃごちゃした文章は読む気がそがれます。見ている側は面倒なのが嫌いなのです。
告知するタイミングや期間についてですが、目安としてですが、月1回のプライズマッチでしたら開催1週間前から毎日夜18時頃に投稿、周年イベントレベルでしたら開催1ヶ月半くらい前にティザーサイトの公開、開催2週間前あたりから詳細部分を補完した状態で毎日夜18時頃に投稿しておくといいでしょう。
補足しますと、夜18時頃としたのは定時帰りの会社員が最も目にしやすい時間帯だからです。ほとんどの会社に定時なんてねえよボケなんて思う方もいるかもしれませんが、そもそも定時がない場合は18時以降23時くらいまで退社時間がばらけるのでそこに合わせたフォーカスのしようがないのです。
あえて設定するなら21時あたりでしょうか。まあ、とりあえず18時に告知で問題ありません。
周年イベントは開催1ヶ月半くらい前にティザーサイト開設という部分については、とりあえず興味を持ってもらいそうなターゲット層のスケジュールを先に抑えてもらうやり方です。
まずは『周年イベント○月×日開催決定!詳細は後日公開!』というやり方で日程だけ公開して、プレイヤー達にその日にそのイベントがあるんだという認識を持ってもらってください。
これが遅れてしまうと、他店イベントに予定を入れてしまうかもしれませんし、旅行など他の用事が入る可能性もあります。詳細は後から小出しでも全然構いませんので日程だけはなるべく早く告知してください。
ビッグイベントについては、その店舗の屋台骨の一角であり、高収益(プレイヤー達の見ている当該記事では言いたくありませんが・・)なので、丁寧な告知を心がける事がその店の経営状況にまで影響します。参加人数が10人変わるだけで純利が15万円も変わる訳でここは手を抜いてはいけない所です。
(ビッグイベントについてはブランディング戦略が必ず必要です。そのビッグイベントの知名度が集客に直結します。この件については違う機会にまた触れようと思います。)
3.3 当日オープン時の案内
アミューズメントカジノ店においてはポーカートーナメントが全てではありません。勿論、店舗開店時間にもツイートをした方がいいでしょう。その内容についてですが、主に2パターンに分けて説明します。
3.3.1 テンプレ化された内容
ほぼ固定化されており、以前の投稿のコピペペーストでできる内容です。内容は、「○○時にオープンしました」「○○と××のゲームが楽しめます」
といった形で、既に開店している事と何のゲームができるかがわかるといいでしょう。勿論、画像も込みです。店内全景の画とか看板ディーラーの一枚画とかストックをいくつか持っておくといいでしょう。
3.3.2 テンプレ内容に変化をつけた内容
3.1だけ毎日垂れ流すのは正直飽きられますのでバリュエーションをつけていったほうがいいでしょう。例えば、「今日はディーラーの○○がついにリングゲームデビュー!皆さん応援しに来てください!」とか「BJ卓にあの魔王ディーラーの××が座っています。今日もプレイヤーを絶望に淵に追いやってしまうのでしょうか」みたいなディーラー個人にフォーカスしたツイートも効果的です。
後は店長の変顔とか、ディーラー達がtiktok風に踊ってみた動画とか、チップを床にばら撒いてそれを泣く泣く拾っているスタッフの画とか愛嬌のあるツイートもいいでしょう。店舗のイメージに手作り感やあたたかさが感じられます。
3.4 当日トーナメント優勝者表彰
こちらはその表題の通り、優勝したプレイヤーを称える投稿です。
優勝者が真ん中に座り、そのサイドをディーラーが囲って称える画ですね。
この投稿を本人がRTしたり、常連者間でリプライ合戦が起きたりして、自然と店舗の知名度が拡散されていきます。
こちらをうまく使いこなしているのが東京dePOKERジクー店です。大きなイベントがあった際の優勝者写真に、ディーラーは勿論の事、その周りに10人くらいのお客さんが取り囲んでいる時がありました。
こういう写真はアットホーム感、一体感が生まれ、その店舗が非常に賑わっている画を印象として与えます。
私がこの画を作りたくて、マネージメントしてた当初は飛んだ後もトーナメント最後まで残っていたら500円割引券プレゼントなんて企画も行ったりした事もありました。今ではしていないでしょうが、そういった雰囲気は今でも残っている事も思うと嬉しい限りです。
(実はお客が飛んだ後に店舗に残り続ける事は同時にデメリットも生じます。その事についてはいずれ触れる事があるかもしれません。)
3.5 お店の案内、コンセプトについて
こちらについては、毎回テンプレ化された文章を毎日定期的に流すだけです。手作業が面倒くさい場合は、Bufferなどでスケジュール化して自動ツイートしてもらうといいでしょう。
どういった内容かと言うと、その店舗のコンセプト、アクセス、金額感、どういったゲームが楽しめるのか、初回入店サービスがあるならその内容といった所です。ツイッターアカウントのプロフィール欄とある程度被る所になります。
ちなみに、固定ツイートを使いこなしている店舗が少ないイメージを受けます。こういったコンセプト部分については、初めて行こうと思っている人に対して大きな宣伝効果になります。一度作れば後はテンプレ化できるので丁寧に紹介して、固定ツイートに絡めていってください。
このやり方が上手なのは銀座カジノバーパラハです。
さて、以上になりますがいかがだったでしょうか。現在盛り上がっている店舗はこれらをほぼ網羅しています。店舗毎の特色もあるので、当該記事でセオリーを吸収した後でTLを見ているとまた違った発見があるかもしれません。
4 最後に最も大事な事
1つ言い忘れていました。
ツイッターを見ている人は、そのTLをフリックで高速で移動しているので、『見て』はいますが、そのほとんどを『読んではいない』のです。いや、読んではいるのかもしれませんが、TLの情報があまりに多すぎてそのほとんどが脳に残らないのです。意図的に記憶に残そうと思わなければ数十秒くらいで記憶は霧散します。
ありがちなのが、店舗側が1~2回告知して十分だと判断した内容について、お客の9割がその告知を理解していなかったなんて事がままあります。
その原因の多くは先述した事が理由だと思って頂いて構いません。
え?じゃあ今まで5000文字以上も使って語っていた事はなんだったの?という話になりますが、そういった中で記事全てに画像を添付したり、毎日定期的に投稿する事によってなんとか記憶に残る確率を高めていっているのです。
そして、他にも記憶に残りやすいやり方は存在します。それは応用編で公開していきますので、興味のある事業者は是非購入していってください。
それではまた。
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