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「写真家・三浦えりが魅せる「リモート撮影」の新世界」のお話し

webメディアの「three」さんで作品を掲載していただいてます。

新型コロナウイルスの影響によりファッション誌の刊行見送りが相次ぐなど、パンデミックは多くのフォトグラファーの活動にも制限を与えている状況だ。 しかし、そんな中でも一部の野心的なフォトグラファーたちは、zoomなどのツールを活用した「リモート撮影」に挑戦し始めている。 本連載では、そんな彼ら・彼女らの、アイデア、センス、向上心に満ちた、「リモート撮影」による新たな表現を紹介していきたい。

写真家・三浦えりが魅せる「リモート撮影」の新世界

私のinstagramで4月の半ばくらいからモデルさんとリモート撮影に挑戦していました。それに「three」さんが興味を持ってくださって、新作を含めて作品を紹介したいとお声掛けしてくださいました。

この撮影方法を思いついたのは家で引きこもり生活が始まった4月の1週目くらいでした。私は4月に突入と同時にお仕事が完全になくなっていました。シャッターを押す機会がなくなり、なんとかぜねば、、と心がウズウズしていたときに始めた試みです。

「ポートレートを撮りたい。」

もう本当にその一心でした。

私のことを知っている方だったらお分かりだと思うのですが、とにかくここ数年はポートレートをたくさん撮ってきました。仕事でも、個人的な制作でも。だから、急に人を撮ることを取り上げられてしまって、すごく心が騒ついてしまっていました。

私のお友達のモデルさんたちも同じように撮影がなくなって自宅で待機している状態だというのがinstagramのストーリーで日々流れていました。きっと同じように撮影したいだろうし、すごく不安な日々を送っているだろうなとスマホの画面を見ながら思っていました。

「だったらもうスマホ越しでも良いから、とにかく写真を撮らせてもらおう…!今このときの表情やこの状況も写真でしっかり残していこう」

それしかないと思って初めてみました。

といいつつも、スマホ越しなんて画像も荒くなるし、クオリティもどうなることやら分からなかったので、協力してくれたモデルさんたちには感謝しかないです。

(👆のサイトで他の作品たちも紹介しているので、よかったらご覧ください)

みんな快く引き受けてくれて、撮影中はもちろんこの状況は大変だよねって話しにはなるけど、みんなとお話しをしながら撮影した時間はすごく安心したし、精神的にも本当に助けられました。(今も現在もなんですが)
モデルさんの方もいろいろ試行錯誤してくれて、お洋服や表情の見せ方などの工夫の仕方はさすがプロのモデルさんだな〜と関心でした。

たぶん、最初は自分の心が穏やかになるように、ただそれだけでこの写真を撮っていたんだと思います。そんななかで、こうやって「面白い試みだね」と言ってくれて声を掛けてくださる方も少しずつ現れて、お仕事としても挑戦してみては?と提案してくださる方もいて本当にありがたいです。

もちろん直接顔を合わせて写真を撮ることが一番です。

世の中が平和になったら何がしたい?って聞かれたら、外に出て好きな人、好きな場所をたくさんたくさん撮りたい。それしかないです。でも、外に出ないということは、私が世の中へ向けて今できる唯一のことだと思います。

それでも、今回の件でどんな状況でもカメラのシャッターを切って表現したいんだと、改めて思い直せた機会になりました。
この写真が後々になって、あの大変な状況で残した写真だったと振り返ることができるような、ちゃんと時代とともに生きている写真として残ると良いなと思ってます。

私以外にもいろんな試みをしているフォトグラファーがいるし、ミュージシャンがいるし、アーティスト・作家がたくさんいます。誰かの生活には必要ないかもしれないけど、誰かの生活には必要なものだったりします。私はこの1ヶ月ちょっとでたくさんの表現に救われたし、いまも心が押しつぶされそうになったときにたくさんのアーティストの生み出すものに支えてもらってます。

こういうときに無力だと思ってしまうし、実際にそうなのかもしれないけど、誰か一人でも一瞬でも私の写真を見て心が軽やかになってくれたら、と思います。

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記事の写真のモデルは一番最初に「リモート撮影したいんだけど…」とめちゃくちゃ抽象的なアイデアを快く引き受けてくれて撮影してくれた赤坂由梨ちゃん。本当に大好きです。

three」さんの方でも、私の方でも「リモート撮影」を活用したお仕事やプロジェクトなど随時受け付けておりますので、ぜひぜひお話しお待ちしております。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。写真展が続けられるようにサポートしていただけるとありがたいです…!