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転職活動日記①

5月31日で退職するので、
ぼちぼち転職活動を進めている
6月一杯は有休扱いにさせてもらうから、
会社に席を置いてるのは実質6月30日までで、
7月かられっきとした無職になるからもう少しで就職活動になるのか。
親に言われるままに中学受験をして、
そのまま高校大学とエスカレーターで進学し、
親に勧められたので銀行に就職し、
合わな過ぎて2年で辞めたのが人生初めての親への反抗だけど、
結局同じ業界に転職。
今の会社は外資系企業なので一見風通しがよさそうに見えるけど
実際はいかにも日本の大企業といった気質が蔓延している
なんだかんだ言って、固い業界で堅実に、
大きい組織に守られて、レールを大きく外れることのない自分が好きだった

社名を言った後の相手のリアクションとか、
夫も自分も名の知れた会社に勤めているような夫婦であることへの一種の見栄とか
家を買う時も、保険を契約するときも、
「奥様も頼もしいですね」なんて営業トークに
自尊心が満たされた
そのすべてを手放すのだから、
これは私にとってとんでもない事件なのだ
次も決まっていないのにやめたことを実母や姉に伝えたらどんな罵倒をされるのか、考えただけでブルーになるから言ってない

さて、どこに転職しようか
まず2歳の娘がいて雇ってくれる会社なんてあるのかな
資格も経験も、金融関係のものしかないから結局また同じような会社しかないのかも
エージェントに転職についていろいろと相談に乗ってもらったら
自分が好きで、得意だったことを聞かれた
私は今の仕事が好きというよりも、営業が好きなんだよな、数字を追うことが好き
なので、エージェントの勧めもあって、
業界ではなく職種で転職活動を始めてみることにした

今回面接に進んだのは営業職として募集要項が出ていた会社だった
ゴリゴリの、営業集団てやつ。
仕事あと、スーツで向かう
眼鏡の小さいおじさんが出てきて、名刺を渡される
私は名刺を忘れてしまって変な空気になった
そもそも転職活動で名刺ってもってくの?
今からまさにやめようとしている会社の社名と役職をわざわざここで背負うの?
辞めるつもりだから転職活動をして、そのつもりで履歴書も出しているのに?仕事でもないのに?

そんで、なんかよくわかんないけどそのまま営業所に案内されて、
支社長と対面させられた
支社長はデカいおじさんだった
一言め、「へぇ!女性?!めずらしいねぇ!」
と言って握手を求められた
ギラギラしてて怖い。
一方的に自己紹介されてなんでも質問して?俺なんでも答えるから
と言われて困った
まずお前がなんか聞いてこいよ志望動機とか転職理由とか
と思って
よくわかんないけどイライラした
別に質問なんてないけど無理やりひねり出してたら、
「なんでそんな自信なさげなん?もっと背筋伸ばして堂々とせな!!!」
と言われて、私は仕事中に関西弁を前面に押し出してくる人間が嫌いなのと、面接で呼ばれていたのに何の説明も受けずに突然支社長(彼もおそらく何も聞いてない)の前に出されて質問しろなんて、あまりに仕事が雑なんじゃないかと隣でぼさっとしてる眼鏡に腹が立って
そのあとずっと睨みつけてたら、
「いいねー!おもろいやん君、女性やのに闘志メラメラで、やったろーって感じがめっちゃおもろいやん」
と言われた。
ただ腹が立って睨んでただけなのにガッツがあるように解釈されたのはいいけど、無駄に声のでかい関西弁が耳障りだったし、さっきからなにがおもろいねん
あと、私がオフィスに入ったら、300人くらい入りそうなただっぴろい部屋に
20人くらいがポツポツと仕事をしていて(おそらく17時を過ぎていたから)、
一斉にみんなが立ち上がって
お疲れ様です!!!!!!!!!
って大きい声で挨拶してきたのがマジで怖かった
みんな日焼けしてておでこ出しててガタイが良くて、
髪もワックスでバチバチにきめてた
怖い。全然怖い。
金融業界の中でも、証券マンを想像していただきたい
私はあの人種がとてつもなく苦手で怖い
あの人たちはきっと、
息をするようにBBQを企画して、楽しくなって川に飛び込むし、
休日はジムで体を鍛えて、今俺減量期だからとかいってサラダチキンで食事を済ませたりするし、
表参道の美容院でロン毛の美容師さんに「最近ど?」「ぼちぼちかな」とかフランクに会話しながら髪切ってるし、
大学時代は居酒屋でバイトしてたし、
男女混合で富士急に行ってたと思う。
おまけに地元にはギャルの女友達もいるはず。
怖い。全然怖い。
お腹痛すぎる。
私は昔からそういう男性を見るとお腹が痛くなる。
これは歳は全く関係ないのだ。
将来、老人ホームに入っても、そういう爺さんと同じコミュニティに身を置いてお手玉とかしなきゃいけないとか考えただけで今からお腹が痛い。

そんで、この後時間あるかみたいなことを言われて、やっと面接かと思ったら
2時間(!!!)ほど、いかにこの会社が素晴らしく前衛的かを話された
確かに業界でも急成長で話題になっている会社ではあるが、
雇ってくれるかわからない会社の話を別に2時間も聞きたかない
すごい気持ちよさそうに我が社がいかに素晴らしく、ほかの会社と違うのかを話すから、
勉強になります。すばらしいですね。
を繰り返し、たまにいい感じの質問を投げるということをしてた
その眼鏡のおじさんは、淡々としてて感情の起伏があまりない感じだったけど、
営業という仕事に洗脳されている人特有のいっちゃってる雰囲気が出てた

どうしておじさんて、やたらと自分の話を聞いてもらおうとするんだろう
自分の生きてきた人生を誰かにドラマチックに語ることで肯定してもらおうとするのかな
おばさんは噂話が好きで、おじさんは自分語りが好き。
歳をとると脳の海馬が萎縮して感情が抑制できなくなるというけれど、
そうなると女は意識が他人に向き、男は自分に向くのか
歳と共に人間の生き物としての本能が丸裸になるのかもしれない。
男がマンモスを追いかけて、
女が貝塚を守っていた時代の血が騒ぐのかも。
女はコミュニティを守らなければならないから意識が外に向かうけど、
男は獲物と闘わなければいけないから自分に向く
もともと人に備わっている本能って不思議だ

眼鏡のおじさんの話を聞きながらそんなことを悶々と考えていたら、
2時間たった

帰りにデパ地下の綱八で天ぷらを大量に買ったら6千円で驚いた
夕飯は、夫が先週まで香川に出張に行っていて、そこで買ってきてくれたうどんを湯でてくれる約束だったのだ
うどんはびっくりするくらい不味かった
夫が仕切りに、ごめんねごめんねと謝っていたけど、
私も楽しみにしていたからどうしても、いいよとか気にしないでとか言えなくて、かといって美味しいよと嘘もつきたくなかったから
「美味しくないね。なんでだろうねー」と疑問形で流した

無職まであと2日







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