見出し画像

今こそ、日本ワインを飲む時です!

「ブドウたちが続々と発芽し始めたよ!」
先日、長野県のブドウ農家さんからそんなお便りが届きました。大変な制約を受けている経済や私達の生活ですが、畑ではこれまでと変わらず、ブドウたちは日々すくすくと成長を続けています。今のところ、どの地域もブドウの生育は順調。6月になる頃には花が咲き始め、ブドウ畑は心地よい香りに包まれます。

画像1

「開花」から「収穫」までは約100日。そうです。もうあと3か月ちょっとで、今年の収穫が始まるのです。その頃には収束していることを願わずにはいられませんね。

さて。年間に作られる日本ワイン約2200万本のうち、ブドウ栽培から醸造、瓶詰までの全てをワイナリーが担っているワインの数量はどのくらいだと思われますか? 正解は約15%。つまり、日本ワインの大半、約85%が全国の栽培農家さんが育てるブドウからつくられるワインです。(実数含め下記国税庁HP「国内製造ワインの概況平成30年度調査」より)

画像2

そうなんです。日本ワイン業界は、全国のブドウ栽培農家さんに支えられているのです。ほとんどの農家さんはりんごやラフランス、その他いろいろな作物との兼業で、果物栽培のプロフェッショナルの方々です。農業の安定性や継続性を目指し、ワイン用ブドウは高付加価値が期待される作物としても注目され始めていて、まだ栽培を始めたばかりの農家さんも多くいらっしゃいます。

とはいえ、日本のテロワール(気候や土壌などの自然条件)は、ワイン用ブドウにとって決して恵まれているとはいえません。雨に当たらないように。病気がかからないように。たくさんの工夫をして、わが子のように愛情をいっぱい注がれて初めて房を実らせます。

ある農家さんが、以前こんなことを話してくれました。
「手間はかかるしね、りんごやラフランス、シャインマスカットに比べたらあまり儲からないよね。」

それでも、ワイン用ブドウの栽培を続けるのはなぜですか? そんな失礼な問いかけに、その農家さんはこう答えてくれました。 

「そうだなあ。自分のつくったブドウが、自分の想像を超えた美味しいワインに生まれ変わる。その魅力を知ってしまったからかもしれないね」


農家さん

コロナの影響で、日本ワインの需要も減少しています。このままでは、ワイン用ブドウの行き場がなくなる恐れも出てくるかもしれない。これを機にブドウ栽培やめようと思う農家さんも出てきてしまうかもしれない。

ブドウの樹を植え育て、ワインになるには最低5年はかかります。膨大な年月と愛情の積み重ねでやっとできたブドウ、そしてワイン。決して無駄にするわけにはいきません。私達ができること。それは、1杯でも、1本でも多くの日本ワインを飲んで、応援すること。

ドイツの文豪ゲーテの残した、こんな格言があります。

画像4

「ワインのない食事は、太陽の出ない一日のようなもの」

 まさに、その通りですよね。今はお家の中から想像力膨らませて、太陽が燦燦と降り注ぐブドウ畑に想いを馳せながら、大好きな農家さんや造り手の顔を思い浮かべなら。近いうちに、飲食店で皆で飲むことを楽しみにながら。そして、収穫の秋にはワイナリーに出かけられるようになっていることを心から祈りながら……。

私達が楽しむ日本ワインの1杯1本の積み重ねで、日本ワインを未来につなげていきましょうね。

<参考​情報>
日本ワインと共に美味しい食卓を楽しむには、全国で美味しいお料理がテイクアウトできる飲食店が検索できる、#savethetables! のアプリがおススメ。全国のテイクアウトマップはもちろん、日本ワインを取り扱っているショップも一目瞭然網羅中されていて、とっても便利です。

そしてもう一つ。お気に入りの飲食店に食事代を先払いし、今の状況が落ち着いた時に食べに行く活動を支援するプロジェクト「さきめし」。サントリーは、この「さきめし」と連動し5月25日(月)から期間限定で手数料を負担、また、自分のお気に入りの飲食店だけでなく、登録したすべての飲食店への「寄付金」の受付を発表しました。5月25日以降登録して、みんなで飲食店を応援しましょう!

※この記事は、5月14日配信「日本のワインを愛する会」のメールマガジンのために書き起こしたものです。https://jpwine.jp/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?