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悪夢から這い出てすぐに思うこと


半袖Tシャツで、少し伸びた髪をキュッとまとめて過ごしています。
昼の間に充分に太陽を浴びた屋根の熱気は冷め切らぬようで、夜も蒸し暑く肌掛けを蹴飛ばしながら過ごす夜。

やっとの思いで眠りと現実の間に潜り込んだと思ったら、見るのは悪夢、なんてことがまあまああります。

二度と目の前に現れないでくれと願ったあの子の出てくる夢、退職したはずの会社でまだ働き続けている夢、無表情のあの人に罵詈雑言をただ浴びせ続けガラスのコップなんかを投げつける胸くそ悪すぎる夢。


起きると決まってぐったりとしているのですが、近頃それでも決まって、思うことがあります。
隣でぐっすりと眠るあなたを見て、「ああ現実はこっちだったかそれならば良かった」とそう思うのです。

ドラマなどでも登場人物が悪夢からハッと目覚め「なんだ夢か〜良かった〜」などと言うシーンをよく目にしますが、私は今まで生きてきてそんなことを一度たりとも経験したことがありませんでした。

夢で見る過去も地獄、起きて手の中にある今も地獄だった。

ツルが巻きつき身動きの取れないまま泥だらけになった私を、あの時の私はちゃんと救い出したから。
「闘うために逃げるのだ!」と大きな声で宣言して、ちゃんと地獄の今から逃げたから、少し先の私は地獄を見るのは夢の中だけで済んでいます。

まぁ、今だって違う地獄の中にいるだけなのかもしれないけれど。
形容し難い大きな不安・憤り・やるせ無さ、そういうもの全部全部気がついたらリュックに放り込まれていて、ただ重いカバンを背負って生活するしかないそういう地獄にいるのかもしれないけれど。

でも、卒業して退職して引っ越してパートナーシップを結んで、もうあの時の私ではない。

私が私のことをちゃんと救ったから。
私が救われることを選んだから。

私は私のことを救い続けて、夢から起きたらあなたのこともついでに救って、救われ続けることを選んで生きていかなければいけない。

それでそのうちご都合主義の脳みそが、「古い嫌な記憶から削除していきます」と通知してきたりなんかして、そうやってそうやって折り合いをつけながら、きっと生きて行くんだ。

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