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物語ジャンキー

「世界が明日で終わるとしたら、あなたは今日何をしますか?」

多くの人がおそらく一度は、誰かしらにされたことのある質問。
もしも、このどうしようもない世界が明日で終わってしまうとしたら、私はとりあえず大好きな映画を1人で見る気がします。
それはそれは美味しいコーヒーを、大きなマグカップに入れて、「私もタイムスリップできたら良いのに」なんて呑気に考えるのだろうと思います。

昔から「物語」が好きでした。
趣味は何かと聞かれた時に口ごもるのは、読書・映画鑑賞・ドラマ鑑賞・漫画を読み漁ることなどなど、物語に触れられるそれらの行為がどれも大好きで順位を付けられず、何から口にしようかと毎回迷ってしまうからです。

物語に夢中になっている時、私は小旅行に出ているような気分になります。
日常のほとんどはどうしようもないけれど、グロテスクな怪物と闘って、手に汗握っている時は、怪物級の嫌味を言ってくるあの人のことは思い出さなくて済むし、異国の地でギター片手に夢を叶えた後は、悲しいニュースなんかより誰かの夢の話を聞きたくなっている。
そういう物語のパワーを借りて、これまで生きてきたような気がします。

この世界には色々な物語があって、色々な物語を生み出せるたくさんの人が生きていて、その人たちにも、きっとどうしようもない日常があって、そういう日常から、特別な物語が生まれてる。

おそらく私たちの普通の日常は、優しくて勇敢で感動的でドキドキしちゃうような、そういう特別な物語の一部なんだろうな。

そんなことを思いながら、私は今日も洗濯物を干します。おそらく明日も、世界は終わらないので。

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