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新聞畳まない系男児

この記事を書きはじめるにあたり
まずことわりを入れておきたいのは、
私は男尊女卑とまではいかないけれど
男性がしっかり働いて
女性がしっかり家庭を守る、的な家庭に
憧れを抱く系女子である、ということ。

その上で、卒倒しそうになった話。

近所にカフェがオープンしたので行ってみた。
知人が経営していて、その日は
知人のお母様もいらっしゃった。
私は人とおしゃべりするのが大好きなので、
そのお母様ともカウンター越しにお話していた。

お母様は70代。数年前に旦那様を亡くされた。
どんな流れだったかは忘れたが
旦那様の話になった時
「うちのお父さんはとっても亭主関白で
絶対に家事をやらない人でねぇ、
自分で読んだ新聞を畳むことさえしなかったのよ」

はい!?
自分で読んだ新聞を畳まない!?
そんな事ってありえるの!?

卒倒しそうになるくらい驚いた。
私も日本生まれ日本育ち、
日本の年配男性が自分で料理をしない、
掃除や洗濯をしない、
挙げ句の果てに自分が次の日に着る洋服を
奥さんに用意してもらうことがある。
という話は聞いたことがあった。

でも、新聞を畳まない!?

(何度でも言うw)
聞いたこともない。
新聞って一人で読むものだし、読みおわった後
すぐに畳まない方が不自然、くらいなものなのに、
それを自分では畳まずわざわざ放置する!?

どっかの国の王様には新聞を畳む係がついていてー
という話ならそこまで驚かなかったかもしれないが
いかんせんこれは日本の庶民の話。

他の人にとっては「まあよく聞く話だよね」
くらいなレベルかもしれないが、
私としては驚きすぎて卒倒しそうな話であった。

私の彼も、妹や親友の旦那さんも、
みんな仕事をしているのに家事もガンガンこなす。
私の父も、料理はしないが、洗濯や掃除はする。
親友のお父様に至っては、
「特別な日のご馳走はパパが作る♡」
とまで決まっている。
祖父でさえ、生前は掃除や料理をしていた。

それくらい男性が家事をするのは当たり前だし、
それ以前の、自分で使った物は自分で片付ける、
など当たり前すぎて、逆に誰か他の人に
わざわざやらせるという発想すらなかった。

ここでの気づき。

私は今まであんまり
いわゆる「フェミニスト」ではなかったが、
(というよりむしろちょっと毛嫌いさえしていた
ごめんなさい)
自分で読んだ新聞でさえ、
さも当たり前のようにお前が畳んどけ
とか言われた日にゃそりゃ
女も外で働かせろー!男は家事を分担しろー!
と声高に主張したくもなりますわな。

自分がある意味恵まれた環境にいたからこそ
気づけなかった他の人の言い分。というわけです。

ちなみにあまりにも驚いたので
新聞畳まない系男児の話を彼にしてみたところ
「その旦那さんは非常に幸せな家庭生活を
送ったのだろうねぇ」と言われた。

「うーん、たしかに幸せだったかもしれないけど
自分で読んだ新聞だよ?
それすら自分で畳まないとかありえなくない?」
ともう一度聞いてみた。

そうしたら「外で一生懸命働いてきて、
それで家に帰った時くらいリラックスしたいのに
新聞畳む畳まないごときで
女に何でもやらせる最低人間!みたいな
扱いされたらたまったもんじゃないでしょ」
的な事を言われた。

その考え方も分からなくはないけど。
でも私はその新聞畳まない系男児を
男尊女卑野郎として糾弾したかったわけじゃなくて
ただ単にこんな事がありえるのか!?
とびっくりしただけなんだよな。

ただうちの彼の考え方の背景には
アメリカの、過激なフェミニズムに対する
反動があるのも事実。
でもそれはまた別の機会に。

ちなみに件のお母様は
「私がなんでもやってしまっていたのも
問題だったのかもねえ。」
とおっしゃっていた。
私は「でも外で一生懸命働いてくださっている
旦那様だったから、家事を全部やってあげたい
という気持ちになったんですよね?
もしそれが家でダラダラしてる旦那だったら
ぜーーーーーったいに家事なんかしてやるか
って気持ちになってましたよね?」と言った。

お母様「そうなのよ!
やっぱり外で頑張ってくれてたから
私も家では休んでほしいと思ったのよね」

ちなみに娘さん(つまりカフェの経営者)は
お父様のことが大好きで、
お父様が亡くなられたことが
本当に悲しかったそう。

必ずしも
家事をしない男性=悪人、
女性が家事を全てする=虐げられて可哀想、
というわけではない、という事でしょうか。





私は、文章を書く時、だいたい自分の経験から書きます。したがって、いただいたサポートは、今後も様々な経験をしにいくことに使わせていただきます。