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ChatGPTをUIデザインのコーチにする方法
タスクの実行者△ → コーチ◎
ChatGPTは多くの人が自分のタスクを代わりにやらせるツールとして活用していますが、自分の業務では使える範囲が限定的で、イマイチでした。
私はUIデザインプロジェクトで少し異なるアプローチを試みました。
ChatGPTをタスクの実行者ではなく、コーチ役にしたのです。
これが予想以上にワークし、自分のスキルアップにもつながりました。
ここでは、私がどのように実際のデザインプロセスの支援に役立てたか、具体的なプロンプトと回答の流れを交えて紹介します。
補足:今回のUIデザインプロジェクトの概要
社内で使う業務用CMSのUIデザインをすることになりました。
このシステムはエンジニアがまず簡易的に実装済みです。担当者からは
「このままプロダクトに機能がどんどん追加されて複雑化する前に、情報設計やUIの見直しをして現在から将来的にも使いやすいプロダクトにしてほしい」という頭出しを受けました。
ChatGPTをUIデザインのコーチにする流れ
1.ChatGPTの役割を設定
👩「経験豊富なUIデザイナーにになりきって、プロダクトデザインのフローやより良いデザインのアイディアなどについて私にアドバイスをしてください。」
よく言われているプロンプトですね。役になりきってもらうことで専門的な回答を引き出しやすくなります。
2.プロジェクト概要のインプット
👩「私は社内向けCMS 〇〇のUIデザインを行っています。このプロダクトの概要は以下です...」
の書き出しで以下を箇条書きで伝える
-プロダクト名
-プロダクトの役目や利用シーン、主なユースケースなど
-プロジェクトの背景、UIデザインによって解決したい課題など
3.必要なアクションを提案してもらう
4.アクションを一つづつ実行し、自分のアウトプットをチェックしてもらう
特に役に立ったこと
おぉー、助かる!となったポイントを紹介します。一番嬉しかったのは最後の「インタビューやレビュー会のサポート」です。
![](https://assets.st-note.com/img/1715575064646-SU0N8JjFJV.png?width=800)
体系的なアドバイスで漏れを防ぐ
ChatGPTは、設計過程でしばしば見落とされがちなポイントについて、具体的なアドバイスを提供してくれました。
今回は、あまりリソースをかけない前提の社内ツールのUIデザインだったため最初の概要説明からすぐに手を動かそうしてたのですが、アドバイスに従い簡単なペルソナを作成し、ユーザーである社員にインタビューを実施しました。これにより、隠れた要求や課題が明らかになりました。
わからないことはすぐ聞ける、課題に沿った答えに速く辿り着ける
デザインプロセス中に新しい用語や未知のデザイン手法が出てきた際、ChatGPTに問いかけることで、直ちに解説を得ることが可能でした。これは特に、時間を節約し効率を上げるのに役立ちました。
さらに「今のこの案件」にどっちがいいのか迷った場合に、ネット上の類似事例を探すよりずっと速かったです。
Before:何ターンかかけて調べてた
①書籍やWEBなどで手法を知る
②(説明の中のわからない用語があれば検索)
③手法名×この案件の場合 で検索
After: 同じ窓口で全部聞けるので速い
👩「タスクフロー図とストーリーマップの違いはなんですか?」
👩「今回のデザインの場合はどっちを使うべきですか?」
参考デザインと検索ワードの提供
ChatGPTは、プロジェクトにマッチした参考デザインを探すための、効果的な検索ワードを提供してくれました。これにより、効率的にアイデアを収集し、インスピレーションを得ることができました。
特に今回はちょっと特殊な社内CMSだったので何が参考になるか思いつかなかったので助かりました。
👩「デザインの参考になるようなUIを調べたいと思ってます。Dribbleでタスク系アプリを見ていたんだけど、他にどんなアプリが参考になりそうかな?」
🤖 「以下に、タスク系アプリやデータ管理、UIデザインの面で優れた例をいくつか挙げます。」
![](https://assets.st-note.com/img/1715500758953-di1hB3rWD3.png?width=800)
👩「なるほど。参考にしてみます。参考になりそうなアプリのジャンルとしては何になる?検索ワードに使いたいから教えて」
🤖 「〇〇のような業務用CMSのデザインを参考にする場合、以下のジャンルや検索ワードが有用です。」
![](https://assets.st-note.com/img/1715500815994-8UcQdEm2Pc.png?width=800)
👩「このキーワードを英語で提示してください」
(日本でのカタカナ名称と英語で呼び名が違うものもあるので、専門知識前提での翻訳が助かる)
インタビューのアジェンダチェック&アドバイス
ChatGPTは、インタビューや社内レビュー会のアジェンダを具体的にチェックし、どの質問をどのように改善すればより深い洞察を引き出せるかのアドバイスを提供しました。
アドバイスはかなり具体的で、UXリサーチの経験がある人にチェックしてもらっている感覚でした。ペルソナや案件の詳細など、背景を先にインプットしてるので、回答の精度が高かったのだと思います。
👩「今日はCMSの管理者として普段業務を行っているメンバーと、私がデザインするUIの実装を担当するメンバーにヒアリングを行います。アジェンダやヒアリング項目を用意したのでチェックしてもらえますか?」
(Googleドキュメントに書いてたアジェンダをマークダウンで送る)
(回答 一部抜粋)
🤖「ここでは、利用シーンや操作環境についても聞いてみると良いでしょう。「使用する際の主な環境(デスクトップ、モバイル)は?」や「一日の中で最も使用頻度が高い時間帯はありますか?」などの質問が、デザインの方向性をさらに絞り込むのに役立ちます。」
🤖「ペルソナ、モデル図、フロー図を確認するセクションでは、参加者からのフィードバックを促すために、オープンエンドの質問を準備しておくと良いでしょう。」
🤖「会議の最後に、収集したフィードバックをどのように取りまとめて共有するか、次のステップが何かを参加者に伝えておくと良いでしょう。」
↓
(ヒアリング後に内容を報告)
👩「ヒアリングから新たに得ることができた大事な情報は以下です。… 」
🤖「以下に、ヒアリングで得られた情報に基づいた改善提案をまとめてみました….」
![](https://assets.st-note.com/img/1715501858496-escj0u6y8z.png?width=800)
最初から伴走してもらうと、精度が高くあとが楽!
ChatGPTをタスクの実行者ではなく、プロジェクトの伴走者として利用した事例を紹介しました。適切な質問と適時のフィードバックにより、効率化と自分のスキルアップにもなりました。
chatGPTから欲しい回答を引き出すには適切なインプットが必要
困ったことが起こってから、それまでの背景を全部インプットするのは超大変(それなら自分で解決するわ!ってなる)
最初から伴走させてるとどんどん精度が高くなって後が楽
アドバイスをもらってアクションした後の結果もchatGPTにインプットするとよい
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