幸福の香り(短編・天使と悪魔シリーズ26話)
【天使のことが大好きすぎる悪魔と、彼に惹かれていく天使の、見た目BL小説群の26話目です。(これまでの話はマガジンをご参照ください)】
人間世界はいついかなるときも決して平穏にはならず、悪魔の繁忙期は永遠に終わらない。しかし、そんな激務の合間を縫って、俺は天使の自宅へ顔を出すことにしていた。白く明るい部屋が落ち着くなんて、悪魔仲間と交わす冗談みたいだ。
「来てくれて嬉しいよ」
いつ行っても、天使はそう言って俺を迎える。迷惑にならないタイミングを測って来てはいるが、それで