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マリア・カラスというオペラ


2ヶ月ぶりの土曜クラシックは
ソプラノ歌手のジュリア・クネシュト氏による
マリア・カラスのへのオマージュだった。

ジュリア自らが脚本を書き
フランス各地で様々なピアニストと
コンサートを行なっている。
今回は、うちの夫が伴奏を務めた。

会場には45分前からお客さんが入り
あっという間に客席が埋まった。
ホールのあちこちから
あるだけの椅子を置いても足りず
両脇の階段にも座ってもらう。

人々の、今なお続くマリア・カラスへの
驚異的な熱意を感じた。


Photo / Frédéric Barrés 

マリア・カラスが自宅の寝室で
日記をつけているという設定で
劇的な人生を語りながら
その時々に歌ったオペラのアリアを披露していく。
ノルマ、椿姫、蝶々夫人‥

ジュリアの、伸びのある美しいコロラトゥーラが
文字通りカラフルにマリア・カラスの
悲しみと喜びを歌い上げ
素晴らしい時間となった。

成功と名誉を掴みとりながら
家族に恵まれず生涯愛を求め続けた
それこそオペラのようなマリアの人生。


マリアになりきって1時間をひとりで歌って話して
ジュリアも最後はいつも目眩がするほど疲れるそうだ。
鳴り止まない拍手に包まれながら、
エネルギーを出し切った憔悴と
満足感の混じった表情が本当に美しかった。
素晴らしいアーティストを伴奏した夫も
幸せそうだった。

こちらから椿姫を歌うジュリアが聴けます↓






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