犬との距離感:私は「飼い主」「ママ」なのか?
黒パグの ちゅらと暮らし始めて2021年1月で3年になる。
子供の頃から犬や猫が大好き。当時は外飼いの犬が多かったので、ご近所のお庭の柵に手を突っ込んで、なでなで…とよく遊んでもらった。自分も犬と暮らしたいと思っていたけれど、叶わぬまま大人になった。大人になってからも人生で一度は犬と暮らしたいと思っていた。とはいえ、ひとり暮らしで会食も多いし、ペットOKの賃貸を探すのは大変だし…実際にはなかなか難しいよなぁと思っていたところ、いろいろあって(今回はばっさりハショリますw)、保護団体に保護された 黒いパグの女の子を迎えたのが2018年1月22日のことでした。
正式名は ちゅら、というのだけど、ちゅちゅ、とぅとぅ、ちゅったん、ちゅらっち、ひめ、ちゅらひめ、ちゅらたろー、ちゅらのすけ…とみんなそれぞれ好き勝手に呼んでいます。
目覚めるといきなりテンションMaxになる ちゅらに起こされるところから、私の一日は始まります。10cm以上の段差は上り下りできない ちゅらは、私を踏みつけても気にせず、バタバタバタバタ、ベッドの上を歩き回り、ペロペロ顔を舐めて起こしてくれる。それでも起きないと、枕の下を鼻を突っ込み、ものすごい勢いで掘ってくる。最後は私の頬にお尻を付けて座り、ドアに向かってワフ!起きたよ!と家族に知らせ始める。
そうして起こされると、テンションMaxの彼女にハーネスを付けて、ご近所をぐるりとお散歩する。帰ってくると、「ごはんごはん!」とまたテンションMaxでワンギャフ催促し、ごはんと歯磨きガムまで食べ終わると、先ほどまでのテンションはどこへやら、私が朝ヨガをしている横で丸くなっている。
私が朝ヨガをして、朝ごはんを食べて、コーヒーを入れて、朝ドラを見て。その後、メルマガを書こうと2階の部屋に上がろうとすると、「あたしも連れてってー!」と前足を1段目の階段にかけて催促する。階段を登ったり降りたりはできないので、抱えて連れていく。メルマガを書いている間は、私の膝の上で猫のように丸くなって寝ている。
しばらくして喉が乾くとムクっと起き上がり、いきなり「降りるー!」と動き出す。落ちるよ、落ち着いて、と言いながらおろすと、お水をガブガブ飲む。そして、日が当たるところでゴロンと寝る。黒毛なので暑くなってくると、日陰に移動してゴロン。「ちゅったん」と声をかけても、耳を動かす程度。そのままゴロンとしたまま、お昼過ぎまで過ごすのが、ちゅったんの朝である。
もともと繁殖犬でブリーダーのところで暮らしていたので、お散歩の習慣はなかったのだろう。そんなにお散歩が好きではなく、おトイレもゲージでも外でもどちらでもできる。私と散歩に行くと歩くが、私が外出した日の夕方、母が散歩に連れ出そうとするとほとんど歩かないらしい。
18時を過ぎると夕ご飯の時間だ!とソワソワし始める。ご飯はいつもゲージの中なので、ゲージに自分で入ってじっと待ってたりする。そのうち、ワフワフ催促し始める。フードの袋を開けると、嬉しくてワフギャフ言いながらゲージでクルクルする。待て、はできず、器が置かれた瞬間、猛スピードで食べ始め…1分ほどで完食する。
人間たちの夕食が終わると、デザートタイム。りんごや梨が大好きで、食後に誰かが台所に行くとソワソワする。りんごを剥き始めると、ワフギャフ言いながらクルクル回って、「私のー❤︎」と期待Max。
デザートまで終わると、大満足でリビングに置いてあるベッドで静かに丸くなる。21時頃には私の部屋のベッドに連れていく。いつの間にか寝ている。私が寝るときに、どどんとベッドの真ん中に寝てたりすると、私が端っこで寝る。そうやって私の一日は、愛犬ちゅらと始まり、ちゅらと一緒に終わる。
推定7歳のときに家族になったので、もうすぐ10歳になるらしい。毎日快便快食。お腹を下すことも一度もなく、食欲が落ちることもなく笑、元気に過ごしてくれていて嬉しい^^
こうして暮らしている 私と黒パグ ちゅら。
私たちの関係は、「飼い主」と「犬」ではない気がする。犬好きさんが表現する「ママ」と「うちのこ」とも違う気がする。
私にとって ちゅらは、子どものように思い切り愛を注げる存在であり、姉妹や親友のように話をする存在であり、またときには母のように自分を愛して全てを受け入れてくれる存在。
言葉を話さなくてもちゅらが今何が欲しいのか、だいたいわかるし、ちゅらも私が話すことはわかっていると思う。ご飯やりんごを用意しているときは、大人しく待ってて欲しいけれど、別にお手をして欲しいとか思わない。
私にとって、ちゅらは「子ども」ではなくあくまで ちゅら。
ちゅらにとっても、私は「ママ」や「ご主人」ではなく えりちゃん だと思う。
ちゅらは 私の膝の上から もしかしたら落ちるかもしれないのに、丸くなってグーグーいびきをかいている。私も 言葉が通じない相手のはずなのに、ぐっすりと一緒に寝ている。
人間と犬。生物的には全く違う生き物なのに、この全幅の信頼を寄せ合う関係になれるとは、一緒に暮らすまで思ってもいなかった。言葉が通じる人間どおしでも、こんなに信頼できる人はそんなに多くはない。
犬好きさんはみんなこんな感じかと思っていたが、実はそうでもないらしい。犬と暮らしている人でも、主従関係を大事にして、人も犬も幸せに暮らしている人もいる。確かに犬はかわいいけれど、そこまで分かり合えないよ、と言う人もいる。
一度身近になって全幅の信頼を寄せると、無限の愛を注げるのは、これはこれで私の資質だということを、ちゅらと暮らしてはじめて知った。子どもを産みたいとも思わず未婚・子なしで40代に突入した自分には正直驚きだった。ちゅらは私に、大きなことを教えてくれているのかもしれない。…犬は偉大だ。
そんなことを思いながら、今日も一緒に起きる。
愛してるよ、ちゅったん❤︎
大好きだよ、ちゅったん❤︎
ありがとう、ちゅったん❤︎
2020.9.30 3本目 上杉惠理子
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