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花に元気もらう

徳島新聞 ちょっとええ話 2022/01/13掲載

 庭先のスイセンが咲き始めた。乾風に吹かれるがまま、四方八方にしなやかに揺れている。
 毎年、美しく季節を告げてくれる。花瓶に飾ろうと切り花にすると、肉厚の茎から粘液が滴り落ちた。雨の少ない季節に、植物にとって不利な境遇にも適応しようとする力強さを感じた。そっと花瓶に飾ると、りんとした姿が気高く美しい。何ともいえない気品のある香りを漂わせる。そんな姿に見ほれながら、存分に元気をもらった。
 スイセンは、今の時季が一番美しく咲けると知っているかのようだ。私も寒さに身を縮こめている場合ではない。胸を張って背筋を伸ばし、スイセンのようなしなやかさを身に付けなければと思った。正月気分もそろそろ終わりだ。気を引き締めていきたい。

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