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第75回 高松宮記念杯競輪 勝負レース(9R準決)

【青龍賞に見た名馬の影】

注目選手 北井佑季

私が初めてテレビで競馬を見た時、
そこに映っていたのはアーモンドアイでした。
2018年11月25日東京競馬場メインレース。
芝2400メートルの走破時計は、
2分20秒6。従来の記録を1秒5上回る
驚異のコースレコードで、12年の
ジェンティルドンナ以来、史上2頭目の
3歳牝馬がジャパンカップを制しました。
走るたびに驚きを与えた9冠牝馬。
歴戦の名馬相手でも想像を超えた
レースを見せてくれました。
アーモンドアイが今までの競走馬で
1番強いんだ。そんな話を競馬好きの
おじさんにすると、いや確かに
アーモンドアイは強い。ただ、
サイレンススズカが1番だよと言われました。
ディープインパクトやオルフェーヴルなど
競馬は知らなくても聞いたことがある馬は
います。しかし、サイレンススズカ⁈
私の頭は混乱しました。おじさんの車の
ナンバーはずっと1011だそうです。
誕生日?いや、違う。これは1番好きな
レースなんだ。そう教えてくれました。
1998年10月11日東京競馬場11R毎日王冠。
円熟期を迎えたサイレンススズカが
無敗の二頭、エルコンドルパサーと
グラスワンダーと対戦した一戦。
なんとサイレンススズカは、
影さえも踏ませないラップで逃げ切ります。
二頭が弱かったのか?いや、二頭は
その年のジャパンカップと有馬記念を
制しています。その二頭に影すらも
踏ませない脅威の走り。残念ながら、
体が悲鳴をあげていたのかもしれません。
サイレンススズカの走りといえば大逃げ。
競輪で言えば徹底先行。とにかく
Bを取りに行きます。そんな名馬ですが
誰もが勝ちを疑わなかった天皇賞秋の
第4コーナ手前で突然粉砕骨折、
結果として予後不良となってしまいました。
自分が壮絶な痛みでなんとか命を保っていた
状態でも、最後まで鞍上の武さんを
気遣い安全な場所までエスコート。
サイレンススズカが予後不良になった夜、
名手武豊は初めて泥酔したそうです。
さて、そんな名馬の余韻に浸かりながら
競輪界のサイレンススズカについて
語りましょう。


青龍賞の私の展開予想は人気の南関が
後ろ攻め、もし前を取れても関東か
東北が二段体制で、踏み合いを挑む。
だとすれば必ず恵まれるラインがあるはず。
そう考えてレースを見ていました。初手は
南関が前受け。中団が関東、後方が東北。
よし、眞杉選手か新山選手が動く。
そう思っていましたが全く前に進みません。
結果は南関の番手捲りで後ろ3人決着。
つまらないレースだったな‥
そう思って、レース後のコメントを
見て気づきました。
南関の深谷、郡司、和田選手はもちろん
関東の眞杉、吉田、平原選手。なんと
東北二車以外の全員が北井選手の
カカリの凄さに言及していました。
それにも関わらず北井選手は4着に
残りたかったとコメントしています。
もう一つの白虎賞が近畿記念のような
メンバーだったのに対し、こちらは
三つのラインにわかれて、しかも
眞杉選手と新山選手も前を任せたら
日本一を争うレベルです。ただ、
北井選手には早さや強さだけではなく
持久力もあります。最後まで垂れないのです。
元Jリーガーというのもあるのでしょう。
さらに、北井選手にしかこなせないと言われる
激しく追い込む練習メニューの
成果でもあるのでしょう。そう言えば、
脇本選手も今は捲り型になりましたが
少し前までは徹底先行で脚を作り
オリンピアンになりました。同じ南関の
深谷選手もそうです。北井選手は
令和の怪物、まさにその言葉が適して
いるのではないでしょうか?

そんな北井選手は準決勝で人生3回目の
番手戦になりました。前を任せるのが
徹底先行とは言えない松井選手というのも
作戦が必須になります。恵まれるとしたら
昨日の白虎賞の寺崎選手のような
逃げを前がした時でしょうか?ただ、
せっかくSSが目の前にあるのに
松井選手がそれをするかどうか?
でも眞杉選手や新田選手の番手勢も
前をなんとか優出させたい(眞杉選手は
平原選手がグランプリ確定、新田選手は
賞金積み上げが難しい)と考えれば
松井選手が腹を括る一択で考えてみます。

【ジャン後の展開予想】

ジャンから松井選手が先行するとして、93-158-47-62(62-47)でしょうか?
車番が良い眞杉選手は
北井選手の後ろを狙うでしょう。
そして、平原選手としてもグランプリを考えて
自分より眞杉選手を決勝に乗せたい。その為に
先行より位置取り優先の指示にするはずです。
基本的に二車先行の場合、3番手が絶好です。
また九車の二車先行は番手の着外も多いです。
郡司選手でも、なかなか決まらない松井選手の
番手をはたして北井選手が
こなせるでしょうか?それと、余談ですが
今回の諸橋選手は明らかに調整不足です。
小林選手も前走は展開が向いたのと
疲れがあるコメントをしているので、
眞杉選手ラインの後ろでも平原選手、宿口選手
2人を乗り越えるのは厳しいでしょう。逆に
こわいのは大外一気の新田選手ですね。

1=3-256・6=13-13・1=5-8・
16-126-12・36-236-23

【ちょっとしたコーヒーブレイク】

最近の若手選手は、
先行にこだわる選手が減りました。
偶然見ていた昨日朝の立川。456レース続けて
先行すべき人気選手たちが捲りに構えて、
落車→捲り不発→落車になりました。
車券を買っていたお客さんは
たまったものではありません。
真剣な主導権争いならまだしも、
これから上を狙う選手たちが
脚を貯めるという名の
楽をする戦法を取るんです。
先行すると損をする。着取りが出来ない。
そんなイメージがあるのかもしれません。
しかし、落車をしないから選手寿命がのびる。
脚力があがる。ラインに信頼される。
お客さんの予想がしやすくなる。誰が
奥井さんやS級の野口さん、A3の野見さんが
捲りに構えるって予想しますか?
北井さんや九州の後藤くんは、デビューした
ばかりは先行で2着ばかりでしたが
今ではS級で優勝争いです。逆に捲りで
S級に上がった若手たちは一般戦ばかり
走っています。この事実に早く気付いて
欲しいものです。

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