ぬるま湯の人生、それでいいのかわたし。

劇団四季「アナと雪の女王」を半年ぶりに観劇した。
一幕のラストは2度目の今回も鳥肌だった。やっぱり生っていいなあ。ミュージカルって、いいなあ。

今回は、気づけばアナをずっと目で追っていた。ピュアで勇敢でまっすぐで愛情たっぷりなアナ。うれしいときはほんとうにうれしそうで、見ているこちらにまで笑顔が伝染する。身振り手振り、踊り、声量に表情、身体のすべてをつかって、全力で役を演じるキャストの姿に胸を打たれた。

アナ雪は、姉妹が互いを大切に想う愛の物語だ。ストーリーももちろん好きなのだけれど、今日は特にキャストのせいいっぱいの喜怒哀楽の表現を見て「生きる強さ」みたいなものを感じた。全力で表現する、全力で演じ切る。そういうふうに全力で一生懸命になって生きるって、かっこいい…。

はたしてわたしの今までの人生で、感情を全力で表現できたことってあっただろうか。よろこびも怒りも悲しみも、大人だからという理由でふたをして生きている気がする。多少のことがあっても落ち込まず明るく振る舞うようにしたり、まちがっても怒り狂ったりしないように。いつもぬるま湯くらいの温度感でいられるように「感情爆発のわたし」が発動したら「冷静なわたし」と中和させて、ほんとうの感情をなかったことにしている。だから、キャストの全力で表現する姿を見て、「生きるっていいな」「かっこいいな」と思えたのではないだろうか。もちろん彼らだって「役」だし「演技」だし「仕事」だからプライベートまでミュージカル調ではないと思うのだけど。


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