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味気ない色褪せた世界

2月後半から[色褪せた日々]を体験した。

ことの発端は、長男の夜中の発熱だった。
そこから家族が次々にダウンし、ついに一家全員がPCR陽性となった。

仲間と準備してきた予定もキャンセルせざるを得ない状況となり、
スケジュールが一旦白紙になった。

楽しみにしてくださっていた人の顔、
一緒に準備してきてくれた仲間の顔、
思い浮かべると無念だった。

初めのころは、カラダも辛かったが、少しずつ起きたまま1日を過ごせるようになってきた頃、匂いと味覚がなくなった。噂には聞いていたが、これがあの味覚障害か。

何を食べても、匂いを嗅いでも、何も感じない。
文字通り「味気ない」日々が始まった。

はじめのうちは、味がわからないくらい「たいしたことない」ことだと思っていたが、「味気ない日々」は、こころが動かず思いのほか退屈で、嗅覚味覚だけでなく、感覚器官が全体的にマヒし感受性が鈍っていっているのではないか、という感じがした。

窓の外に目をやると、この14日間の間に、日差しの濃さだとか色だとか空気の色は様変わりし、すっかり春めいているというのに、わたしのもってる[感覚]だけが、枯れ果てた大地のように色褪せ、カラカラに干からびたような感じがした。

3月にはいろんな行事が控えているので、その準備もそろそろ動き出さなければならないのに。


「ワクワクってどうやってするんだっけ?」
ふと、そんなふうにワクワクのしかたを見失っている自分がいた。

感じない。
こころが動かない。
色褪せたわたしのこころ。
味気ない毎日。

それらはぜんぶ、つながっている気がした。

わかってる。ワクワクは「やり方を見失う」ようなものじゃあないんだってことも。

ワクワクは泉のようにこころの底から湧いて出てくるもの。

今はただ、こころが動き出すのをじっと待ってる。

[感覚]はその人だけのもの。
わたしだけの[感覚]が戻ったら、
[感じたもの]を抱きしめて、大事に大事にしてあげたい。

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