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010.お天道様はみている

息子が高知にある大学のオープンキャンパスに参加することになり、私も付き添いで出かけた。

2泊3日。初日と3日目は移動日で、中日がオープンキャンパス当日。時間的に無駄が多い感じもしたけど、家族が高知に住むかもしれないわけだし、高知を感じる旅にしようと思った。

彼は大学に入ってから宇宙に関係することを勉強したい、とだけ決めていた。本人の成績とその方向性の掛け合わせで出てきた候補は二つ。高知にある公立の大学と、家から通える私立の大学。どちらにするかこの夏に決めなければいけない。

私立の方は指定校推薦の枠がある。他に希望者がいないようで、立候補さえすればほぼ合格したも同然だ。それほどメジャーな大学ではないけど、本格的な設備があって、人工衛星を作ることができる。勉強したい内容も合っているし、こっちで確定でいいじゃん、と思ったけど、本人は高知も見てみないと決められない、とのこと。まあ仕方ないか、一生のことだしね。そんなわけで、高知へ。私も四国は行ったことないし、子と2人旅もたまにはいいかもしれない。

キャンパスに実際に着いてみると、建物が素敵で、雰囲気がとってもよかった。先生達も熱心だし、専門性も高かった。幅広く学びながら社会に出るときに武器にできるものを獲得していくようなスタイル。彼がオンラインの説明会で、なんか良さそうだな、と感じていたのはこのあたりみたいだった。

ただ残念なことに宇宙関連の研究室で話を聞いたところ、宇宙ど真ん中の内容を一年生からできるわけじゃなかった。幅広く学んでから、最終的に宇宙になんとか関われるかな、といった感じ。行く前の私の予想通り、彼がここを受験することは、ほぼなさそうだ。最終決定はまだ先だけど私立を指定校推薦で受けることになりそう。

キャンパスを出てホテルに戻ると、「ママ、一緒に行ってくれてありがとう」と息子が言った。「来なければ決められなかったから、来てよかった」と。

私「まあそうだよね、一生のことだもんね」
子「そうだよ〜」
私「それにしても、こんな風に決めることができるって幸せだよね。こんなに丁寧にプロセスを追えるって」
子「だよね〜」

このライトな会話で彼がどこまで理解したかはわからないけど、大事なことを決める時に、ほんの少しの疑念や違和感をなかったことにしないで、自分の本音を自分でキャッチできるまで取り組む、っていうことが大事、っていうことを私は言いたかった。そのときは言葉にできなかったけど、今思えばそういうことが言いたかった。

そんなわけで、彼にこの決定のプロセスを体験させてあげられたこと自体がよかったなあとと思う。実際に足を運んで、見て、自分の希望と現実が一致するかどうかを感じる時間。真剣にその作業をしている子をみているのは、私にとっては、とても豊かで幸せな時間だった。これから先、どんなこともこうやって丁寧に自分の本音を自分で聞いて、自分で自分を幸せにしてあげてほしい。

家に帰宅後一晩がすぎ、翌朝のこと。視点だけ天に移して、自分を背後から眺めてみた。

そこには子が望み通りの人生を歩むためにサポートしている親である私の姿がある。神様の視点から見たら、この人たちをサポートすることは必定だ。一生懸命生きてるもん、助けない理由がないよね。お天道様はいつも空からみている。天のサポートはきっと入りそうだと、なんの確証もないけど、なんとなくそう思う。

感じた事を言葉にして生きています。サポート頂けたらうれしい!!