卒論書いてみる(1)

初めての記事でドキドキ。

この真っ白な画面をどのような文字で埋めていこうかとワクワクしています。

この記事は、1人の女子大生が研究の記録や研究する中で湧く気持ちを書いています。もちろん研究内容にも注目していただきたいですが、初めて自分で考えて研究していく過程がどのようなものなのか、どのような気持ちなのかを知っていただけたらとっても嬉しいです。

私は最近卒論研究が楽しいです。けれどもこれが少し前までは全く違っていました。

卒論ってどうやって始めればいいの、何から始めればいいの、ゴールから逆算してスケジュールを立てる考えることは分かっているけれど、私の頭の中は「提出←書く←研究する」というあまりにもふわふわとしたイメージしかありませんでした。

ちなみに研究内容は、「近郊都市と都市部在住者における3rd placeの分析」です。この研究分野に興味を持ったきっかけは、私がゼミメンバーで研究のために訪れた近郊都市、神奈川県真鶴町が本当に素敵な街で、印象に残っていたことです。時々ジブリのような少し哀愁漂う世界観の場所に行きたくなりませんか?真鶴町はそのような街です。加えて東京から電車で1.5-2hで行けます!これを大3の私は「銀だこのような街」と例えました。またいつかこのお話もできたらなと思います。

ちなみに近郊都市とは、東京から距離80キロ程度、100キロ圏内、電車、バス等の公共交通機関で2時間以内で、都市部への通勤が辛うじて可能な地域。近郊都市は過疎指定を受けている地域が出てきているが、地方の過疎地に比べて日の目を浴びていない。しかし、1次産業の他に、固有の産業を持つなど複合的な経済圏であり、近郊農業を中心に、都市への産物、製品の供給や、都市に対する居住区域を持つなど都市部との関わりが強いという特性を持っている。したがって近郊都市の抱える課題は、都市圏にとって重大な社会課題である。
(春木研究室『近郊都市・第三の地域』より)

真鶴を訪れた後、「なんだか気分転換したいな。真鶴にでも行こうかな」と気付いたら真鶴は自分のサードプレイスになっていました。サードプレイスとは、レイ・オルデンバーグが1989年に提唱したもので、都市部在住者がファーストプレイス(自宅)、セカンドプレイス(学校、職場)に加えて、心のゆとりを持つことのできる場所、憩い、コミュニティを育む場所が必要であり、それが「サードプレイス」だと述べています。(Ray Oldenburg 『THE GREAT GOOD PLACE 』より)私にとっても新たなコミュニティが生まれる場所でもあり、特に気持ちを切り替える時、サードプレイスは非常に重要な場所です。

サードプレイス好きな私は都市部在住者なのですが、近郊都市の問題に触れていく中で、「近郊都市って、都市からギリギリ可能な通勤距離くらいの距離感覚ってことは、都市部在住者のサードプレイスになるかも!そこまで時間をかけずにいつもと全然違う環境に行くことができたら最高だ。新型コロナウイルスでリモートワークが進んでいる今、都市部在住者にとってそこまで遠くない近郊都市は活かせる可能性高そうだし、近郊都市の課題解決にも繋がるかも。これ絶対研究したら面白い!」と考えました。これをきっかけに「近郊都市は都市部在住者のサードプレイスになるのか」と卒論の問題提起を決めました。そして近郊都市として、前述している神奈川県真鶴町、もうひとつ研究で訪れた茨城県利根町を選びました。利根町は夕陽と一面田んぼの景色を土手から見ることができる町で、こちらも東京から電車で1.5-2hで行けます。

さて、このような感じではじめは研究にやる気満々でしたが、いざ何から始めればいいのかとなると全くわからなくなりました。「とりあえずサードプレイスの本を読もう、それからじゃないと何も始められない」と変な言い訳をつけて、本格的に取り組まない日々が続いて行きました。

日が経つごとに、じわじわと「卒論どうしよう」という気持ちでいっぱいになっていき、どんどん不安が募って行って安眠もできなくなっていました。それなら取り組めばいいのにと言う話ですが、何から始めるべきかのロジックも組めていませんでした。

しかし、転機が訪れます。あるゼミ生がFBの卒論ルームに進捗状況と卒論に関する質問を挙げました。その時、「卒論とにかく始めよ!」と私の中で突然スイッチが入りました。とにかく目の前にあることにぶち当たってみようの気持ちで本格的に卒論研究を始めました。何かを始める時は、車のエンジンのように勢いが大切だなと感じました。

はじめに1つのルールを決めました。「必ず1日1つは研究を進めて毎日の進捗状況を報告すること」これだけは絶対。研究の勢いを保ち続けたいという単純な理由です。

まず1日目は、自分の卒論構成を見直し、図式化して改めて内容を再解釈しました。そして「近郊都市である利根町と真鶴町が都市部在住者にとってのサードプレイスになるのか知るためにはとにかく比較対象、データが必要だ!」と考え、東京都渋谷区、大田区、千代田区、神奈川県真鶴町、茨城県利根町の人口、健康や医療、経済基盤や自然環境などわかるデータをとにかく集めて種類別にまとめました。渋谷区、大田区、千代田区を選んだ理由は、「東京」のイメージが強く、流行の最先端である若い世代の多い渋谷がある渋谷区、羽田空港、下町、高級住宅地が入り混じった様々な顔を持つ大田区、昼夜人口比率が高く、就業者が集まる千代田区で様々なデータが取れると考えたからです。自分の知っている統計データから一番データが多そうなものを探すと、e-Statというゼミでも使ったサイトの市区町村データが出てきました。少し使ってみると、様々なデータが出てきました。データも簡単にエクセルに写すことができてよかったです。1000個近くあるデータから1回に出せる量は25個までというところが少し面倒でしたが、思ったよりも早く分類ごとにまとめることができました。鉄筋・鉄骨コンクリ-ト造住宅数など本当に細かいところまでデータが出ていて、「こんなデータもあるんだ」「意外とこのデータの数値は高いんだな」など、どんどん新しい発見をしていくことが気付いたらとっても楽しくなっていました。そして、少しドキドキしながら初めて進捗状況をFBにアップしました。