生きているから、ハイヒール
昨日は、電車のなかで集中して、本を読んでいた。
乗り換えのために、7番線のホームから南口へ。
斜め前を歩く女性がハイヒールを履いていた。
なんだか久しぶりにハイヒールを目にしたように思う。
めっきりスニーカーライフ。
なんなら靴を履かないで一日を終える日もある。
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ところで、わたしは新宿が好きで、高校生のころからずっと通っている。
社会人になってからは、ただ通り過ぎるだけの日がほとんどで、この1年は通らない日のほうが多くなった。
だけど、新宿は好きなままだ。
ドドドドドドドドドっと音が鳴るような人の群れも、不思議と川の合流地点のように交通整備されていく通路も、ぼーっと見ていても、あれこれ考えていても、なんか嫌いじゃない。もちろん、その一部に組み込まれるのも。
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斜め前の女性に、そのハイヒールに「生」を感じた。
生きているから、靴を履ける。歩ける。ハイヒールを選べる。
なんでもそうなのだけれど、ふくらはぎをくいっと上げて、あるいは足の指をぎゅっとねじこんで、そうしてまで履いている靴を、得た高さや美しさを、生きている証のように感じた。
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読んでいた本は、京都大学院生の山口雄也さんの著書
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