相変わらず
今年のお正月も、例年通り、祖母の家に行った。思えば、家族全員で、電車に乗って出掛けるのもいつの間にか年に一度か、二度しかなくなった。姉が家族全員から抜けたのはもう、8年も前になる。
いとこが全員集まることもなくなった。
なんてことのない叔父さんとの話のなかにいつのまにか会社の様子の比重が増えていって本当にお仕事の話ばかりになった。
ひっきりなしに親戚が訪れ、たくさんのごちそうに、お酒に、子供達。わいわいと賑やかで浮き足立ってしまうお正月も、祖父が亡くなって、引っ越して、あわせるように大人になって、静かになった。
変わらないのは、お雑煮の味と、ずっとついているテレビ。
テレビをみんなで見ながら、祖母が座っている私の頭をもふっと掴んだ。掴むという言葉より、もっと柔らかく。
「相変わらず、えりちゃんは髪がおおいねえ」と笑いながら。
それはなんだかうれしくって、私も笑うことしかできなかったのだけれも、
相変わらず、いつまでも孫でいたいと思った。
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