映画“ロック・スター(Rock Star)” -突然崇拝するバンドのメンバーとして大スターになった男の物語 -

No Music, No Life ! 音楽にはストーリーがあります。人はストーリーに感動し、感動から様々な事を学びます。ところが音楽でもサブスクのサービスが一般的になり、音楽が水道水のように聴き流されるのではないかと一音楽を愛するものとして心配してます。ここでは、様々なミュージシャンを描いた映画を介し、楽曲の背景に潜む感動のストーリーから音楽の深みを感じていただきたいと思います。

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第一回目は、2001年ジョージ・クルーニー製作総指揮のアメリカの映画”ロック・スター”。この映画は、神とも言われるヘヴィメタル・バンド”ジューダス・プリースト”のカリスマボーカリスト”ロブ・ハルフォード”がバンドを脱退したタイミングで売れないコピーバンドから大抜擢で加入したティム・オーウェンズの実話です。ちなみにロブ・ハルフォードは、音楽性の違いだけではなくゲイの問題も抱えていました。ロブの脱退の裏にも色々なスト^リーがあるんだろうな。80年代、ヘビーメタルが最も輝いていた時代の甘く切ないストーリー。成功と真実の愛が成功によって裏腹になってしまう。成功って何なんだ、幸せって何なんだろうと深く考えさせられました。

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この映画は参加してるミュージシャンが超一流。音楽的にも本気で取り組んでいる姿勢が窺えます。スティール・ドラゴンのメンバーには、元オジーオズボーンの名ギタリストのザック・ワイルド、レッド・ツェッペリン故ジョン・ボーナムの息子ジェイソン・ボーナム、ドッケンの元ベーシストのジェフ・ピルソン。音楽担当はイエスのトレヴァー・ラビン(“ロンリー・ハート”)

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主人公のクリス・コールはアマチュアバンド”ブラッド・ポリューション”のリードボーカル。ロック界の大御所バンド”スティール・ドラゴン”(ジューダス・プリーストをイメージ)をあまりにレスペクトしボーカルスタイルもボビー(ロブ・ハルフォード)を忠実のコピー、あまりに憧れ拘りが強すぎてプロを目指すバンドをクビになります。そのタイミングでスティール・ドラゴンからボビーの後任ボーカルの話が舞い込んで来ます。憧れのスティール・ドラゴンの正式なメンバーとなり、一躍大スターとなったクリス。そこで色々なことが変わってきます。その変化こそ、成功の代償として失う本当の恋。詳しくは映画で楽しんでください。

僕自身若いころは、成功という夢をおってガムシャラな時期がありました。僕の場合は、一つはプロミュージシャンになること、もう一つは外資系コンサルティング会社の最高役職パートナーになることでした。成功のためなら全てを犠牲にしてもいいと信じていました。でも、本当はそうじゃない。身近の大切なものに目がいかなくなる。成功を手にした時に、同時に失うものを走り続けているときには全く気づかなかった。

そんなことをフと想い出させてくれる素敵な映画でした。成功にむかってガムシャラになっている若い世代に観て欲しいです。

ちなみに、この映画は”メタルゴッド”と言うタイトルで製作される予定でしたが、ロブ・ハルフォードが商標登録していたことと、内容に関してジューダス・プリーストが難色を示したため、架空のバンド名でタイトルも”ロック・スター”に変えざるを得なくなったのです。ここにも、ストーリーがありそうですね。実話は、こういうとこも面白い。

Peace out,

Eric


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