シノヘ歴⑮(芸歴2年目・9月)
新コンビを結成した8月、本格始動から半月が経過した9月。
今月も漫才は楽しい、日常は変わらず厳しい。
それでも地球は回るし、飯食って寝れば明日が来るし、おしっこは相変わらず少し泡立ち続ける。だれか僕の糖尿病疑惑に終止符を打つ最適解を出してくれ。
このままでは血液検査まっしぐらである。
⑮-1.2023年 9月1週目
⑮-1-1.シェアハウス緊急増員
9月には良いニュースと悪いニュースがあったのだが、まずは良いニュースから。
2022年7月より始まった南堀江ベースこと、ボンボリ藤村、ナックラー ユウガ、そして毎月家賃4万を払いながら14か月で通算20泊もしていないことでお馴染みのシノヘで住んでいる3LDKに新メンバーが加入することが決まった。
入居を決めた当初から僕があまりにも家に帰らないため、使用されていない僕の部屋を没収し、新規入居者を募集して部屋を与えるという計画がずっと立っていたのだ。
2022年の11月頃には同期の七海が仮住まいしていた時期もあったのだが、当時非常に物音に敏感だった近隣住民の苦情もあり、申し訳ないが旅立っていただいた(七海はメチャクチャ静かに暮らしてたので悪くないが)
それから約10か月、僕の通算宿泊日数にして15日ほどが経った2023年7月
ナックラーのユウガが、一人の子供部屋おじさんが実家を出ようとしているという情報をキャッチしてきた。
それこそが今回あたらしく加入した、七輪の阪本だ。
阪本は銀矢倉 愛、ウリ相田、宛先プレーンたかまん、とっておきのベル岡田などと飲みまくっていた過去があるブラックリストに名を連ねていた。
先住民内での入居審査会議ではそこだけが懸念されたが、坂本本人から家では意外と飲まないし、最近はほぼ飲みに行っていないという自己申告あったので入居が決定した。
9月末 現在、めったに帰らないシノへが奇跡的にシェアハウスに2連泊をかましているのだが、阪本は2日とも朝まで飲み歩いて帰ってきていない。大嘘人間だ。
芸歴2年目のシェアハウスにしては、騒がず落ち着きすぎている/出禁認定がキツすぎることを押している当シェアハウスだが、阪本の加入で平均年齢もアップし、外部へのイメージだけが更に強化された。
実情は、阪本とゆうがが飲み歩き散らかし、藤村とシノへはバイトし整えている。
無慈悲にも、非人間的な生活をしている2組の方が結果が出てしまっている。
ゆうご、、俺たちはすぐにバイトをやめて朝まで酒を飲もう。
⑮-1-2.UP TO YOU
続いて悪いニュース。UP 敗戦である。
9月1発目のライブは明けてすぐ。2日のUP TO YOU
M-1などの賞レースは劇的に日常を変える可能性があるレアイベントだが、UP TO YOUは少しずつ日常を変えるであろうノーマルイベント。
ただ現在の僕たちの中では一番大事で、一番気持ちが引き締められるイベントである。
今回はハイテンションゲンキマンズとして初陣のUP TO YOU。
万利休としても、リトルカメレオンとしてもお互い勝ち上がれたことのないイベントだが、とくに苦手意識もなく楽しみにしていた。
前日だか前々日だかに飛んできた香盤表を見ると、まぁそりゃそうだろうとなるトップバッター。
こんなコンビ名を見たら、子供でも老人でも、とりあえずトップバッターに置いておくかと考えると思う。仕方ない。
いざ当日、1~2時間前に集合しネタ合わせ。
なんだろうか、とにかくやる気が出ない。
これは僕あるあるなので共感されるかわからないが、
「夕方以降に動き出す日のライブは、とにかくヤル気が出ない」
言っていても仕方ないので、なんとか気持ちを上げて、ギリギリ会場に滑り込んで開演。
MCは、43期のほたる火さん。
大西さんはもちろん、タイチロウさんも普段から驚くほど優しい。
OPも時間オーバーし、舞監さんから巻きの合図が出るまで盛り上げまくっていた。
そのおかげかトップバッターの我々から比較的笑い声が大きい日で、出てくるコンビは次から次にウケて、1位以外は誰が通過するかは正直予想できなかった。
1位は圧勝、BPM128さん。
みんな納得、おもしろいわ、耳が気持ちいいわで圧勝されていた。
袖で見ていたりゅ~ちゃんは、こりゃ勝てないなぁと笑顔で見ていた。
ライブ前まではやる気は出なかったのだが、いざ終わってみるとちゃんとちょっと悔しかった。熱量はちゃんと持ってて安心した。
⑮-2.2023年 9月2週目
この週は9日 カメ利休主催の断捨離。饒舌ぶりの定例企画。
「とにかくおもしろくなきゃ存在しちゃダメだ!」と間違えたお笑い論と偽ストイックが生み出した悪しき集会。
とにかく初回は、心のどこかで負けたくない相手、けど売れてくれたら素直に喜べそうなヤツ(かつ8月一緒にライブ打ってない人)を基準に声を掛けていた様。
ただ体調不良もあり出演見送りとなったので、残念ながら1人MCとなっていた。見たことないくらいの静寂で滑っていた。もう一人では立たない。
皆のおもろいネタを見れて満足しつつ、落ち込んで帰った日だった。
⑮-3.2023年 9月3週目
この週は病床のりゅ~ちゃんと連絡を取っては、バイトをするだけの週
11日にMEKKEMONがあったのだが、体調不良で休演。
その節は申し訳ございませんでした!
⑮-4.2023年 9月4週目
4週目は地下が2本。
なんとしてもとM-1 一回戦のリベンジを図って作った2分ネタの調整。
手ごたえとしては悪くなく、このネタで再度パルコに殴り込みに行くぞと鼻息荒くしていると不測の事態。
翌々日の夕方、一件のスマホ通知。
いつも通りM-1予選TOP3の動画がYoutubeにアップロードされた通知が来たので見てみると衝撃
僕らがこれで行こうと決めていたネタと全く設定が同じ漫才。
しかも僕らが「このネタをこう改善したいね」と話していた完成系のような完全な上位互換。
正直、今まで見たことがない設定を作れていたので、「大発明だ!」と思って大事にしていたのだが、モロにかぶった。
ほんでよく考えたら、まぁそのくらいメチャクチャある。
TOP3にさえ入ってくれなければ!とメチャクチャ思ったが、そんなこと言っても仕方ないので急いで全く違うネタを作った。
その週末には、芸人の中では一番仲がいい実と、NSC時代に同じマンションに住んでいてこれまた仲が良かった薬師寺が組んだニノニとのじゃれ合い
実も実だが、薬師寺なんかは連絡を取らなさ過ぎて芸人をやめると思っていただけに嬉しかった。
勢いが乗り出した時の薬師寺のお調子者具合は平場最強なので、ぜひライブに誘って辞めさせないように活動させてください。僕からのお願い。
正直ネタの手応えはなかったが、薬師寺も実もせっかく休みを取ってくれていたので、終わり次第4人でそのまま居酒屋に。
16時から20時過ぎまで飲み、その後は雀荘に行き麻雀を。
みんなスマホアプリで麻雀をしすぎて、完全な素人ではないのにも関わらずルール分からず。
周りのサラリーマンたちの姿を参考に少しずつ勉強。
やっとスタートだとなった時には30分経過していた。
ただそこからが面白すぎて、もう1局、もう1局とやめられなくなってしまい、1時間ほどで帰る予定が2時間ちょっと居座ってしまった。
麻雀、恐ろしいゲームだ。。。みんながハマる理由もわかる。
⑮‐5.2023年 9月5週目
待ちに待ったM-1 一回戦の再エントリー日
A日程では通過しなかった同期もどんどん通過していき、気づけば大体の人間たちが2回戦に駒を進めていた。
準備していたネタができなくなったとはいえ一回戦。
コンビは別だったが、NSC時代も入れるとお互い3年目のM-1グランプリ。
1回戦で落ちることの惨めさは十分に知っていたので、何とか負けない無難なネタ選びを前々日まで推敲した。
そして決めたのが「観光大使」
消去法ではあったが、多分これは間違いだった。
いざ当日、夕方出番のため15時ごろに集合。
昼まで寝まくっていたので、もちろんヤル気は入っていない。
とはいえ、ここで頑張れなかったら来年まで大きな賞レースとは縁がなくなってしまうので、なんとかネタ合わせを通じて気合を入れる。
パルコに移動し受付を済ませる。
これまで通り、廊下でのお着替えを頭に入れていたのだが、廊下がパンパンで場所がなかったため奥の控室に案内された。
りゅ~ちゃんとやったねなんて喜んで部屋に入ると、ラニーノーズさんが出番終わりで着替えていらっしゃった。
メチャクチャかっこよくて、僕の中の4分の1の乙女の部分が一瞬挨拶を戸惑わせてトキめかせてきた。
いかんいかんと挨拶をして、静かにお着替えを済ませる。
ちなみに同じ控室には同期の林檎雨、グローバル岡田、ロクがいたのだが、みんな乙女チックな眼差しをお二人に向けていた。
林檎雨のグリコ・アフロは、たぶん好きすぎるのだろうが恋する女子中学生のような顔をして洲崎さんばっかり見ていた。
そんなこんなで控室を過ごし、順番が。
ブロック頭からほぼウケていない。僕らの前の林檎雨も。
あららと思いながら僕たちの出番。なるほどウケない。
ネタが弱いのはもちろん反省点なのだが、もう誰も笑ってやろうの体力が残っていなさそうなのである。
冷静に客席を見ると、正面中央のSS席に45期のキャッチャーが座っていた。
あんま芸人そこ座らんやろ。もう面白かった。
そして審査員席に目を向けると、もう退屈の極みのような顔をした里村さんがいらっしゃり、これまた面白かった。
掴みこそ何とかなりそうな雰囲気は見せたが、本編0ウケでしっかり落ちてしまった。
年内で現状を変えるチャンスは、11・12月のUP TO YOUかオールザッツ漫才だけ。
チャンス掴め!ワイ!!
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