12/14~12/20

 月曜日。銀座はメゾンエルメスへ、シャルロット・デュマ展「結石」を観に行った。デュマによる映像作品と写真はどちらも動物との距離感が素晴らしかった。馴れ馴れしくもなく、とはいえ緊張感に満ちたというのも相応しくない、畜産でも動物園でもない動物と人間とのかかわりについて。

画像1

ところでここは神施設で展示自体も無料な上にそれなりの小冊子が無料でもらえる。富裕層が布を買ったお金が回り回ってこの自分まで降りてきているのを実感する。ありがとう(赤井英和のあの映画)。

 火曜日。またも夜勤。

 水曜日。The Avalanches『We Will Always Love You』を聞き、強く心打たれる。キラキラとした音のノスタルジックな質感は間違いなくThe Avalanchesにもとめていたものなのだが、2に020年アップデートされた野心的なサウンド。ジョン・カーペンター『ダークスター』に通ずる壮大さと人間のエモーションが不思議に絡み合った宇宙というモチーフの使われ方もいい。めちゃくちゃいい……。

 その後なんかエレクトロニック・ミュージックを聞きたくなって色々聞く。Omar SのDekmantel 2017のmixとか良かったです。

 木曜日。山本浩貴『現代美術史-欧米、日本、トランスナショナル』を読んだ。まず、この題材をよくこの新書サイズにまとめてくれましたという気持ちでいっぱいになった。そもそも現代美術は一つの通史的な語り方を拒絶するものであるのだが、それを「社会と美術」というテーマからあえて通史的に語っていく。とにかく固有名詞がドンドコ出てくるため(しかも知らない)それを逐一調べていくだけでめっちゃ面白い。欧米や日本といった馴染みのある分野の記述も知らないことばかりだったが、特に「トランスナショナル」という点に着目した後半は更に知らないことばかりで興味深かった。特に英国の植民地主義から生まれたブリティッシュ・ブラック・アートについて1章を設けて「ほーん、なるほどねー」と思っていると日本の植民地主義から生まれた在日コリアンを巡るアートの話が展開され、気を引き締められる。ちなみに在日コリアン問題を巡る思索のアート作品についてネットで調べてるとクソバカとしか言いようがない意見がたくさん出てきて(多くはあいちトリエンナーレのアレ関連)もうこの国は詰んでるなって思えますね。

 金曜日。意を決して俺は原付免許を取った。普通免許も持っていなかったし今更原付免許とは……という思いも無くはなかったが、単純に身分証明書として役に立つ(クラブに行く時もパスポート、というのはいささかだるすぎる)のと、何より旅をするにあたってレンタルバイクで移動というのは便利なのではないかという気持ちでなんとか押し切った。

対策をしないと受からないが対策をすれば誰でも受かるレベル感の試験を受けて、実技講習も難なく終了。9時集合で13時過ぎには終わった。16歳でも取れる免許ではあるのだが、達成感が凄い。原付免許でこれなら普通免許なんて取ったらどうなってしまうんだ……。

 土曜日は夜勤しか出来ずに終了する。

 日曜。M-1グランプリを見た。毎年のことだが、一人ひとりが漫才論をぶち上げられるくらいの漫才リテラシーが我々日本国民にあるのがおもしろいなと思う。音楽も映画も政治も語れないのにお笑いについては一人ひとりが自分の感性を働かせ、自分の言葉で何が面白くて何が面白くないかをジャッジ出来る。当然おれもジャッジさせていただきました。ニューヨークの『軽犯罪』が一番おもしろかったです。嶋佐の倫理観が暴走しドライブしていくあのエッジーな浮遊感は忘れられない。あまりに面白くてその後ニューヨークのyoutubeチャンネルでひたすら漫才とコントを見ていた。ということで公式チャンネルで見れる個人的に面白かったニューヨークの漫才・コントを貼って終わります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?