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右と左の不思議

図書館へ魚図鑑を借りに行くと、この本がドドーンと待ち構えているかのように目に留まりました。

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人類の90%の利き手は、どっち?

答えは右手です。人種や時代を問わず、人類の約90%が右手。その理由は脳にあるそうです。
文字や計算を使って論理的に考える左脳と、イメージで考える右脳。この両方のバランスが大切なのですが、人類は言葉を使うことに長けているようで、左脳が右脳より優位にあるようです。そのため、人類は右利きが多いとのこと。
確かに、黙って絵や図形を描いている人より、文字を書いたり打ったり、話しをしている人の方が圧倒的に多いですよね。
ちなみに、利き足が右足という人は、人類の60-70%だそうです。

日本では右と左、どちらを尊ぶ?

人類は右と左の区別がつくと、それぞれに格付けをし始めたそうです。
その証に現在でも右を優位、左を劣位とイメージする言葉が世界にはあります。日本ではそれ以上に優れた人はいないことを意味する「右に出るものはいない」や運や金まわりが悪くなることを「左前」と言うように、英語のRightには「正しい」「健康な」、Leftには「弱い」「不器用」という意味があります。
そのため、世界の多くの国で、握手は右手で行うのが作法とされています。
インドで右手と左手の使い方が分かれているのは有名だけれど、マレーシアでも人と挨拶をする時は、左手で右手の肘を支え、右手で握手するのが礼儀でしたね。

今日では右を尊ぶ日本ですが、奈良時代までは左を尊んだそうです。701年に作られた大宝律令(日本で初めて作られた体系的な法律)では、左大臣の方が右大臣より高い位だった。しかし、中国では右が尊ばれており、日本も少しづつその影響を受け、次第に右を尊ぶようになったという話。

おひな様の並び方は?

左を尊ぶ時代に習って雛人形も鑑賞者から見て右、つまりは左側に男びな、右側に女びなを並べていたそうです。しかし、昭和天皇が即位した時、天皇が中央にたち、皇后が左についたことから、現在では並び方も逆になったそうです。
この経緯を知ると、桃の節句も素直にピンクな気分でお祝いする気が削がれますね。

「右」と「左」 この言葉はどこからきたの?

言葉の由来には諸説あるようですが、代表的な説では「左」は太陽の出る方向=朝陽(あさひ)=陽出り(ひでり)。この「ひでり」がなまって「ひだり」となった。
「右」は武器や道具を握る手が右手であったことから、握り(にぎり)。そして「にぎり」がなまって「みぎ」になった。

狩猟時代から右と左は区別して使うようになったんですね。そうじゃないと、集団で狩を行うのに作戦を練られないですからね。

地球はどっち回り?

人類に右手を利き手とする人が多いし、時計も右回りだし、地球も右回りなんじゃないの?と思ってしまいますが、答えは左回り。
ですが、これも地球の北側を上方向と決めた場合においてです。
そうした場合、地球は左回り。南を上と考えれば、右回り。

同様に太陽系の惑星がどっち回りかを考えた場合、地球の北側を上方向とすると、地球は太陽を中心に左回り。その他の太陽系惑星(水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星)も左回り。
そして惑星の自転はというと、これにはバラツキがあるようです。金星は右回り、天王星と冥王星は太陽に頭を向けて回っており、右とも左とも言えないそうです。

こうやって改めて「右」と「左」について知ると楽しいですね。身の回りにある植物や昆虫、動物、そして人間の流れる方向や、「右」「左」がつく言葉の意味など色々と気になってきます!

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