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10月の左手 -魔界特別編-

10月は魔界でさまよう中、左手でのスケッチ練習を重ねました。
左手の役割もこれまでの実験ことは異なる、儀式的役割を担うことに。
朝起きて15分スケッチし魔界へ下降。魔界から戻って再び15分スケッチして就寝。

中間報告書では以下のようなことを書いていましたが・・・

左手のスケッチ練習から仮説以上のことが得られました。
一つ目は集中について、二つ目はスケッチ対象物の見方について、三つ目はこれから新たに検証します!

三つ目、何かを検証するつもりだったようですが、今となっては『両手を使って魔界から這い上がる術』に修正です。

まずは今月の左手でのスケッチ風景からご覧ください。

10月1日

毎月2回行う測定スケッチ。決まった人物画(45分)と1分間ひらがな

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今見ると、そこから始まる1ヶ月を見通したかのような憂鬱な表情にしか見えない・・・ですね。

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9月26日 - 10月12日

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10月16日

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10月13日 - 10月24日

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10月25日 - 10月31日

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ガシッガシと絵に心情が現れた1ヶ月でした。

ここで、今までのレポートを読み返して気づいたことが一つ。
これまで『新しい働き方LAB』のタイトルを完全に無視し、左手と動物の話ばかりをしていました。申し訳ございません!
と言うことで、反省も踏まえ絵の背景にある10月の魔界での仕事をレポートしたいと思います。

魔界でのフリーランス

月日は遡ること2019年の夏。フリーランスでこう言う仕事があるんだけれど、やってみませんか?とお話をいただき、オンライン面接と実技テストを受け、合格の知らせが届いたのが2020年1月。まずは研修を受けて欲しいという話だったのですが、これがことごとく予定は合わなく、やっと合ったのが2021年8月。その間に担当者も代わり、交わしたメールも100回近くにのぼりました。お互いよく諦めずに連絡を取り合っていたなぁと思うのですが、担当者からのうまい一言があったのです。
「次こそ、私たちの星々が一直線に並ぶことを祈りましょ🎶」

そう言われると、何としてでも私の星とあなたの星が線上で結ばれるまで頑張りましょう!という気分になるのです。(注:ホステスクラブに通ってしまう男性の気持ちが分かる瞬間でもありましたが、そういうお仕事ではありません)

3週間の研修を終え、9月下旬から5週間のフリーランス業務が始まりました。
そして10月、魔界へ踏み込みました。


雇用先の企業が共に制作をしている他社からの圧力が凄まじく、これが世間で言うパワハラなのだろうと言う体験です。
圧力を受けている時の症状は食欲不振、睡眠障害、頭痛、下痢です。
圧力をかける側は、徹底してあなたが如何に無能であるかと言う意味合いの言葉を浴びせ続け、ときおり声を荒げます。お互いテレワークだと監視の目がないので、その言動も助長されたと推測します。

肉を切らせて骨を断つ行動を取り対策を試みましたが、その効果は持って1日半。共に働き始めて10日目、相手の方にはっきりと告げました。
「私は〇〇さんと顔を合わせて仕事をしたことはないし、お互いベースとなる信頼関係も築いていません。なので、あなたのことを好きでも嫌いでもないのですが、私はあなたに対して恐怖を感じています」
しかし、その効果も1日半。

1日10時間近く緊張の中で働くと、ペンタブを動かす手は動いても脳は停止寸前。それでも私が40代であり、これが異常であるかないかが判断できたので、私の雇用先に連絡を入れたところ、休日だったのですがその日に返信をもらい、すぐに対応してもらいました。
私と同時期に20代の女性も仕事に就きました。私より一足先に問題の方とペアになった彼女は「自己肯定感ゼロです。体重は4キロ落ちました。頭痛薬を飲んでいます」と。私が先にペアを組んでいれば良かったのですが、若い人と組ませるのはあまりにも危険です。

左手スケッチから身につけた観察眼を使って、相手の言葉選びや仕事の進め方、感情の起伏を見ていると、その方が所属する組織内での役割や立ち位置が透けて見えてきます。それをさらに引いて見てみると、これって、もしかして企業間での大人の睨み合いに送り込まれたりしている?しかも多勢に無勢、こちらは2人。(誤解のないように付け加えると、他社の問題の方以外とは平和的に仕事は進みました)

周囲からの話を拾っていくと、元々は他社(A社)が制作の仕事をクライアントから受けていた。そこに私の雇用先(B社)が数年前から参入した。
そして問題の方からの話、「今までB社からデザイナーは何人か来ましたが、全員辞められました。理由は分かりません。」
これらを統合すると、いやーな感じの仮説ができるのです。

フリーランスだから、ただ仕事だけをします、とは言いません。感情のある生き物同士なのでぶつかる問題もあります。けれど、これは度が過ぎるのでは?と言う思いから、雇用先に質問をぶつけてみたところ、担当者は嘘偽りなく実情を把握していなかったようです。

組織にどっぷり身を置かない私の立場からすると、A社でもB社でもどちら側にもつく気はないのですが、人が人を極度に追い込む、やり込めるという行為自体に強い憤りを感じます。ゲームの中のキャラクターではないので、ズタボロにされてからでは手遅れということも十分に考えられます。

というような思いの丈を20代の女性に話すと、
「一つだけ訂正していいですか?私たちが所属するB社、B社がクライアントとのグローバルパートナーなんです。各国での制作はB社が請け負っているのですが、日本だけB社の進出が遅れて、A社が制作を行っていたんです。でも、サトエリさんからの連絡を受けて実態調査に動き出したようです」

え!?
仮説は、あくまでも仮説ですからね。
どのような結論が出るのか分かりませんが、同じことが繰り返されないことだけは強く願います。

この仕事を通しての学び:
1. 組織の内外に関係なく、自分の発言や行動が正しいのか間違っているのかは、きちんと自分で判断しよう。
2. 不利な立場で一方的に追い詰められたとき、迷わず逃げよう。

そういう気づきがあった10月、さらに考えさせられる出来事がもう一つ。
ちょうど1年前の11月、創業したての頃からお付き合いのあったベンチャーの社長が突然パタリと倒れ逝ってしまいました。しかし、あの時は悲しみにくれる隙はなかったのです。というのも、彼が一番楽しみにしていた展示会の10日前で、準備の追い込みに加え、社葬と社長を偲ぶ会のタスクが加わったダブルワーク。棺に出来上がったTシャツを納め、納品完了。
その1年半前、彼が別の事業も始めるということでお手伝いに加わり準備を進めていたのですが、コロナと彼の死去が重なり、そちらは一旦白紙に。
法的整理を終えた今年の8月、その事業の中心となる職人の方と再び動き始めたのですが、10月に入ってから音沙汰がなくなったのです。

私はボコボコな状態だったので、気にはなっていたけれど連絡する余裕がないまま10月の下旬に入ると、社長が出てきたのです。枕元ではなく、夢に出てきました。湖畔の前に建つ、ウッドデッキ付きの木造コテージで、社長は彼の幼い娘さんと一緒に気持ち良さそうにお昼寝をしていました。
夢から覚めた時、社長は向こうで安らかな生活を送っているんだろうと安心したのですが、気になるのは職人です。
メッセージを入れたところ、通常ならその日中に返信があるのに、翌日になっても返事はありません。
数日後に返信はきたのですが、やはり良いニュースではなかったのです。

社長と職人が決めて数年前に雇った方が、突然新たな条件を提示してきました。その条件は明らかに欲張り過ぎた内容でした。それでは事業が軌道にのる前に共倒れです。
確かに職人は組織に属していたときには活躍されていましたが、その時はその時。独立した後は誰にも分かりません。ただ言えるのは、明るく前向きで、自分の実績を見せびらかしたり、他人を貶したりすることは決してしない人だということです。そして、目の前の人の幸せを考え、忍耐強くこの数年間を過ごし、さあこれからと言う時だったのです。
また返信には、社長の死後、法的整理に携わった弁護士から、その職人が独立起業するために尽力されたことがデータから読み取れた話も書かれてありました。
今は沈思黙考タイムです。

10月29日、1ヶ月間のゴリゴリ業務最終日。最後まで刺々しさはありましたが、20時に業務を終え、その1時間後に新しい働き方LABでユニーク賞をいただくという、絶妙なタイミングとネーミングに思わず笑ってしまいました。
そうだ、これはかつて経験したことのないユニークな仕事だ!(しかし、この経験は一度で十分)
笑ったことで、心が軽くなりました。
今の私にとっては、かけがえのない賞です。
本当に、本当にありがとうございました!!


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