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DeNAの創業秘話と挑戦の日々が記された1冊『不格好経営』

今回紹介する1冊は南場智子さん著の『不格好経営』です。

こちらは、DeNAの創業者である南場智子さんの生い立ちからDeNAの起ち上げに至った経緯、誰もが知るような一流企業に発展させていくにまでの道のりが記されています。

今でこそ1213億8700万円もの売上収益(2019年4月~2020年3月)を誇るDeNAですが、その起ち上げから黒字化させるまでは、ありとあらゆる失敗を経験したとか。

南場さんはマッキンゼー・アンド・カンパニーでコンサルタントとして働いていたところから、ふとしたきっかけで起業の道へ。

事業リーダーの役割は「意思決定」すること。正解を選択するのではなく、選択したことを正解にしていく。それは、南場さんにとっては物事を提案することが主だったコンサルタント時代の役割とは全く別次元の領域で、最初に直面した壁だったとのこと。

南場さんのこだわりは人材の質。創業時から一貫して絶対に妥協しなかった点でもあり、それによって会社が発展してきたとも言える。何度ピンチが訪れても、そのピンチを救ったのは力強い仲間たちだった。仲間だけでなく、その家族も協力的だったのが印象的だった。
南場さんが採用時に心がけていることは、「全力で口説く」ことと「誠実に口説く」の2点につきるとのこと。ノウハウやテクニックでなく、その人と一緒に仕事がしたいという情熱とビジョンで仲間になっていく。思いで手を組んでいく。
そして、多様な人材と仕事をしていくことも大事にしている。ただし、多様な軸それぞれでのトップレベルでの人材である。実際、本書に名前がでてくるエンジニアは皆優秀な人材ばかりだなと感じた。エンジニア以外にも、南場さんを近くで支える仲間たちは優秀な方たちばかりだった。そして仕事に対する熱意が半端ない!

人材の質という観点では、人材育成ではかなり高いレベルであると思う。その秘訣は「任せる」こと。

「人は、人によって育てられるのではなく仕事で育つ。しかも成功体験でジャンプする。それも簡単な成功ではなく、失敗を重ね、のたうちまわって七転八倒したあげく、成功なら大きなジャンプとなる。」

『不格好経営』214頁より抜粋

人材教育においては普通の会社だとOJTという形で、質がある程度人に依存するように感じるが、DeNAでは勤続年数・役職に関係なく、できそうな人にはどんどん大きな仕事も振られる。それによって次々と若手のリーダーが活躍し、業績の向上にもつながる。

本書を通しての学びは、信頼する仲間と挑戦しつづける人生は面白いということ。日本国内だけでなく世界を見据えて挑戦しつづける企業であるDeNAが、これからも発展していくことを願っている。


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