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【読書感想文】読んだら投資を始めたくて仕方がなくなる名著!『お金は銀行に預けるな』

今回紹介するのは勝間和代さんの『お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践』です。

本書は15年前の2007年に出版された1冊。今ほど個人の投資が盛んになっていなかった頃に投資の大切さを説いた書籍となっています。

●「投資をしなきゃヤバい」と思わせる至言の数々

「なぜ銀行にお金を預けてはいけないのか」や「リスク資産を用いた資産運用方法」を解説した本書。

内容的にはちょうど先日読んだ『ほったらかし投資術』に近いなと思いましたが、私が本書を読んで面白いなと思ったのは、投資をしていない人の焦燥感を煽るような勝間さんの至言が度々出てくることです。

特に刺さったのがこの部分。

安全資産を多く持っているということは、家計に占める資産のほとんど労働による収入に頼らなければならないことを意味します。ここに日本と他国の差があります。安全資産、すなわち預金を多く持てば持つほど、同じ資産額をリスク資産で運用している人に比べ、長時間働かないと同じ分だけの収入を稼げなくなります。
そして、私たちがそうやってリスク資産を回避し、労働力による収入を生活の中心に組み立てれば組み立てるほど、より長時間労働に頼らざるを得なくなるのです。その結果として起きている大きな問題の一つが、少子化です。

勝間和代『お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践』(2007年)より


「収入を得るには労働しかない」。私も今まで生きてきてそのように考えていました。だから収入を増やしたいと思ったときは残業代を稼ぐためにあえて残業したり、残業をして「熱意」を見せることで上司からの評価をあげ、時給を上げてもらったりしていた過去があります。

でも勝間さんは「そんなことをしなくてもリスク資産を正しく運用すればお金は増える」と説いてくれています。そして「お金的にも時間的にも豊かな生活になるためには、自分1人の労働力だけでどうにかしようとしてはいけない」というようなことも述べています。

なるほど、投資の勉強を始めた時によく耳にした「投資とは、お金に働いてもらうこと」というのはそういうことだったのかと腑に落ちました。私も今年からつみたてNISAで投資信託を購入し始めましたが、正直まだ投資で資産が増えるという感覚が理解できていなくて、「本当に将来のためになるのかな?」と半信半疑な部分があったので。投資によって運用されるお金も、ちゃんと自分の資産としてカウントしていいんだとこの部分を読んで思いました。


●実践方法に関しての個人的な懸念点

一方、この本の中で気になる箇所もありました。それは第3章の投資の実践方法についてです。

実践方法の中には

  1. 日本株式、日本債券、海外株式、海外債券のインデックスファンドを25%ずつの割合で保有する

  2. ボーナスが入ったら、アクティブ型の投資信託にチャレンジする

というのがあるのですが、個人的にはこの2つはやりたくないかも…と思いました(上の2つは2007年出版当時の情報です)。

まず1に関しては、個人的に低成長と言われている日本株式を25%を持つとなかなか資産が増えないのではないかと思っています(リスクプレミアムを考慮すれば十分なリターンを得られるという考え方もありますが)。あとそもそも1つの国に25%(債券を入れれば50%)配分するのは分散投資になっていないのでは?と疑問を感じてしまいます。

とはいえ勝間さんも今では「毎月の手取りの2〜3割を全世界株式インデックスファンドに回す」というシンプルな方法を推奨しているので、今と2007年の出版当時とでは運用方法が変わっているかもしれません。

2については「アクティブファンドはインデックス投資よりも成績が良くない」「手数料が高い」という悪評ばかり聞くので個人的にはやりたくないです…(アクティブ型はやったことないのですが)。なのでボーナスをそこに突っ込むのは勿体無い気がしちゃいますね。

とはいえ私も会社の持株や個別株に興味がないわけではないので、アクティブ型も含めこういうのはあくまで【趣味】の範囲でやりたい人だけがやればいいのかなと思いました。


2007年に出版された本ではありますが、非常に読みやすく今でも通用する知識が詰まっているので、とても楽しく読めました。気になる方はぜひお手にとってみてください。

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