マルコムX(1992)/監督:スパイク・リー

 マルコムXの生涯を描いた映画です。映画は、彼の生涯を大きく3つに分けて構成されています。第1期が、マルコムの幼少期から強盗で捕まる不良時代まで。第2期は、服役中、イスラム教に目覚め、釈放後、ネイション・オブ・イスラムに参加し、黒人の解放運動に傾向していく時期。第3期は、ネイション・オブ・イスラムの指導者イライジャの女性関係の問題を発端として、ネイション・オブ・イスラムから距離をおき、独自の解放運動を進め暗殺されるまでの時期。

 以下、映画をみての感想です。
 マルコムXのイメージが変わりました。マルコムXは白人に対する排外的な発言や、暴力を肯定するような過激な発言がよく取り上げられていたので、非暴力を貫いたキング牧師と対照的で攻撃的なイメージを私自身もっていたのですが、劇中、彼が宗教的な活動を始めるようになってからは、暴力行為にでるシーンは描かれていませんでした。また、映画の中には、主張の異なる黒人に対しても、彼の優しさが垣間見えるセリフもありました。あくまでも映画であって脚色はしているはずですが、いい意味でイメージが変わりました。なにより不良上がりってのがカッコいいです。

 映画終盤、暗殺されることになる講演会場にマルコムXが向かうシーンの挿入歌、Sam Cookeの「A Change Is Gonna come」、また、エンドロールで流れたArrested Development の「Revolution」もよかったです。
 虐げられてきた人たちは解放され、世界はきっといい方向に変わっていく、そんな想いがしっかり込められた映画でした。


Sam Cooke/A Change Is Gonna come

Arrested Development /Revolution



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