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【補助金ガイド】「基準年度」の設定方法



✅補助事業の「基準年度」は、いつにすれば適当なのか?

補助事業の「基準年度」は、申請要件となる「3~5年の事業計画終了時の『付加価値額伸び率』や、『給与支給総額伸び率』」などの試算時に、その起点として定められた、とても重要な指標の1つです。

○基本要件
<以下の要件を全て満たす3~5年の事業計画を策定することが必要>

事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加。(被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合は、年 率平均1%以上増加)

事業計画期間において、事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を、 毎年、地域別最低賃金+30円以上の水準とする。

事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加。

【ものづくり補助金】第16回公募要領から引用

【付加価値額要件】
補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%~5.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%~5.0%以上増加する見込みの事業計画を 策定すること。

【給与総額増加要件】
補助事業終了後 3~5年の事業計画期間で、給与支給総額を年率平均 3~5%以上増加させること。

【事業再構築補助金】第11回公募要領から引用・要約

しかしながら、両者の補助金では、基準年度の設定手順に違いがあるので、分かりづらいと思う方もいらっしゃいます。
そのため、今回は、補助事業の事業計画や財務計画を立てる際に迷いがちな、「基準年度」の設定手順について、2023年11月時点の【ものづくり補助金】と【事業再構築補助金】の公募要領等をもとに要約してお伝えします。


✅【ものづくり補助金】に置ける「基準年度」の設定手順

まず、こちらが財務計画を立てる際のフォーマットです。
「※基準年度には、応募にあたっては、申請締切日から6ヶ月前の日以降の決算の実績値又は見込み値を入力してください。」と、記載がなされています。
(「1年後」は、基準年度の翌年度と読みかえます。事業再構築のように、どこかに空白期間が発生することはありません )

出典:「参考様式 事業計画書 記載項目(16次締切分)」

✅パターン①申請〆切から逆算で6か月以内に企業が決算したとき

たとえば、3月31日が企業決算日の場合、当期=n年度8月15日が申請〆切だとすると、n年度8月15日から6か月前=nー1年度2月15日より後に1度決算期を過ぎているので、直近の決算年度になる前年(nー1年)度3月期が、基準年度だと分かります。

ものづくり補助金パターン①

✅パターン②申請〆切から逆算で6か月以内に企業が未決算のとき

次に、同じく3月31日が企業決算日ですが、一方で当期=n年度10月15日が申請〆切だとすると、n年度10月15日から6か月前=n年度4月15日より後には、1度も決算期を過ぎていないので、先ほどとは違い当年(n年)度3月期が、基準年度となります。

ものづくり補助金パターン②

✅【ものづくり補助金】に置ける「基準年度」の設定手順まとめ

考え方は、上記の2パターンいずれかへ区別されます。
ただ、ほとんどの企業は3月末もしくは9月末に決算されると思いますので、より多くの皆さんにとって、すぐ分かるように、下記のような早見表に集約しました。

決算月別基準年度の早見表

N+1年度や、N年で申請〆切以後に決算予定のときは、適当な係数から、予測値を算出して記載します。

事業開始予定月~1年後決算月が極端に短くなってしまう場合、基本要件達成が難しいので、基準年度を後ろ倒しにすることが認められたケースもあります。迷うときは、事務局に問合せをして聞くのがベターです。


✅【事業再構築補助金】に置ける「基準年度」の設定手順

こちらが財務計画を立てる際のフォーマットです。【事業再構築補助金】の場合だと、「直近の決算年度」の記載もあわせて必要となります。

出典:「電子申請入力項目」

しかし、考え方はシンプルです。
まず、直近の決算年度は、何か月前であっても、必ず前期(nー1年度)になります。
続いて、基準年度は、補助事業終了年度となります。申請〆切~交付決定まで約3か月、補助事業が、6〜12か月以内(申請事業者が任意で設定)なので、申請〆切~補助事業終了まで、9~15か月、よって、基準年度=補助事業終了年度は、n年度、n+1年度、n+2年度のいずれかに終了します。

✅【事業再構築補助金】に置ける代表的なパターン

下記の例だと、n年度8月15日が申請〆切なので、nー1年度が、直近の決算年度です。n年度11月~12月に交付決定・補助事業スタートになりますので、補助事業終了はn+1年だと分かります。

事業再構築補助金

今回の説明は以上になります。
補助事業期間は1年まで、補助事業終了後の事業計画は~5年まで、その範囲で各々の事業者自身で最適な事業計画や収支計画を策定します。自社の事業戦略・申請要件などを配慮しながら、考えてみましょう。


✅【事業再構築補助金】HPの更新

余談ですが、10月31日に、【事業再構築補助金】HPは大幅に更新されました。
「この度、利便性を向上し、事業者の皆様に本補助金への理解をより深めていただくため、ホームページのデザイン・構成を一新しました。」とのことです。当該のお知らせは、こちらからご覧になれます。

ありがとうございます(*'ω'*)♪