先生、ChatGPTは人間の仕事を奪うのですか?(13)

次の通知に追い立てられて背中を押されて記事を書くことにしました。

11月30日までに記事を書くことで連続投稿を3ヶ月に伸ばすことができます。今月もnoteを書いてみませんか?

実は無邪気にも、今月末で ChatGPT のリリース1周年なので「何かイベントでもあるのかな?」などと期待してたのですが、月末を待たずに発覚したのがCEO解任に端を発した OpenAI のお家騒動でした。僕は Twitter か Quora かで気づいたのですが…


GIGAZINE で追う OpenAI CEO の解任騒動

結局 11/18 から 11/21 までの4日間のドタバタだったようですが、ここでは GIGAZINE の後追いの翻訳記事で追いかけてみます。

サム・アルトマンの解任

この「OpenAI の取締役会がサム・アルトマン CEO 解任」報道には本当に驚いたのですが…

この記事の OpenAI の取締役会の「アルトマン氏は取締役会とのコミュニケーションが一貫して率直ではなく、取締役会の責任を果たす能力に支障があるとの結論に達しました。取締役会は、アルトマン氏がOpenAIを牽引していく能力をもはや信用できません」との声明からは、取締役会とアルトマンが対立していることだけが確認できました。

マイクロソフトによる引っこ抜き?

この後、3日間ぐらい音沙汰がなかったんですが…4日目の 11/20 には次の続報が出ました。

この段階ではサム・アルトマンはマイクロソフトに合流する流れのように読めました。個人的には関わりが深かった CMU の Mach オペレーティングシステム のリーダーのリック・ラシッドと主要メンバーをマイクロソフトが引っこ抜いた事件を思い出しました。今回も彼らが仕掛けたのでは?と…

一転してアルトマンによるクーデター?

が、翌 11/21 になると騒動の風向きが変わりました。

この記事では「770人いるOpenAIの従業員のうち700人以上が『取締役会の刷新とアルトマン氏およびグレッグ・ブロックマン氏の復職』を要求する書簡に署名しました。」とあり、OpenAI の取締役会メンバーの解任要求へと矛先が変わったようです。

マイクロソフトもこのクーデターを容認?歓迎?している…

結局、サム・アルトマンのクーデターは成功したようです。ここまでの経緯の解説は次のツイートあたりの内容が一般的なんでしょうね。

この内容が日本のマスコミの元ネタなんじゃないかと…
経済ネタに展開したいテレ東の解説はかなり盛ってます😀

その他にも今回の OpenAI のお家騒動を報じるコンテンツは多数ありますが、いずれも「わずか4日間で解決」と一件落着を演出してる感がありますねぇ。

今回、アルトマンが封じ込めに成功したことは?

まぁ、日本の阿呆なマスメディアはともかく…
GIGAZINE を丁寧に追っかけていくと興味深い記事が2つ見つかりました。

スタートアップ企業経営者としてのアルトマンの資質

一つはこれ。ワシントンポストが報じたというアルトマンの Y Combinator 時代のCEO 解任に関する記事です。

この記事によれば「当時の関係者によると、アルトマン氏は組織よりも個人的な事情を優先することが多く、欠勤によって同僚や担当していたスタートアップを不安にさせがちだったとのこと。また、Yコンビネータのインキュベーションプログラムで発見したスタートアップに対して個人の立場からも投資し、個人としての利益を最大化していました。」とあります。
さらに「アルトマン氏が権力に対するいかなるチェックも避けようとしているのではないかという懸念が解任投票につながった」とワシントンポストは報じているようです。

旧 OpenAI 取締役会のアルトマンに対する疑念

もう一つは過去の OpenAI の取締役会とアルトマンの対立を伝える次の記事です。

この記事によると「アルトマン氏と取締役会の関係が悪化したのは今回が初めてではありません。2021年にOpenAIの共同創設者で研究担当ヴァイスプレジデントだったダリオ・アモデイ氏がOpenAIを退社したことがあり、この時もアモデイ氏を含めた数人がアルトマン氏を OpenAI から追い出そうとしました。しかし、アモデイ氏らの計画が失敗したため、最終的にアモデイ氏らは OpenAI を離れ、ライバル企業のAnthropicを設立しています。」とあります。Wikipedia の Anthropic (アンソロピック) のページを見るとわかるように「アモデイ兄妹は2019年にOpenAIとマイクロソフトとの協業に関しての方向性の違いからからOpenAIを退いた」らしい。

日本ではあまり報じられていないアルトマンの辣腕経営者としての顔

ちなみに、先の記事から次のような「日本ではあまり報じられていない」記事を辿ることができます。

ビジョンナリーとして知られるアルトマンの、もうひとつ顔が浮き彫りになってきます。まぁ、カリスマ経営者には付き物ですけどね。

ともあれ…

年始以来、ブログの先の記事が書けるくらい、生成系AIについてはそれなりの数の文献を読んできていますが、よく目にする言葉に「EUはハードロー、アメリカはソフトロー、日本はノーロー」というのがあります。日本では企業側からの発表を鵜呑みにしていることを揶揄する表現なんだと思うのですが、ウクライナや中東で戦争が遂行している今を考えると、やっぱり「日本のマスメディアはジャーナリズムとしてちゃんと機能してないんじゃないの?」って思う今日この頃です。

サム・アルトマンってひょっとしたらヤバい奴なんじゃないの?(つづく)

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