ギャルの靴磨き屋さんの始め方

遡ること2019年の12月、僕はギャルの靴磨き屋さんを始めました。
ギャルがひざまずいて靴を磨いてくれるという(自称)時代の最先端を走るナウさ全開の画期的なお店です。
今日はそんなお店を始めた経緯や、その店をやって感じたことを書いていきたいと思います。
コロナ騒動が続き、始めてすぐにやめて、もう1年半近く営業していないため自分の備忘録の意味も込めて書いてみました。
下らないサービスを始めたいけど始め方がわからない方や、靴磨き屋を始めようとしている方、靴磨きをやっている方の参考になるかもしれませんが、しょうもなさすぎて役に立たない可能性のほうが高いです。

始めたきっかけ ーなぜギャルの靴磨き屋さんを始めたのか

まるで王様のようだ・・・。初めて靴を履いたまま磨いてもらうスタイルを体験した時、そう思ったのを覚えています。
「これ、女性にやってもらったら楽しいかもなぁ。しかもギャルっぽい子にやってもらったらいろいろな感情が刺激されて、めちゃくちゃ楽しいんじゃないかなぁ」

そんなことを思いました。

一方、僕はかねてから「下らないなぁ・・・それニーズあるの!?なんか面白そうだけど・・・ニーズあるのかなぁ」という絶対に大手や普通の人がやらない感じのサービスをやりたいと思っていました。

夢は「週間SPA!」に取り上げられるような下らないサービスを作り出すことでした。

他にも理由はたくさんあるのですが、ギャルっぽい子が靴を磨いてくれる店を開こうと思った主な経緯はそんなところです。単純に僕が行ってみたいというのもありました。

もちろんその根本には、僕自身も革靴や靴磨きに興味を持ち始め、楽しさにも目覚め始めたこともあります。

○まずやってみたこと ー靴磨きを知るためにツイッターの人と会ったり、店に行ったりしてみた

そんな感じで漠然とギャルが靴磨きをするお店を作りたいなぁと頭の片隅に置きながら生活をしていました。

まずは靴磨き業界や靴磨きそのものについて把握しようと思っていました。

色々な人に聞いてみようと思い立ち、ツイッターでお店のコンセプトを載せて、靴磨きについて教えて貰える人を募集してみました。

何度か募集をしたり、こちらからDMを送ってみたりして、ありがたいことに何人かから話を聞かせてもらうことができました。

ツイッターを通じて人と会うということがなかったので、少し緊張していました。

一人目の方は、おしゃれなナイスガイで、靴磨き業界のことを体系的にたくさん教えて頂きました。現在の靴磨き業界図、やっていること、客層・ターゲット、戦略などなど色々なことを聞きました。話がとても上手く、まさに的を射た説明を受けた感じでした。

次にお会いしたのは二人組で、靴磨きの基本を教わり、女子が磨くコンセプトをどう実現していくかを掘り下げて、ブレストみたいな感じでアイディアをたくさんもらいました。めちゃくちゃ面白かったです。

その他にも何人かお会いして、お店にも何店舗か行ってみました。シューケアメーカーの営業さんなどにも話を聞き、色々とシューケアメーカーの課題なども教えてもらったりしました。

並行して市販されている靴磨き関係の書籍は全て読み、自分でも革靴を買って色々と靴磨きをしてみました。革靴って男心をくすぐる要素満載ですよね。コレクション要素、育てていく感じ、手入れする感じ、靴磨き楽しい・・・。

そんな感じで靴磨き業界のことや、靴磨きのことなどを自分なりに整理していきました。

○始める準備 ー渋谷のギャルからゴミを見るような目で見られる

なんとなく始める準備が整いつつありましたので、次のステップです。主に行ったことは下記の6つです。

①コンセプトの明確化

②求人

③技術指導(最低限)

④場所の確保

⑤道具類の準備

⑥広告/宣伝/営業

①コンセプトの明確化

ただ僕が行ってみたいだけでコンセプトも何も無いですが、なんとなく以下のようなことを考えていました。

・女子がカジュアルに靴磨きを行うことを通じて、靴磨き初心者層や興味無い層も来やすい雰囲気(ハードルを下げる)

・コミュニケーションに比重を置くことで満足度を高める。

・ひざまずいたギャルっぽい女性に靴を磨いてもらうというある種の満足感・高揚感を刺激(一番バリューあると思うとこ)。

とにかく現在主流の靴磨き店スタイルは敷居が高いので、もうちょっとキャッチーな店が良いのではないかなと思っていました。

②求人

みなさんは、誰に靴を磨いてほしいですか?ちょっと考えてみて下さいね。


・・・せーの!



そうです、やっぱりみちょぱですよね。

みちょぱに革靴磨いてもらったら最高じゃないですか?

みちょぱを求め、色々な媒体に無料求人広告を出してみました。全て無料ですが、色々と工夫をしたこともあり、問い合わせは相当来ました。

その中から10人以上は面接したでしょうか。選ぶってほんと難しいですよね・・・。はい。

間違って本物のみちょぱが面接にくることもなかったので、街中でギャルに直接声をかけて誘ってみてはどうかとも思いました。

ギャルといえば渋谷、渋谷で街行くギャルに声をかけたりしてみました。

「こんばんは、今靴磨きとかのバイトとか募集してて、興味ありません?」

「あ、なんかいい靴履いてますね、靴好きなんですか?」

「なんか靴磨きそうな顔してますよね〜」

強引に靴磨きに寄せた声掛けをしても、ほとんどが無視です。

渋谷でギャルに路上で仕事を紹介するというタスクは、競合が多すぎて超非効率なことがわかりました。

大体のギャルがこちらをゴミとして見ていることが伝わってきました。つらい・・・

そんな中、一人立ち止まって興味を持ってくれる子もいました。やっぱり優しい人もいるものです。彼女はまさに渋谷のオアシス。僕はありったけの夢をかき集めて彼女に概要を伝えます。

ギャルA「へー、それそもそもなんのバリューあるんですか?」

僕「あ、そうだよね、女性が少ない業界だから女性が磨く行為自体に価値があるかなぁと思って・・・かくかくしかじか・・・」

ギャルA「他の競合はどんな感じなんですか?そういう店はあるんですか?ちょっと良さがわからないです。」

僕「今は結構全体的におしゃれな靴磨きが流行ってるんだけど。そういう店はなくて。〜〜(色々靴磨き業界や流れを説明)。まぁだから他の靴磨き屋さんが超おしゃれなカフェ目指してるとしたら、こっちはメイドカフェみたいなイメージ目指す感じが近いかもしれない。」

ギャルA「あー、そうなんですか。それやると私にメリットあるんですか?」

・・・・・・質疑応答厳しすぎません?卒論??全然渋谷のオアシスじゃなかったです。「ドラえもん のび太のドラビアンナイト」でオアシスが蜃気楼だと気づいたときのスネ夫のような気持ちになりながら僕は質疑応答をこなしていました。

とりあえずHPとかを紹介して連絡先を渡しておきましたが、大方の予想通り全く刺さっておらず、特に連絡は来ませんでした。

世の中の世知辛さを存分に堪能しつつ、まぁ結局なんだかんだ求人サイト経由で何人か候補を見つけました。

③技術指導

女子に靴磨きを教える段階です。自分だけでは少々不安だったので、ツイッターで知り合った上手い方々に頼んで教えてもらうことにしました。

実施するのはまずは基本的な靴磨きだけにしました。いわゆる鏡面磨きは難易度が高く、習得に時間がかかるので行わないことにしました。

試しに女子に靴を磨いてもらったんですが、この時になんともいえない気持ちになったことを覚えています。靴を履いたまま磨いてもらうことで伝わってくる手の感触、磨いてもらっている構図、この臨場感・・・良い!!

そして何より一生懸命女子が靴を磨いている姿を見ると、なぜだか心が動かされます。もっとちゃんと生活しなきゃなーってなりました(笑)

翌日その靴を履いて出かけてみると、なぜだか不思議と気分が高揚します。あの子に磨いてもらった靴を履いている!!なんでしょう、例えるなら娘に磨いてもらった靴で出かけるお父さんの気持ちみたいな感じですかね。(娘いないですけど・・・)
ていうか娘が靴とか磨いてくれたらほんと泣いちゃいません?想像しただけでうるっときちゃいます。(娘いないですけど・・・)

④場所の選定

場所は靴磨き屋さんにとっては大切な要素ですよね。場所の利便性、場所代、店の技術力、コンセプト、ターゲット層、店の知名度などに応じて考えていくものかと思います。

やはり南青山骨董通りの地下が第一候補でしたが、まぁ無難にメインのターゲット層であるサラリーマンが多い新橋駅にしました。

本当は一番目につく新橋駅のSL広場でやりたかったですが、路上での靴磨きは現在新規では許可がおりないことが一般的です。かといっていきなり何か物件を借りてやるのはさすがにリスクが高すぎます。そこで、レンタルスペースを借りて行うことにしました。

駅近で丁度いいレンタルスペースがあったので、そこで開催することにしました。レンタルスペースで始めれば、開店頻度も調整できるし、固定費もかかりません。

最初は毎日お店を開くつもりもなかったので、開店ペースも調整できてぴったりだなと思いました。

⑤道具類の準備

ツイッターで知り合った方のアドバイスをもとにして各種道具を揃えていきました。馬毛ブラシ、豚毛ブラシ、ペネトレイトブラシ、クリーナー、乳化クリームなどの基本的なものを揃えました。

お客さんは靴を履いたままで、女性が地面に座って磨くので、きのこの小さい椅子も用意しました。

引用元:www.amazon.co.jp/dp/B000L427DI

全ての道具を揃えても、一万円程度でした。

⑥宣伝・広告

全く知名度がないので、まぁこれは地道にやっていくしかないですね。

○ホームページ作成

とりあえずホームページは作成してみました。流入を期待するというよりも、基本情報を載せるためです。WordPressで結構適当に作成しました。

○各種SNS(ツイッター、インスタ、Facebook、Youtubeなど)

ツイッターをメインにして各種SNSも始めました。ツイッターは最初の方の投稿が話題になり、少しフォロワーが増えました。

また、お客さんの来ない時間を活用したかったのと、色々実験したかったので試しにYoutube撮影も始めてみました。

Youtubeはかなり適当なのも含めて10本ほど投稿してチャンネル登録数が約170人、動画再生数は合計1万3〜4千回くらいでしょうか。

収益化ラインが登録1,000人、年間4,000時間再生なので、頑張って続けていけば収益化まではするのかなぁという気はしました。

靴磨きだけだと割と早めにネタがなくなってくるので、なかなか難しいですね。今後は機会があれば下記のような動画を撮ってみたいですね。

・ギャルに100万円の靴磨いてもらった。

・「実験」おっさんの頭に鏡面磨きはできるのか!?

・シューケア用品メーカー/靴メーカーの社長に突撃靴磨き!

 ※シューケア用品メーカー/靴メーカーの方、宣伝にぜひ。

・お笑い芸人が舞台で履く靴が汚れていたので磨いてみた。

 ※オール阪神巨人さん、ぜひ

○現地での看板・呼び込みなど

始めの頃はこちらが大事かなと思っていました。女性が新橋駅前でいわゆる人看板をしたら割とお客さん来るのではないかなと考えていました。実際に実験的に「靴磨きやってます」と札を掛けて立ってみると、めちゃくちゃ反応は得られました。ガールズバーの比じゃありません。

ただ、冷やかされることも多く女性の精神的負担が大きかったため、すぐにやめてしまいました。なので、効果の程は不明です。

以上が主な準備ステップでしょうか。

とりあえず試験的に営業を開始するまでにかかった費用は多分合計2、3万円だったかと思います。

何回か営業してみた

お客さんはぼちぼちですが来てくれました。多くはツイッターを見て来店してくれたようです。とてもありがたいことです。SNSオンリーの宣伝だけでもぼちぼち来て頂けるものなんだなと、素直にありがたかったです。

某雑誌の取材なんかも来ました。趣旨が違ったので掲載はされなかったのですが、大手雑誌の抱えている記者・ライターの情報感度の高さにはとても驚きました。

2020年4月あたりからは、コロナ禍となり積極的に営業する理由がなくなったので、営業を控えています。これからどーしようかなーという感じですね。

今後やってみたいこと

・居酒屋等への出張磨き

 ○○横丁みたいなとこに営業に行けたら盛り上がっていい感じなんじゃないかと。よくいる手品の人みたいなイメージですね。普段靴磨きをしない人に体験させられて、靴磨きの裾野を広げていけそうです。

 ※○○横丁とか居酒屋やってる人、ぜひご連絡下さい。

・夜の街(銀座など)への出張磨き

 クラブとかキャバクラで、ドレスアップして接客。靴磨きの台ではなく、膝の上に靴を乗せて磨くとか、刺さるんでは無いんでしょうか。ドリンクの代わりに靴磨きという新しい提案。
 余談ですが、靴磨きって営業ツールとして良いと思うんですよね。保険営業とかのフックになりますよね。

 ※夜の街系に詳しい人、ぜひご連絡下さい。

・靴磨き選手権を目指す(いつ再開されるんですかねー、そもそも靴磨き業界はコロナで無事なんでしょうか。)

他にも色々ありますが、まーおいおいという感じです。世の中が落ち着いたら、これからもゆるくやっていこうかな、どうしようかなという心境です。

こんな方がいたらぜひご連絡頂けると嬉しいです。

・屋外/屋内問わず、新橋や都内で靴磨きできそうな場所をご存知の方

・私はギャルで靴磨きに1ミリくらいは興味ある、という方

・みちょぱに似ていると言われたことのある方

・むしろ私みちょぱ本人なんだけどー、という方

・靴磨き屋/靴磨き動画のスポンサー(ほぼ投げ銭)してくれる方(個人や、シューケア用品メーカーや靴メーカーの方ぜひ)

・合コンで欠員が出て男性参加者を探している方

・すごいビジネスアイディアや夢を聞いてくれ、という方

以上、僕がギャルの靴磨き屋さんを始めた経緯や考えてたことを書いてみました。

みなさん、今後とも楽しくやっていきましょう!

以下は僕の自己紹介です。ぜひご興味ありましたら、みなさん目的もなくお茶でも行きましょう。

靴磨きに関係あってもなくても、様々な人の下らないサービスのアイディアとか聞きたいので、老若男女問わずインタビューさせてください。

最後に書いてるTwitterアカウントにお気軽にご連絡頂ければ幸いです。

自己紹介

・30代中盤、独身、善良な東京都民。専門知識はほぼ何もありません。基本雑で適当です。

・若干シャイです。今後の目標はたくさんの友達を作ることです(小学生)。

・めっちゃくちゃ安く50〜60点くらいのものを作るのが得意です。たまにはお金かけて90点くらいのものを作りたいものです。

ぜひお茶でもご飯でも行きましょう。インタビューさせて下さい。色々な人に話を聞いてみたいお年頃です。

これまでやってみたこと

・数年前、キャバクラとかの夜の求人業界を席巻しようと、ジョブセンス(現在のマッハバイト)をベンチマークして、完全成功報酬型で夜の求人サイトを作る

 結構良い感じのサイトは作ったが、色々と課題ありすぎてスタック。いつかはまたやりたいです。中抜きほぼ0の求人サイトにして、世の中のスカウトマンと、求人トラックをなくすことが夢。あそこにかける経費は全て女性に還元すべきじゃありませんか?

・ギャルの靴磨き屋さんを始めてみる。

・コロナでビデオ通話の出会いとかが流行るんじゃないかと思って、それ系のiOSアプリ作ってリリースしてみる。1年で1万ダウンロードくらいされたけど、めちゃくちゃ微妙な状況・・・。誰か買いません?それか一緒にやりません?笑

・女性カメラマンが撮影するサービスとかも始めたりしてみましたが、これもまた微妙。

ちなみに別で普通のTwitterも始めたので、もしよかったらフォローしてって下さい。

https://twitter.com/erakunai

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