いらいじゃ

ゲームライターの勝田哲也です。小説やコラムの発表の場としてこちらを使うことにしました。

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最近の記事

創作に求められること

愛人とパトロンが開いた惣菜屋さん 料理がおいしく、接客が丁寧で人気を得ていたが、 おととい正妻が来て 店をめちゃくちゃにして潰れてしまった。 この文字量で何という面白さ、リアリティ。 フィクションにさ、らしさとか、設定の甘さとか、本来はないんだよ。 「作り話」でこれに勝てるか、そう言う話なだけだと思う。 それはこの話より絶対共感得られない。 どんなフィクションもこの話よりは客が限られる。 面白さという意味でも、理解者は減る。 だからフィクションはそのとがった客に向かって、

    • 時々頭を襲う、「いつも考えてること」

      何に魂を燃やすか、もうそれがわからないまま生きている。 楽しいことはしてるし、趣味にお金を使ってる。 うまい飯も食ってる。 それは間違いなく生きる目的なんだけど、 どうも自暴自棄のまま、生きる"根幹"が組み立てられないでいる。 物語か、というのももう疲れてしまった。 才能があるから人に見てもらえる。 才能がない人は、人に振り向いてもらえない。 このあまりに冷徹な事実を前にして、 それでも努力を、という、エネルギーはすでに 10年以上前に枯れ果ててしまってい

      • 明日がある、ということ

        国への信頼感はどうして生まれるんだろう。日本に限って言えば、河川は整備され洪水の被害が数十年スパンで改善される。地震対策、主要幹線道路に整備と物流。生活品の多機能かと改善。未来は確実に良い世界になるという目に見えない人々の努力が確実に実行され、実現しているからだろう。 他国はやはり刹那的だ。外敵の少なく、発展には十分な土地があればこそ、「明日がある社会」を信じることができる。一方で仕事や人間関係、変な歴史や価値観がとぐろを巻きやすい。しかしそれとは別になんらかの生活改善は確

        • 劇場版99で改めて思ったこと

          「銀河鉄道999」はやはり“微妙”な映画だ。 まず展開が早い、早すぎる。 無駄が1つもなく、必要なシーンだけで構成されていて、 見るにはかなり補完をしていかなくてはならない。 漫画の“叙情性”、“ロマン”があってこその映画だ。 しかし、やはり素晴らしい。 松本漫画をバックボーンにして、 そこから膨らませたイメージ 原作があるからコソの短い出番でも生まれる説得力。 奔放な冒険と夢のイメージ。 これを極限まで使いつつ、 人の生活感や、目線、指先の演技、 ア

        創作に求められること

          食べにくいケンタッキー

          ケンタッキーフライドチキンの「食べにくさ」は、 実はアメリカの歴史なんだ、というのを、 映画「グリーンブック」を見て最近知った。 ちなみに、僕が一番好きな肉は鶏のもも肉で、 一番嫌いなのは鶏の胸肉だ。 この間に牛肉や豚肉、内臓が入る。 出されれば食うけど、自分で買いたいとは絶対思わない。 似てるけど決定的に違うからダメだ。 閑話休題。 ケンタッキーフライドチキンは、食べにくい。 手を油でベタベタにして、つまんだりしゃぶったりしないと、 肉が取れない。 そして部位が選べない

          食べにくいケンタッキー

          連邦の「自動化」MS思想

          連邦軍のMS観について考えたいと思う。 「MSの性能差が戦力の決定的な差ではない」 という中、なぜシャアがガンダムを仕留めきれなかったか? それはやはり、「ガンダムの性能」にある。 マシンガンでは貫けない装甲、 一撃で破壊するビームライフル、 そういうのもあるけど、 「基本動作はコンピュータがやってくれる」 というところに大きな秘密があるようにも思う。 過酷な訓練を経た後、MSで大艦隊の中戦うような、 ザクを手足のように扱うシャアに 操縦自体がまだ数回のアムロが戦えたのは

          連邦の「自動化」MS思想

          残り続ける文章

          勝田 哲也 22分前 · http://www.kiwi-us.com/~amigo/10000ms/think/actionzaku.htm このページは、90年代の文字だけページだが、 「アクトザク」について、熱く、熱く語っている。 どなたかも知らない、当時、偶然見つけた文章だ。 アクトザクって、文字だけ情報で、 「ジオンがマグネットコーティングを実験した機体」 という設定なんです。 ガンダムの反応速度を上げた改造で使われた マグネットコーティングね。 これは、設

          残り続ける文章

          カン・ユー大尉 を褒め称えよう

          アニメ「装甲騎兵ボトムズ」の、「クメン編」において、 ひときわその存在を光らせるキャラクターがいる。 それが彼、「カン・ユー大尉 」である。 彼は、内乱に荒れる「クメン王国」、 その最前線で戦う「傭兵団」のNo.2、事実上の実戦隊長である。 将軍であるゴン・ヌー将軍から全幅の信頼を受け、 主力であるAT(この世界のロボット)部隊を率いて、戦いを挑む。 劇中での彼の描写は、もう、完璧な悪役である。 新参の傭兵である主人公・キリコに強い疑いの目を向け、 妬み、無能な命令をキリ

          カン・ユー大尉 を褒め称えよう

          煉瓦館奇譚

          煉瓦館奇譚  大正二年、甲武鉄道で飯田町から新宿まで三十分、三等客室で十四銭、といったらその時代がわかってもらえるだろうか。  ともかく貧乏学生であった私の親から送られてきた仕送りの残金は、その電車賃と化けてしまったのであった。  四谷を過ぎた辺りから急に背の高い建物がなくなり、緑とたんぼが視界を占めるようになっていく。  まだ出発してからそんなに時間もたっていないのに、甲武鉄道の駅、新宿へと近づく景色は、私の郷里の面影さえ感じさせるものだった。 「初めてこっちにきたけど、

          煉瓦館奇譚

          作文「僕とバルキリーのおもちゃ」

          始まりというか、「ジャンプ」はここだったと思う。 【特別企画】アニメ文化と玩具文化の1つの到達点「YF-29 デュランダル」 https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/606827.html これをきっかけに「ゲーム誌なのにホビーを本気で」という仕事を やらせてもらうようになった。 なぜバルキリーなのか? 正直に言えば、マクロスはボトムズほどアニメとして好きじゃないし、 きちんとリアルタイムで見たのはマクロスプラスとΔくらい、

          作文「僕とバルキリーのおもちゃ」

          "理想の友達"の物語

          寝る気がないから書く。 ここ数年のベストオブアニメは、 「ハートキャッチプリキュア」だ。 50も近いオッサンの俺が、 これを言うと全ての人にドン引かれる。でも本気だ。 自分では絶対書かないけど、 僕の中には「素直な王道の物語」にあこがれがあるし、 それは理想だと思っている。 この「ハートキャッチプリキュア」は それをがんばって目指した事が感じられる。 実はこの物語の骨子は「中学生日記」だ。 俺は、中学生日記は大嫌いだ。 くだらないトラブルに思いっきり振り回される 大人

          "理想の友達"の物語

          トンカツ屋で健康を語る無粋さに耐えられない

          非常に独善的だが、僕は「食のマナー」にうるさい。 例えば「健康の話」はTPOを考えて欲しいと思う。 もちろん健康や、病気への恐れ、 というのはとても大事な話だと思うし、 多くの人が共感できる。 「自分はこれだけ健康に気を使ってる」 と言うことを自慢したい気持ちはわかる。 多分ソレは、長生きしたいような幸せだからなんだと思うし、 生きている希望に溢れているからかもしれないし、 仕事ができない人の「寝てないアピール」みたいに、 色々自慢したいんだろう。 まあ、俺も人のことは言

          トンカツ屋で健康を語る無粋さに耐えられない

          運営会社に休日を与える利用者

          あまり、「レディ プレイヤー ワン」と、 MMORPGを重ねる人がいない感じなので、 改めて書いておこう。 ネタバレだから、見てない人の責任は負わない。 この原作小説が書かれたのは2011年だから、 作者の中にウルティマオンラインから 始まるMMORPGブームや、 語り草としては充分楽しい「セカンドライフ」、 「PlayStation Home」とか、 一昔前の電脳世界、アバターでどこでも行って、 何でも買える、 体ごとコンピューター世界にダイブできる、 そういうインターフ

          運営会社に休日を与える利用者

          AIへの勝手な失望

          どうもコンピューターの先に 「人造人間」はいないっぽい、 というのが最近の感覚だ。 自動運転や自律型ロボットがそうなんだけど、 独立した反射と反応の集合体なんだよね、 中央プロセッサがなく、 センサーとモーターが直結してそれが役割を している感じ。 つまり、自分、自己、独立した個、 という方向を持たせる研究が行われていない。 AI研究がまさにそうなんだけど、 特化した何かの仕事をさせるための、 自動機械としての効率を求めるものなんだよね。 「便利な家電」という感じで、 目

          AIへの勝手な失望

          人とはわかり合えない

          Twitterを見ていて思うのは、 「世の中の人とわかり合えない」 ということだ。 現状、大阪や北海道の状況を見て、 「政府は何もしていない」って 言いきれる人達は、 対話したり、誤解を解こう、 という必要性を全く感じない。 オタクというマイノリティ側の人間が 偉そうなことは言えないが、 選挙という、「少数意見を封殺するシステム」は、 やはり必要だと思う。 アレな人達の意見は、やはりなかったことにしないと、 世の中は前に進まない。 しかし、マジョリティを笠に着て、 少数を

          人とはわかり合えない

          暗闇の誘惑

          江戸川乱歩の中でも、「陰獣」は僕の中で結構大きな意味を持つ。 脅迫を受ける若き富豪夫人、 主人公は彼女を助ける英雄気分に酔う。 それはやがて恐ろしい底なし沼に続く。 真実はどこにあるのか、 この恐怖はどこから来るのか、 私を闇に引き込んでいるのは、彼女なのか。 心地よく、甘く、そしておぞましい闇。 何というか、とても憧れるストーリーテリングで、 江戸川乱歩が僕の心に垂らした一滴の闇が じわり、じわりと心を蝕み、 暗くねじくれた闇の性癖が、 植え付け育てられたモノか、 それ

          暗闇の誘惑