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階段でゆく東京タワー

東京タワーは階段で上ることができる。
前からやってみたかったので、東京に行った機会にやってきた。


のぼり

やるぞと思ったらとんでもなく夏日だった。滞在スケジュール的にどうしようもないので上るしかない。体調管理と水分の準備だけはちゃんとした。
まずは通常通り展望台(メインデッキ)チケットを買う。1200円。普通はエレベーターで展望台まで移動するところ、そちらには行かず、フットタウン屋上の外階段入口へ向かう。ここから600段を上り、自分の足で展望台をめざすのが今回の道のりだ。
入口で係の方にチケットを見せ入場。塩飴、うちわ、記念品の「昇り階段認定証」をもらう。まだ挑む前なので、途中で倒れたら…?と不安になったがもらえるものはもらう。行程開始。

やることといえばシンプルで、ただ階段を上るだけだ。
夏の空に赤い鉄骨がよく映える。東京タワーのある風景はやっぱりかっこいい。気楽に写真を撮ったりしながら100段くらいはさくさく上がった。
外階段の周りはフェンスで囲まれているので落ちたりする心配はない。とはいえ吹きさらしの状態で、眼下の風景がよく見える。この日、地上ではほぼ無風だったが、この階段に立っているとゆるりと風が吹く。

あれ?怖いな?と思い始めたのが200段目あたり。当然だが、ビルにして数十階くらいの高さにいる。高所恐怖症ではないはずなのに、急にこの高さに焦りが出てきてしまって変な汗をかき始めた。どうして私はこんなところにと一瞬後悔したが、自分で始めたことなので自分でどうにかするしかない。手すりから手を放せず、通路の内側しか歩けず、情けない状態で400段ほどまで上がる。

遥か彼方に車や人が見えるので高さを感じてこわい

500段目くらいからは展望台の構造物が近づいてきて、ほぼ屋内のような感じになってくる。外の景色が見えなくなるので、吹きさらし感が消えて少し怖さがおさまった。救われた。

記念すべき600段目もすぐに見えた。無事到着。時間としてはそれこそ案内通りの15分ほどで上がっていて、想像よりも早いタイムだ。とはいえ汗はそれなりに吹き出ているし、暑さと達成感だと暑さの方が勝っている。展望台のベンチでしばし小休止。冷房のありがたさが身にしみる。

くだり

上った塔は下りなければいけない。当初はエレベーターで帰ろうと思っていたけれど、せっかくなのでくだりも階段を使うことにした。

くだりの方が楽で、のぼり以上に短く感じる。のぼりで急性高所恐怖症みたいになっていた区間の写真を撮った。やっぱり高い。でも今度はいい眺めだと思えた。さっきに比べて慣れたのかもしれない。

この日は夏日だったせいか外階段に全くお客さんがいなかった。当たり前すぎる。誰ともすれ違わずほぼ一人で階段を上り下りする夏の日。東京タワーの非日常的な風景も相まって、異世界のような、入ってはいけない世界に来てしまったような、そんな感覚に少しだけなる。

幸いにも最後の最後で夏休みのお父さんと子供たちのグループとすれ違い、こちらの世界に帰ってくることができた。見下ろしていたビル群が見慣れた感じの高さに戻ってきている。地面が近づくとやっぱり落ち着く。

棒を回す懐かしいタイプの「お出口」

感想

  • 夏にやることではない。

  • 水分必須。タオルなんかもあった方がいいかも。

  • ちょっとした達成感は味わえる。

  • 階段からの景色は一見の価値あると思う。高い所が苦手でなければぜひ。

  • 行きはエレベーター、帰りは階段のルートが楽でよさそう。

  • 全てをやり遂げた後のマリオンクレープは最高。

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