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最近の記事

メイケイエールのこと

競走馬・メイケイエール号が先日引退した。 熱心なファンとはいえなかったが、好きな馬だった。 競馬自体初心者であるものの、リアルタイムの雰囲気をとどめておきたくて個人的な思い入れをつらつら記してみる。 出会いはチューリップ賞の動画だったと思う。素人目にも「なんだか暴走している子がいる」というのがわかる。馬を抑えようとしてジェットスキーのような体勢になっている鞍上は武豊ジョッキーで、要するにすごく上手な人が乗っているはずなのだが、とんでもないレース運びになってしまっている。しか

    • わたしの積読本

      ひと様の記事で積ん読本を晒すものを読んだ。面白かった。便乗して自分の積読も記事にしてみようと思う。早く読めという自戒を込めて。 『暁の宇品』広島の宇品港にあった陸軍船舶司令部の話。チョイスの渋さ。絶対に読みごたえがあるのはわかっていつつ積んでいる。 『馬を結う』馬のたてがみや尻尾の結い方の本。基本的には人間のヘアアレンジと同じやり方。自分の髪の三つ編みすらあやしい私には少し難しい。 『キャロル』映画が良すぎて原作を買った。なにか勿体なくて学生時代から積んでいる。 『教

      • 伊勢湾フェリーの窓から

        なんにも用事がないので伊勢神宮に行った休日があった。何度も来ているので物珍しさはない。お参りの後、なんにも用事がない故になんにもすることがないので五十鈴川をぼんやり眺めていたら、ふとこの水の流れる先に行ってみたいと思った。海へ行こう。 とりあえず鳥羽や賢島方面のバスに乗った。とはいえどこで降りるかは決めていない。海辺に行けたらいいと思っていて、電車で名古屋方面に帰れるところならと思っていたが、それならいっそ伊勢湾フェリーに乗ってみるのもいいかもしれないというアイデアが浮かん

        • レインボーブリッジを歩いて渡る

          レインボーブリッジの遊歩道をだらだら歩くのが好きで、気が向くと渡りに行く。そんな気分になったので久しぶりに行ってみた。 歩道は1.7kmの道のり。二層構造になっている橋桁の下の層に道がある。南北のルートが選べるので、まず東京湾側のサウスルートを歩いて芝浦から台場へ行き、陸側のノースルートで引き返してくることにした。 サウスルート(芝浦→台場)芝浦側の入口から入って、エレベーターで橋桁まで上がる。海面からの高さが52mというので、この時点でかなり垂直移動をしている。歩道に入

        メイケイエールのこと

          韓国の袋麺

          やる気がないので袋麺ばかり食べている。人生そういう時もある。せっかくなので、食べたことのない韓国の袋麺をいくつか買ってみた。 カムジャ麺 麺にじゃがいものデンプンが入っているカムジャ麺。普通のインスタント麺に比べてつるつるもちもちした食感で新鮮だった。スープもさっぱりしていながら旨味があって美味しい。ちょっとだけ辛くて、唐辛子よりは胡椒系のシャープな辛味がする。 チャパゲティ韓国風のジャージャン麺を元にした袋麺。日本にはない感じの食べ物。おせんべいを焦がしたような独特の香

          韓国の袋麺

          ウエストのケーキ

          あまり食に頓着しない方で、おいしかったものをすぐ忘れる。「おいしい」も記録してみる。 カメラロールの中にウエストのケーキの写真があった。 銀座にある洋菓子店・銀座ウエスト。西銀座にあるからウエストという。 なにを食べてもおいしいすごいお店だ。ケーキも焼菓子も喫茶メニューも全部いい。 きっかけはネットで見たケーキの画像だったと思う。単純においしそうだなと思い、出かけのついでに買ってきた。 王道かつ上品な味。種類も豊富で、季節の限定品もある。こういうのに弱いのですっかりお気に

          ウエストのケーキ

          人生で一番古い記憶

          畳の上に置かれたパンパースのパッケージを見ている。 私は畳の床に寝かされている。手足を動かしてみるけれど自力で起き上がれない。たぶん乳児なのだと思う。仰向けになって首だけ横を向いていて、視線の先にパンパースの袋がひとつ置いてある。パッケージの色は青か緑。CMみたいにこちらが正面で、真ん中に囲まれた白人の赤ちゃんの写真。当時印刷されていたその子も私と似たような体勢を取っていて、「おんなじだ」と思っている。映像でいったら1カットくらいの数秒の記憶。 今はもう自分の記憶として引

          人生で一番古い記憶

          階段でゆく東京タワー

          東京タワーは階段で上ることができる。 前からやってみたかったので、東京に行った機会にやってきた。 のぼりやるぞと思ったらとんでもなく夏日だった。滞在スケジュール的にどうしようもないので上るしかない。体調管理と水分の準備だけはちゃんとした。 まずは通常通り展望台(メインデッキ)チケットを買う。1200円。普通はエレベーターで展望台まで移動するところ、そちらには行かず、フットタウン屋上の外階段入口へ向かう。ここから600段を上り、自分の足で展望台をめざすのが今回の道のりだ。 入

          階段でゆく東京タワー

          春日井駅から春日井駅に乗り換える

          「足柄駅乗り換え」というものがある。 冗談で作られた下のネタ画像を実際に歩いてみる試みのことをいう。同じ名前ながら所在地が異なるJR足柄駅と小田急足柄駅、その間、距離は約25km。道中には足柄峠が控えるハードな道のりだ。 歩いてみた例 同名なのに所在地が異なる、似たような駅が近所にもある。愛知県春日井市にあるJR春日井駅と名鉄春日井駅だ。両者の距離は約5km。足柄駅より楽そうなので歩いて乗り換えてみた。 出発 JR春日井駅 名古屋駅から中央線で郊外へ20分。そんな位置

          春日井駅から春日井駅に乗り換える

          60年前の映画のロケ地へ 今ひとたびの『秋津温泉』

          『秋津温泉』という映画がある。1962年の映画だ。 あるとき名画座でかかっていてチケットを買った。いい映画みたなと思った。昭和のメロドラマ。悲しい結末。明るい話ではないし魅力を聞かれると答えるのが難しいけれど、なぜかずっと忘れられないでいる。それが数年前の話だった。 映画の舞台は山奥の温泉地。岡山県にある「奥津温泉」がモデルとなっており、撮影もこの土地で行われている。60年前のフィルムの風景はどのくらい残っているのだろう。2022年だった去年、実際に行って確かめてみた。 (

          60年前の映画のロケ地へ 今ひとたびの『秋津温泉』

          普通列車に7時間揺られる 飯田線544M乗車記

          乗り物に揺られるのが好きだ。 車、鉄道、飛行機、船、なんでもいい。移動しながらぼんやり車窓を眺めているともやもやしたものが晴れて頭がスッキリする。サウナ好きな人が「ととのう」と言う、あの感覚に近いのかもしれない。こんなご時世でしばらく遠出はしていなかったけれど、気分転換に鉄道に乗ってみることにした。どうせなら長いやつがいい。日本最長の乗車時間を誇る列車に揺られるため長野へ向かった。 (※2022.08執筆、2023.08再投稿) 列車について 今回乗るのは長野・静岡・愛

          普通列車に7時間揺られる 飯田線544M乗車記

          中銀カプセルタワービル滞在記

          保存再生プロジェクトによるマンスリーカプセルを利用しました。東京・銀座で築48年の風呂なしワンルームにひと月暮らした記録です。 (※2020.03執筆、2023.08再投稿) 1. 中銀カプセルタワービルとは銀座の8丁目、もうほとんど新橋や汐留に近い一角、そこにドラム式洗濯機を縦に積んだような変わった形のビルがある。 中銀カプセルタワービル。いくつものキューブ状の部屋=カプセルによって成り立つこのビルは、1972年以来おもに集合住宅として使用されてきた。建築家・黒川紀章の

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