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Oculus Quest 2で何する?

10月15日、発売日から2日遅れて、Oculus公式ストアで購入したOculus Quest 2が到着しました。結果的に家電量販店のほうが納品が早かったというパターン。まあ13日に来ても仕事でバタバタしているタイミングだったからすぐ触れなかったかもしれないし、むしろよかったね。うん…。

箱を開けてみて

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さて、開けるとこんな感じで箱に収まっている。事前にOculusアプリのアップデート、およびFacebookアカウントとの統合を済ませておいたのでセットアップはスムーズで、同じWi-FiのAPに接続したら5桁のペアリングコードの手入力すら必要なく完了してしまった。Quest 2は一事が万事こんな具合で、きびきびと動くようストレスなく設計されていて、幾層の世代を経たデバイスとしての洗練を感じます。

無論、これはFacebookアカウントの件で問題がなかった場合の話で、今回あちこちで話題になっているように、正しい手順でFacebookアカウントを作成したにも関わらず誤BANによって正常にQuest 2が使用できないケースが相次いでいるそう。現在はサポートへの申し立てによって1、2日でアカウントが復活したという報告も複数あり、慌てず騒がず正規の手順を踏もう。わたしはアカウント関連では特に問題なかったです。

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まずQuest 2、小さい。左のOculus Goと比べてもさらに小さいのだから驚く。幅が狭くなっているからそのぶんメガネも多少入りにくくはなっていて、自分のフロント120mm(51□18)でギリ入るくらいのサイズ感。と言っても別に長時間の装着で痛くなったりとかはないです。単にスポンジだし、お手持ちのメガネと合わなくてもここの接顔パーツは取り外しできる簡易な構造だから、オプションパーツや工作しだいでどうにでもできる。

3段階調整になったIPD(瞳孔間距離)は、わたしは事前の計測から「3」にして使っています。ただこれはそんなに厳密なものではないらしく、1でも2でも装着してみたところあんまり違いが分からなかった。

標準ストラップはGoとほぼ同じ構造のゴムバンドなんだけど、これはけっこう上部のベルクロのアジャストが大事で、ここが弱いとずり下がって接顔部の下の方が痛くなってしまうからきつめにしておいて、逆に横方向の締め付けを弱めにしておくのが楽かもしれない。

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それにしても…映像がきれいすぎる! 発色がよく解像感があり、それでいて眩しすぎないので、わたしのようにすべての発光デバイスの輝度を最弱にして使っている眼球よわよわ人間にもやさしい。PSVRやOculus Goでお馴染みだった「網戸の向こうの画面を見ている感じ」のいわゆるスクリーンドアも全然ない。疲れないから、気がついたら1時間くらい経ってる。

映像に関してこれ以上何がほしいかと言われると、あとはもう視野角ですね。こればかりはまだ筒を覗いているような感覚は否めず、視野いっぱいにチョー美しい映像が映るようになったときがまたひとつVR HMDのブレイクスルーになるんじゃないかなと思います。

単体での楽しみかた

処理が高速になったことで、Oculus Goのときに感じていたUIのもたつき感がなくなり、ゲームの起動もWebブラウズも快適にできる。びっくりするのは試験的に実装されているハンドトラッキング(設定で有効にする必要あり)で、実際かなりの精度でリアルタイムに両手の指の状態を読み取ってくれる。まだ有効な場面は少ないけれど、これはめちゃくちゃ夢がある。

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ゲームで最初に買ったのはRez Infinite。魂のゲーム! 自分にとっては、ただ単体でVRのRezが遊べるというだけでQuest 2を買う理由になるくらいの価値がある。こんな日が来るってことをRezの初期トレイラーをTGSで見てめちゃくちゃアガっていた20年くらい前の自分に教えてあげたいよ。

Quest版に合わせていろいろチューニングしているんだと思うんだけど、体感のゲームプレイはPSVRとそんなに変わっていなくて、とにかくケーブルがないことの快適さがすごい。今のところQuestの機能で動画をキャプチャーすると映像と音がズレて記録されるという現象があり、体験を動画でシェアできないのが心残り。加えて、バイブレーションがゲームのキックと同期してなかったり、細々問題はあるようなのでバグフィックス待ってます。

あとはまだそんなにストアのゲームは買っていなくて、とりあえずプリインストールされているチュートリアルアプリのFirst Steps(はじめてのQuest 2)の、おもちゃでのお遊びやロボットくんとの手を繋いでのダンスが楽しくてね…。童心にかえってしまうよね。

ほかにも、アプリに限らずブラウザでWebVR的なものを探せば楽しいコンテンツはいろいろあって、例えばこのVRoid Hubで試験的に実装されたVRモードでは、アプリで作ったキャラと同じ次元に自分が入っていって鑑賞するみたいなことが普通にできてしまう。未来!

PCと接続してみる(有線と無線)

Quest 2が来たら試してみたかったこととして、PCのVRゲームをQuestでプレイしてみたいというのがあって、結論から言って拍子抜けするくらい楽に実現できました。導入したその日のうちに有線も無線も試して、どっちもうまくいった。

参考までに、PCは去年10万円の予算で組んだマシン(Ryzenで初めての自作PC|R-9|note)、グラボは今年買い替えた3万円未満のGTX 1660 Super、USBケーブルはAnkerのUSB3.0のC-Aの3mのやつ、PCと11ac対応(Wi-Fi 5)のルーターを有線で繋いで、5GHz帯のAPにQuest 2を繋いでます。

まず思うのは、Quest 2をPCを繋ぐと、できるようになることの幅と体験の質が格段に広がるということ。Quest 2のストアってだいぶ充実してきたとはいえ、まだまだタイトルが少なくて、ひとしきり見たらこんなもんかと思ってしまうんだけど、PCと繋ぐと「こんなこともできるの!?」の連続で、主体的にコンテンツを探そうとなったらいくら時間があっても足りない。

一方で、接続までに必要な情報収集のハードルや、ソフト側の対応状況のばらつきを見ると、誰にでも薦められるというわけでもなく…具体的には提供されたサービスに対する「お客様」の気分でいると、不便さや理不尽さに我慢ならなくなると思います。情報集めの手間すら楽しみつつ、リミッターのかかっていない体験を求めてしまう気質の人には無条件でお薦めできる。

PCとの接続方法でメジャーなものには2つあって、ひとつは公式がサポートしているOculus LinkによるUSB有線接続、もうひとつがサードパーティーアプリのVirtual Desktopを使う無線接続。いずれも、下記のトナさんのブログで詳細に紹介されており、わたしもこの手順でスムースに導入できました。特にVDは手順が複雑なため、めちゃくちゃ助かりました。

どっちも一長一短で、片方で動くアプリがもう片方で動かないとかもザラにある。例えばOculus Rift用MediumはOculus Linkでしか起動しなかったし、Virtual DesktopでもVDのゲームタブから起動するかSteamから起動するかによっても挙動が違ったりする。

で、今のところどっちの接続方法を多用しているかというと、圧倒的にVirtual Desktopです。初期状態でOculus Linkよりも画質がきれいで、リフレッシュレート72Hzでぬるぬる動き、遅延も体感できるレベルではほとんど感じず(うちの環境でデスクトップ時20ms前後)、なにより完全ワイヤレスというのが意味わかんないくらいすごい。いまのハードウェアと技術でもうそんなことまで可能だったの、と思う。

最初に衝撃を受けるのはGoogle Earthで、設定のAllow Human Scaleをオンにすると、実際にその高さで空を飛んでいるとしか言えない感覚になる。ぐるぐる見渡すときにケーブルから解放されているのはストレスフリーだし、太陽を移動させると3Dモデルに落ちる影も変わってくるから、行ったことあるところとか行ってみたいところを眺めていると、なんというか、無限に遊べてしまう。今いる場所が世界中のどことも地続きであることは地球儀で見て知っていて、Googleマップができてからはもっと身近に感じていたけれど、「体に感じる感覚」として真に実感したのは生まれて初めてだ。

次に、上にも動画を貼った無料ゲームのAirCar。PSVRのエースコンバット7のVRモードで感じた浮遊感を、サイバーパンクシティを舞台にもっと身近な感覚として体験できるフライト(ドライブ?)シミュレーターで、酔いやすいという話もあったけど、わたしは平気だった。楽しい。

「PSVRを眠らせている人」にどう魅力を伝えるか

というふうにして、届いて数日にしてQuest 2、完全に元を取っています。しかもまだVRChatとかコミュニケーション系を全然試していないし、ストア系のアプリもほとんど手をつけていないので楽しみの伸びしろがありすぎる。Steam VRの探索にも出かけたいし、Oculus LinkのMediumでVR造形したいし、モデリングできるようになったらもっと楽しいかも。Quest 2の普及が進むにつれて、可能性は加速度的に増えていきそう。

他方、Facebookが今テレビCMなどで積極的にアピールしているようにQuest 2を「ゲーム機」として見たときに、例えば累計500万台を売ったと言われるPSVRを既に所有していて、しかもそれがすっかり埃をかぶってしまっている層にとって、どの程度魅力的に映るのかというのは、ちょっと疑問に思うところもあります。買ってもすぐ飽きちゃいそうだしとか思われてしまうともったいない。もちろんPCと繋ぐともっとおもしろいんだけど、そうでなくても単体のVR HMDとして革新的な魅力があって、それは具体的にどういうもので、というのをどんどん情報発信していくのがいいのかも。

ともあれ、自分にとっては相当遊びがいのあるおもちゃが来たので、これから暇を見つけてあれこれ試してみたいと思います。何からしようかな。

Oculus Quest 2: シリーズ最先端のオールインワンVRヘッドセット | Oculus
https://www.oculus.com/quest-2/

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