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きみはうまぴょいできたか

スマホアプリゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」を始めて2週間、まんまとハマっています。というか普通に楽しんでいる。スマホゲームでいうともうFGOすら1年以上ご無沙汰だし、育成ゲームもアイドルゲームも、まして競馬そのものにも全然興味がなかった自分が楽しんでいるのだから、これはもう作品が良くできているのだ。実際に遊んでみて感じたことをメモしておきたいと思います。

「ウマ娘 プリティーダービー」は、実在するJRAの競走馬をモチーフにした人間でも馬でもない「ウマ娘」を育成するゲーム。プレイヤーは各ウマ娘を担当する専属のトレーナーとなって、二人三脚の3年間を過ごしてストーリークリアを目指す。個性豊かなウマ娘たちは、それぞれの心のうちに葛藤や課題を抱えていて、レースでの勝利を通じて成長していくわけです。

にしても"ウマ娘"ですよ。武将から戦艦から、あらゆるものが擬人化美少女化してゆくなかで、またそういうのが増えるのね、くらいの距離感で初めは見ていました。Twitterで流行っているな~というのは知っていたけど、元ネタの競馬を良く知らないわけだし、インストールしてみようとは思わなかった。興味を持ったのは、にじさんじの月ノ美兎委員長の実況からです。

レース場面、続く「ウイニングライブ」の初見リアクションがまさに委員長と同じで「え~~!? なんだこれは…!?」みたいな感じ。見た目は完全に二次元の美少女キャラのかけっこなんだけど、引いて見るとシルエットが競馬の実況中継のイメージそのもので、何を見せられているんだという気分になった。そのうえ、レースに勝ったらアイドルみたいなステージがあるんでしょう。この奇妙な世界観は一体何なんだというフックがまず強かった。

スポーツ育成ゲーム×恋愛SLG×ソシャゲ

今作は委員長が実況のなかで言っていたとおり、なんだかいろんな要素の「いいとこ取り」のようなイメージで、実際ゲームを始めてみるとその印象はさらに強くなった。育成パートはまるきりパワプロのサクセスモードのようだし、分からないけど、そのほかにもダビスタとかときメモとか、いろんな育成ゲームの要素が混ざっているんじゃないかなと思います(私はそのどれも通ってきていないのであくまでふんわりしたイメージだけ)。

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ちなみに、スマートフォン版のほかにDMM GAMESのプレイヤー上で動くPC版もあり、アカウントを連携すれば共通のセーブデータで遊べる。縦回転するディスプレイの出番が初めて来た! と思ったけれど、そこはやはりスマホのタップに特化したUIなため、キーボードで代替できないクリック操作がそれなりに煩わしく、今は結局スマホで遊んでいます。

でまあ、ゲームもそうなんだけどこれ、育成パートのシナリオがよくできている。どのキャラクター(ウマ娘)を選んでも、専属トレーナーたる主人公との関係性のなかで強さを獲得していくスポ根もののドラマがあり、他のウマ娘とのライバル関係や葛藤や挫折、思いがけない展開が待っているのだ。しかもその関係性に由来するドラマの多くが、同じ馬名の競走馬の史実をモデルにしたものなんだって。やはりVTuberで、競馬に詳しい天開司さんによる下記のプレゼン動画が分かりやすく、ますます興味が湧いた。

キャラの外見的な特徴や性格が、モデルとなった馬をある程度踏襲しているのまではわかるけれど、例えば競馬をなにも知らない自分が育成ストーリーを最後までやったあとに、Wikipediaでその元ネタの競走馬の項目を読むと「ゲームと同じじゃん!」となる(なった)。出走したレースやライバル馬との因縁のドラマが、まんまなのですね。

夢破れて散っていく無数のウマ娘たち

そんなふうにして、どのウマ娘にも強度のあるドラマが待っているわけなんだけど、悩ましいのは、この育成というのが予想以上に難しいこと! 育成パートにおけるウマ娘の強さは、世代を超えて受け継がれる「因子」と6枚の「サポートカード」の助けを得て、5種類のパラメータとレース中にランダムで発動するスキルに由来する。そのため、強い因子も継承できずサポートも揃っていないゲーム初期段階では、どのウマ娘を選んでもなかなか一回で育成クリアというわけにはいかないのです。

で、育成クリアまでたどり着けないというのはどういうことかというと、つまりはグッドエンディングが見れないということ。前述ようなドラマを背負ったウマ娘たちが、それぞれメインヒロインのようにして果敢に健気に困難に立ち向かっていって、それでもそこでレースで1位(あるいは途中のいくつかの目標)を獲ることが出来なければ、お話が終わってしまう。1位以外はバッドエンド。競争の厳しさ…。

グッドエンドで完走するためには、それこそループもの主人公のようにして、同じシナリオに何度も何度もチャレンジしなければならない。そのあたりの歯ごたえがまた、支持されているところなのだと思います。

シナリオのボリュームはちゃんと読み進めると1周あたりたっぷり2~3時間はある。既読スキップすれば次の周回以降は20~30分といったところだけど、サポートカード由来のランダム発生イベントが多彩なので、少なくとも初めのうちは毎回新鮮な楽しみがあります。

わたしの推しウマ娘は「エアグルーヴ」。自分は今まで作品にハマるときはお話とかコンテンツ自体のファンになることが多く、推しという概念がいまひとつよく分からなかったのですが、好きになったキャラを振り返るとニンジャスレイヤーのユンコ、FGOのセイバーオルタ、アリスギアの怜ちゃんと確実になんか傾向がありますね。エゴが強く高圧的でツンツンしているけど、根は優しくて実はそれなりにコミュニケーションに悩みをかかえているみたいな造形に弱いらしい。

栄光の果ての「うまぴょい」

でね、育成のゴールというのはゲームオリジナルのURAファイナルズというレースの決勝で1位を獲ることなんだけど、見事それを達成すると観ることができるウイニングライブの楽曲が「うまぴょい伝説」なのだ!

なにしろ「うまぴょい! うまぴょい!」ですよ。一見、往年の電波ソングかと面食らうんだけど、その実とってもストレートなアイドルソングで、これを苦楽を共にしてきた推しのウマ娘の子がセンターで歌って踊っているのを見ると、それはもう胸がいっぱいになってしまうのは仕方ないよね。この曲、めちゃめちゃ大好きになっちゃった。

かくいうわたしも、エアグルーヴと「うまぴょい」するのにゲームを始めてから一週間かかりました。履歴には苦難の歴史が残っている…。

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育成のコツもあまり積極的に調べたりはしていません。育成ゲームにおいて確立されたメソッドや効率に頼ってしまうと、それはもうゲームプレイが確認作業になってしまうので…。実際のところ、レースでは位置取りやスキルの発動において運の要素も大きく絡んでくることもあって、同じ方法で育てていても違う結果になることは大いにあり得ます。

しかし、そういった試行錯誤を乗り越えての初めての「うまぴょい」こそ、このゲームの醍醐味なのだ。今のところ、ガチャにつぎ込むみたいな入れ込みかたは全然していないけど、普通に競馬にも興味出てきたし、アニメシリーズも見てみたいという気になっています。売れているものには理由がある。こんな作品、よく作ったよね。

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なお、本記事に掲載したスクリーンショットは記事のための引用で、公式の配信ガイドラインに基づくものです。

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