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教習所日記(5) 第2段階の後半

前回:教習所日記(4) 初めての路上|R-9|note

入校から6週間。現在の進捗としては、第2段階の学科16時限のうち15時限、技能19時限のうち12時限まで進んだところで、いよいよラストスパートと言えるところまでは来たと思います。というかこのまま順調なら、予定ではあと3日通うと卒業検定を受けられるようなので、次にこの日記を書くときは卒業したあとかもしれません。

初めに書いた通り、学科も技能も、教習の合計時間としては第2段階のほうが長いのですが、体感としては第1段階、すなわち仮免前までのほうが7割くらいの分量に感じた。それだけ覚えなきゃいけないことが多かったということ。第2段階は言ってしまえば訓練で、ひたすら慣れるプロセスなのだなという印象です。最近は日々少しずつ運転のことが分かってきて、楽しくなってきている。

第2段階の学科

第2段階の学科教習をある程度進めると、予備試験というテストがある。これは教習所における学科の最終関門である卒検前効果測定の予行演習みたいなもので、全100問中90点以上でクリア。ここまではどうにか終えました。

出題の範囲は、第1段階で出た問題に加えて、第2段階で習う「駐停車」「積載」「高速」「二輪」の問題が主で、これらは明確にテスト頻出ポイントが決まっているので、そこさえ暗記していけばなんとかなる。そんなには多くない。ちなみに免許センターでの学科問題には都道府県ごとに傾向があるそうで、敢えて書かないけれどどこの県は簡単だとか、どこの県は二輪の出題が多い、などの違いがあるんだって。

テストに関係しない学科教習としては、タイヤ教習などがありました。これは実車でなく模型で、ジャッキをどう使いホイールのどこのナットをゆるめてタイヤを外すか、みたいなことを教官が実演してくれる。そのほかメンテナンスの話であったり、費用や保険制度の話であったりというような実践的な話題はみんな興味深い。入校前と違って、車に興味出てきているからね。

また、応急救護処置の教習はみっちり3時間あり、胸骨圧迫(いわゆる心臓マッサージ)、人工呼吸、AEDの手順について人形を使って教わりました。これは前から、いざというときのために一度きちんと知っておきたいと思っていたので、よい機会。といってもこのご時世なので、人工呼吸の実技パートはカットして、そのほかの実技もその都度アルコール消毒に気を配りながら進める形になっており、いやあ、今どきの教習所は大変。

路上停車

技能は、7回目までが路上の基本走行になり、8回目が路上停車の教習でした。走行中に教官の指示があったタイミングで、近くで停車可能な場所を見つけて所定の手順で停車するまでの練習で、まんまこれと同じ課題が卒検で出されるとのこと。

そんなの簡単…かと思いきや、どこで停車指示が出るかは分からないので、標識標示で停車OKなところ、路側帯の幅の判断、交差点の5m以内・バス停の半径10m以内などを避けて咄嗟に停車できるところを探さないといけないから、それなりに緊張感がある。また教習コースがうまくできているから、バス停がぱっと見気づきにくいコミュニティバスの小さい停留所だったり、歩道の駐車禁止標示が絶妙にかすれて判断に迷ったり、みたいなポイントを押さえているんだ。

これ試験にもよく出るんだけど、歩道に乗り上げるのはもちろん違反だし、家の駐車場から3m以内は自分の家でもダメなんだって。そう考えると、交通ルールは現実にはかなりの部分がグレーゾーンで回っているんだなと思う。

方向変換・縦列駐車

技能の9・10回目は久しぶりに路上には出ず、所内コースで方向変換縦列駐車。方向変換は要するに途中までは車庫入れと同じで、右バックと左バックで縦の駐車スペースに後ろ向きに入れて、逆方向へ前進して出ていくという練習です。縦列駐車は縦列駐車。よく初心者には難しいと話には聞いていたから、このあたりまでくると教習もいよいよ佳境だなと。

バック、確かに最初は難しい。後ろの窓のどのへんから何が見えたらハンドルをどっちにどれくらい切る、みたいな手順を最初にワーッと教わるので、方向変換と縦列駐車でごっちゃになり、何度も間違える。なんだけど、繰り返しているとちゃんとできるようになりました。最初の入りのところだけ慌てなければ、そして手順を忘れなければ、卒検は機械的にこなせるような気がします。終わってからすぐメモに書き起こして、YouTubeでよその教習所の教習動画を見てイメトレしている。

教習所内では、立体障害物として当たっても平気なポールが立っているから分かりやすいんだけど、実際にはこんなのないですよね…というのを教官に訊いたら、教習ではあくまで車を入れる「感覚」を体感して覚えてもらうのを優先しているんだって。つまり、ぶっつけ本番で感覚を養うのは難しいけれど、機械的に手順を覚えれば感覚は後追いで身についてくるということらしい。なるほど、確かにそうかもしれない。

自主経路・特別項目

技能の11回目は自主経路というやつで、自主的に目的地までの経路を設計して自走する練習。今どきナビ使えばいいじゃんということなんだけど、ナビはしばしば初心者に向かない道を提案してくるから、地図を見て例えば歩行者の多い駅前だとか、混雑しがちな優先道路への難しい右折などを避け、よりリスクの少ないルートを選択することも大事であるとのことで。

この教習からは複数教習で、教習生2人が順番にハンドルを握るかたち。まず運転席に座ると紙の地図を渡されて、地図の何番まで行ってくださいと指示されるから、そこまでに何個めの信号を左折して何個めの信号を右折して、その先200mで停車、みたいなことを記憶しなければならない。そして発車したら到着するまで、信号待ちなどでは地図は見せてもらえない。ウワーッ、記憶力に自信がない!

それでもまあ、これ自体は試験でも何でもないから、実際には教官が助け船を出してくれる。地図上で見るのとは印象が違う交差点で迷ったりというのはあるあるで、それでもどうにかうまく走れた。経路通りに走れるかってよりも、同乗者もいるプレッシャーのなかで慌てずに路上を普通に運転できるかという点を見られているのかもしれない。というのも、もう一人の教習生の子は緊張して道を間違えてしまい、路地に入ったら入ったで、あろうことかおじいさんが道路の真ん中で立ち往生しており、そうこうしている間に時間が来て…といった具合で、さすがにかわいそうでした。

続く12回目は特別項目。地域の特性に合わせた走行技術を身に着けることを目的とするものだそうで、うちの地域の場合は狭い住宅街や急なカーブの続く坂道の走りかたを教わりました。免許を取ったらすぐにでも必要になるテクニックが満載で、めちゃめちゃ参考になった。カーブミラーの見かた、電柱などがある狭い道で対向車とすれ違うタイミング、一台分しか通れない隧道をヘッドライトを点灯して要領よく抜ける方法、などなど。

おかげで、自分でドライブするイメージがかなりできてきた。いけそうです。運転、理解わかってまいりました。

こうしてみると順調に進んでいるみたいだけど、既に書いたように第1段階の技能ではそれなりにつまづきもしたし、教習の予約がある朝は気分が乗らないこともあった。そんな教習所通いもあと少しと思うと、ちょっとだけ寂しさも湧いてくるものです。


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