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第1章 浅草 朝から夜中まで(6)

花屋敷 一時

 正午の空の燃ゆる円盤だ。花屋敷の瀧の飛沫が、チカ、チカと光っている。
 喜劇を見たり、山雀の芸当を見たり、木馬に乗って見たり、人形なんかに目もくれない。誰でも、五十銭の入場料たっぷり、遊んで行こうというのだ。
 だが、まだようやくお午少し廻ったばかりです。
 では、今度は活動写真を覗きましょうか。
 かわうそにひッかかれないように気をお付けなさい。

底本

浅草底流記 - 国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1916565/22
コマ番号 22~22