【645回】スタバで注文する(ドライブスルー)
「キャラメルフラペチーノ、トール、アーモンドミルクで、チョコチップ」
何を注文するかあらかじめスマホで調べ置いて、向かったのはドライブするー併設のスタバ。
注文する場所まで車を移動させる。目の前には、電光掲示板に広がるメニューの世界。様々な飲み物の写真が提示されているが、一切見ない。見てもわからない。混乱する。
「ご注文をお伺いします」
さあ、注文だ。暗記した注文文句を、言うだけだ。
しかし、言葉がいざというときは出てこない。
むしろ、「本当にキャラメルフラペチーノはメニューの中にあるのか?」と電光掲示板に目を向けてしまう。でも、探せない。
「キャラメルフラペチーノありますか」
という質問から始める。
「ありますよ」
「キャラメルフラペチーノの…トールで…」
何もアレンジをしないなら、ここで終わるが、
「アーモンドミルクに変更できますか?」
言えた!
「できますよ」
店員、さすが、話が早い!
だが、次の言葉に、固まる。
「追加でなにかございますか」
おお…。
「なにか…えっと…」
「チョコチップを入れると※◯♨」
……
「それ、お願いします!」
そうなのだ。真実は、チョコチップは僕の希望ではなかった。最初から入れる予定はなかった。むしろ、店員が勧めてくれたので「ちょっと飲んでみたいかな」と心変わりした結果なのである。
注文のあとは、支払いと受取りだ。
スマホで決済し、受け取る。
キャラメルフラペチーノがトレイごと出てきたため、トレイもそのまま受け取るのか迷ってしまった。素人である。商品だけ取れば良い。
「ドライブスルー初めてだったので」とごまかす。スタバそのものも利用は5回目くらいだぞ。
店員は上手だな、笑顔で「そうだったんですね!またぜひご利用ください!」と見送ってくださった。
緊張したけれど、言葉でやりとりをして、飲んでみたかった商品を手にする。
これだけのプロセスなのに、嬉しさがある。
ストローを指す位置がわからず、誤って指をフラペチーノに突っ込んでしまったけどね。
またひとつ、できた。
人と関わることができた。