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About "Table Beats"(2/3)

EPISTOPHに所属するビートメーカー Phennel Koliander、Ballhead、dhrmaが牽引する京都発のビートイベント「Table Beats」からこの年末に嬉しいニュースが!

12月13日、Jazzy Sport Kyotoからのリリースで、ビートメーカーコレクティブである「Table Beats」によるコンピレーションCDを展開することが決定。活躍中の関西を代表するビートメーカーであるPhennel Koliander、Ballhead、dhrma、Dyelo think、RACK、JohnnyKuroki。 この6人が今回のコンピレーションの為に書き下ろした最新ビートを12曲一挙収録。

コンピリリースを記念して全3回にわたる記事をEPISTROPH noteで展開!第1回として今回は「Table Beats」とは何者かをインタビュー。その成り立ちや特殊性に触れていきました。

今回はTable Beatsの構成メンバーその一人ひとりにスポットライトを。インタビューに登場するのは、引き続き、Phennel Koliander(P)、Ballhead(B)、dhrma(Ⅾ)の3人。

前回の記事で「奇跡的なキャラバランスのチーム」とありましたが一人ひとりのことを聴いてもいいです?

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JohnnyKurokiに見る、”チャーハン職人感”

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B:彼はすごいレンジの狭い音楽をしていて、一極集中型の。それってめちゃくちゃしんどいと思うんだよね。同じことだけをやり続けるって。それでもやり続けて音のクオリティをどんどん上げていくのでリスペクトしてて。
P:Ballheadの言ってる通りで、「俺はこれしか作らへん」ってずっとチャーハン作ってる感じ。チャーハン作ってんねんけど、材料変えたり、具材の切り方変えたり、火の入れ方を変えたり、Table Beatsの時に「今月のやばかったチャーハン10個」を出してくるイメージ(笑)。Kuroki以外のメンバーは、いろんなテイスト作ろうとか、今までやっていないことやってみようといろんな作り方に手を出すけど、自分がかっこいいと思っているところのみをやっていこーっていう男らしさがある。それがビートにでてて、俺らはあんなんできん。
B/D:めっちゃわかりやすい。

B:人間性は音楽にでるっていうのを感じる。Kuroちゃんは癒し系のキャラで、彼の音楽を疲れてる時に聞いてもめっちゃ癒されるというか。
D:HIPHOPのビートって作るパーツでいうとすごく少ないんですよ。Kuroki君はその上で更に音の作り込みも究極に絞り込んだ音楽をやっている。ストイックにひとつのことをやるっていう事で生み出せるオリジナリティ。
B:やってる歴とか厚みがオリジナリティを作っているんだよなー。

ビートとトラックに二刀流のキレ、RACK

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B:今回のコンピではその成長に本当にびっくりした。
P:スタンスとしてはKurokiに似ているところもあんねんけど、もっと派手さがあって、ソウルフルなサンプルが多い。90年代のHIPHOPにがっつりやられたやつが、2020年にHIPHOPをやるとしたらこうでしょっていうのを提示してくれる、だからみんな大好き。
B:全部の曲に共通するのが”最後まで勢いがすごい”ってこと。楽しいって思って作ってるのが良くわかる。気持ちがいい感じ。
P:ビートメイクを長いことやってると複雑なアレンジやどう聴かれるかとかを考えちゃうけど、若さゆえの怖いもん知らずから生まれる「いっとけ」ってなれる勢いが何より羨ましい。まあ、見た目はおっさんやけど(笑)。RACKは、ラップもしてるから、「ラッパー目線でのビートメイク」という感性も感じるよな。
B:ラップする用に作ってるなっていうビートも感じる時もあって、聴いている人の心をくすぐってくる。譜割りとか。

P:俺らが良く言うのは、「ビート」と「トラック」ってちがうよねっていう話になんねんけど。ビートは、あくまでもInstrumentalとして完成された音楽なんやけど、トラックは歌とか人の声とかソロの演奏が入ってはじめて完成するみたいな。それでいうとRACKはビート7割、トラック3割。どっちもやってて、どっちもイケてるやつってやっぱり少ない。
D:同い年なんですけど、ラップも勢いがある。アグレッシブで、前に前に出ていく感じ。
P:まとめるとロールキャベツ系ビートメーカーやな(笑)。見た目は穏やかやねんけど、中身は勢いあるという意味で。

唯一無二のプログラミング、Dyelo think

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P:彼の場合は、一つ一つの音を緻密に組み立てながら作っている感じ。
B:
彼はオタク。だから、情報量が多いものを好むというか。マニアックさを感じる。雑味にならずたくさんの音を整頓してグルーブを作るのがうまい。土台から変えていくみたいな。インプット量が俺らの比じゃない。
P:良い意味で“誰の影響も感じられないビート”が多い。つまり、オリジナル。
D:ですね。あとエレクトロの手法でHIPHOPを作っている感じ。

B:毛色違うといえば違う。
P:そういう意味では、常に唯一無二感がすごい。
B:俺的にはテクニックをパクッてますね。こう組み立てたら、こう聞こえるんやっていう驚きがある。俺らのメンバーのなかでは一番HIPHOPに近くないけど、でも実は一番HIPHOPをインプットしてるんやろなという再構築の仕方をすごく感じる。
P:あと、そもそもの音の捉え方が独特なんやろうな。
B:昔に“Dyelo Kitchen”っていうEP出していたあたりからチェックしてて、超好きで。水っぽいHIPHOPを初めて聞いたのがDyeloThinkだったんです。それで京都まで聞きに行って、2014年とかかな。だから、Table Beatsで一緒にできるってなって嬉しかったです。今ではとにかく突っ込みどころが多いいじられキャラの生物です(笑)。

ーここからはEPISTROPH勢にシフトしていきましょう。

人見知りのないオープンなBallheadのビート

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P:ビートの観点でいったら、RACKで言ったような「潔さ」がある。人にどう思われるかとかじゃなくて、自分がどう思うかが100%で、ビートに取り組んでいる感が。こいつはこれが好きなんやなってわかるようなことがあふれだしててて、あふれ出す量がすごい。Kurokiは猫を「かわいいな~」って撫でてるで感じで、Ballheadは大型犬見て全部ほっぽり出して「おしおしおしおし~~~」って可愛がっている感じ。雄のビート。


D:エッジですよね。
B:俺がよく考えているのは、1つの枠に2つのちがう要素を入れる。常に相反する要素をいれるようにしているんですよ。「FUCK」っていうの音ネタも、これだけ使っているのはなんでかっていうと、真面目に取り組んでいるからこそ入れる“遊び”の部分。
P:初めて会う前に先に音から知っていたけど、EPISTROPH入ってくれて、会ったときに「ビートって人やな」って思った。ビートと人間性にギャップが全くなかった。
D:TableBeatsでも、外に向いている感じはあります。フレキシブル。
P:作るビート全てが人見知りしてないというか。
D:あーなるほど。
B:ビートメイカーって内に向きやすいけど、矛盾、相反するものをいれていくことでそれを引き立てあうみたいな本質をみせたい、陰と陽じゃないけどずっと意識してますね。

Phennel Koliander のビートスタイルの根源

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B:まず第一に頭の良さがすげえわかるんですよ。全てにおいて、音がしっかりでるようにミキシング、マスタリングされている。これって知識と経験が絶対的に必要で、この人はこれだけをやってきたんだ、勉強をめちゃくちゃしてきたんだなーっていうことが技術的なところ、構成、配置の仕方からも感じる。そこが完璧主義者なんだなと感じさせられる。
D:そういったロジカルな部分も踏まえながらも、大胆なノリが盛り込まれている。
B:テクニック的な意味でも、構成面でも勉強になる。メロディとかない曲もあって、でもこれで成立させていく方法があるんだなって発見がある。


P:とにかく第一に考えてることが「ぶちかましたい」。
聴いている人全員に「ぶちかましたい」って気持ちが強くて。ぶちかますために何が必要かっていうと、人と同じことは絶対にやらないっていうこと。オリジナリティを追求しつつ、ぶちかませてるっていうのが俺のビートにおける唯一の条件。やし、オリジナリティーがある奴にしか逆に興味が湧かへんし、心が動かへん。lo-fi Hip Hopを作ってますっていう人たちをdisするつもりなどさらさらないけど、俺らのは「ながら聞き」の音楽ちがうでってこと。それぐらいかましたいって思ってて。
B:たしかに音源を聴いていて、そこまでの人間的エネルギーをめっちゃ感じる。ぶちかましたいっていう気持ちがわかる。
P:もうかましたい。ホンマにそれしかないわ。なんやったら物心ついた時からかましたいねん(笑)。何かを創るってなったら、やる以上は一番になりたい。

リスキーで、スリリング。dhrmaのスタイル

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P:dhrmaもかましたい派ねん。俺ら「かましたいブラザース」やな。
D:俺はラッパーと動いてた時期が多かった中で、ビートメイカーのアイデンティティーってなんなんやろ、ってなった時に現場で空間をお客さんと作り上げていくじゃなく支配していくっていうのが大事やって。SPでビートLIVEをする以上、かましたい。
B:たしかにdhrmaは自分自身にもフォーカスしてほしいということが伝わるようなパフォーマンス。

P:dhrmaの音楽って具沢山で。「これとこれと組み合わせたらめっちゃおいしい」みたいなんに詳しい料理人っているやんか。一個ずつの素材はありふれててんけど、そこの組み合わせがここへきて新しい味わいを楽しめるんやってやつ、あれと一緒。
B:だからギリギリを攻めていくのが上手い。音楽がギリギリ瓦解してしまいそうなところに、スリル感じちゃいますね。こんなやつマジでいない。
単なるパーツを超えてどう料理するんだろうっていうワクワクさせてくれる人。国内にこんなビートメーカー本当にいない。
P:国内どころか今、どこの世界にもいない。構成、展開において聴くものを裏切り続ける事で常に耳を刺激し続ける。中毒性の高いループを回しながら、1小節先に何かを期待させてくれるビートなんてマジでなかなかないよ。

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今週末12月13日(日)には、Jazzy Sport Kyotoでの先行販売とリリースパーティーを控える彼ら。各種の最新情報は彼らのInstagramでも✔を。


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Table Beats / Someone’s Order
1. Test Me / Phennel Koliander (3:09)
2. Ready /JohnnyKuroki (1:22)
3. one4caroline /dhrma (3:33)
4. MindScape / Dyelo think (3:57)
5. MiNDBLoWAH / Ballhead (3:31)
6. leave me alone / RACK (3:24)
7. burnt,lie. / dhrma (3:31)
8. Ayo Banger / Phennel Koliander (1:34)
9. Copernicus / Dyelo think (3:37)
10. yeeezus / Ballhead (2:07)
11. Distract / RACK (3:01)
12. Rebuild / JohnnyKuroki (1:57)
■Label: Jazzy Sport Kyoto
■Release Date:12月13日(日) / 一般発売:12月20日(日)
※JS Kyoto、JS Shimokitazawa、Worm Tokyo&各リリパ会場にてCD or CD+限定コラボ Tセット先行発売予定。11月下旬Web&店頭先行予約受付スタート。

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Table Beats ”Someone's Order" Release Party in Tokyo
@solfa_nakameguro & on streaming 
Youtube LIVE https://www.youtube.com/c/epistroph
GOODS https://solfashop.official.ec/

/SPEAKER/
Phennel Koliander
Ballhead
dhrma

/SPECIAL THANKS/
Jazzy Sport Kyoto

/EDITER, WRITER/
Momoe Hanatsumi(EPISTROPH)



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